モブサイコ100 Ⅲ 第5話より ©ONE・小学館／「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会
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がんべあです。
今回は2022年秋アニメ考察のまとめ。
今期毎週欠かさず見ていたアニメは14作品。面白いアニメが多く大満足の3カ月でした。
※ちなみに春は16作品・夏11作品。
2022年秋アニメの「表と裏の主人公」に注目して作品を見返します。私は成長物語（ビルドゥングスロマン）が大好き！良い成長物語には良い裏の主人公が登場しています。
良い「裏の主人公」を決めるポイントは次の3点。
※個人的な基準です（笑）
①：主人公とそりが合わずにケンカばかりしている
②：けど相手（主人公）の事が気になって仕方がない
③：二人のぶつかり合いがそのまま成長物語の基礎となっている
この基準で選んだ私的な2022年秋アニメの「裏の主人公」ベスト3は以下の通り。
1位：エクボ【モブサイコ100 Ⅲ】
（5ｗ4：裏の主人公）
モブサイコ100 Ⅲ 第5話より ©ONE・小学館／「モブサイコ100 Ⅲ」製作委員会
影山 茂夫（9ｗ1：表の主人公）
エクボと影山 茂夫、この2人の関係は①～③の条件を完璧に満たす理想の「表と裏の主人公」コンビ！！
相反する価値観をぶつけ合う事で闘い成長していく二人のお話は感動の嵐状態でした。
「表と裏の主人公」は正反対の価値観を持っていますが、目指している所は同じである事が特徴となっています。
【9ｗ1と5ｗ4の関係】
どちらも現実とは異なる世界を見て正しさを追い求める。違いは、正しさの求め方。
「影山 茂夫」表9ｗ1：良い「夢」を「見る」ことで真実を悟れると信じる。
「エクボ」裏5ｗ4：悪い「偶像」を「破壊」した先に真実があると信じる。
9ｗ1の主人公は良い「夢」を「見る」ことで真実を悟れると信じ、夢を見るために心の平穏をもたらす材料を得ています。しかし都合の悪い現実から目を逸らしがちであり、その認識には「裏の主人公（5ｗ4）」との相互理解が必要になります。
2位：デリング総裁【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
（1ｗ2：裏の主人公）
機動戦士ガンダム 水星の魔女 第4話より © 創通・サンライズ・MBS
ミオリネ（6ｗ5：表の主人公）
この2人の関係もいい「表と裏の主人公」コンビ！
「表と裏の主人公」は相反する性格な為、お互いに相手の事が苦手。
父から逃げ回っていたミオリネ（主人公）はスレッタ（主人公を導く者）との出会いをきかっけにして父：デリング総裁（裏の主人公）の存在を正面から受け止める決心をします。ぶつかり合いながらも成長していく表と裏の主人公達の姿が見事に描かれていて感動しました。
※ちなみにスレッタ（主人公）が救うべきキャラクター（ヒロイン）はグエルとなっています。
【6ｗ5と1ｗ2の関係】
どちらも社会的に必要なものを守るために正しさを武器にする。違いは、守りたいもの。
「ミオリネ」表6ｗ5：金銭などの物質を「守り」、その物質の安全性を確保する。
「デリング総裁」裏1w2：思想などの概念を「擁護」し、その思想の正当性を主張する。
6ｗ5は他人との関係を維持するのは得意ですが、それが何故必要なのかは理解できません。その理由を見つける為には「裏の主人公（1ｗ2）」との相互理解が必要
３位：シャディク【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
（7ｗ8：裏の主人公）
機動戦士ガンダム 水星の魔女 第1話より © 創通・サンライズ・MBS
グエル（3ｗ2：表の主人公）
この2人の関係はまだ直接の戦いは描かれていませんがこれからの展開に期待。
「表の主人公」のグエル（タイプ3）が「裏の主人公」のシャディクと理解し合い成長する事で「救い出すべきヒロイン」はスレッタ（タイプ9）。そしてグエルに対する「主人公を導く者」のはミオリネ（タイプ6）と言う関係。これからのお話がとっても楽しみです。
【3ｗ2と7ｗ8の関係】
どちらも闘争社会で頂点に立つために状況に合わせて動く。違いは、合わせる状況。
「グエル」表3ｗ2：人間の心から賞賛される「スター」になり、賞賛されるためにファンのご機嫌を取る。
「シャディク」裏7w8：金銭などの即物的な「現実」を見据え、利益を得るために勝利できる戦略を練る。
人間の心から賞賛される「スター」になり、賞賛されるためにファンのご機嫌を取る。しかし客の本心からの望みが読めないこともあり、その理解には「裏の主人公（7ｗ8）」との相互理解が必要となる。
今期は表と裏の主人公ががっちり戦うお話は少なかったのですが「モブサイコ100 Ⅲ」と「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の2作品は表と裏の主人公の戦いと「戦いを通じてお互いを分かり合っていく姿」が見事に描かれていました。（ガンダムはまだ1話残っていますね、楽しみにしています）
ではその他の2022年秋アニメを振り返ってみましょう。
私の見ていた秋アニメまとめ
「私の見ていた秋アニメ」の「主人公」と「裏の主人公」を一覧にまとめました。
表の中に「対決」とあるのは「主人公」と「裏の主人公」が対決をしたかどうか。そしてその隣の欄にある「理解」は戦いの結果「主人公」と「裏の主人公」が理解し合ったかどうかとなります。
ピンクの作品が「主人公と裏の主人公が戦うアニメ」。
こうして表にまとめて見ると「主人公」と「裏の主人公」が戦うアニメとそうでないアニメがある事が分ります。
主人公と裏の主人公が戦うアニメ
今期、主人公と裏の主人公が戦ったアニメは「モブサイコ100 Ⅲ」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「ベルセルク 黄金時代編」「僕のヒーローアカデミア」「異世界おじさん」「チェインソーマン」「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」の7作品。
「ベルセルク 黄金時代編」
コルカス（3ｗ2：裏の主人公）
ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION 第2話より ©三浦建太郎(スタジオ我画)・白泉社／BERSERK FILM PARTNERS
オール・フォー・ワン（1ｗ9：裏の主人公）
僕のヒーローアカデミア 第48話より ©堀越耕平／集英社・僕のヒーローアカデミア制作委員会
「異世界おじさん」
ツンデレエルフ（3ｗ2：裏の主人公）
「チェインソーマン」
パワー（8ｗ7：裏の主人公）
「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」
フーシー（5ｗ4：裏の主人公）
TV放送版 羅小黒戦記 -ぼくが選ぶ未来- 第1話より ©Beijing HMCH Anime Co.,Ltd
これらの作品はどれも「主人公の成長」を描いたアニメとなっています。
主人公と裏の主人公が（真剣に）戦わないアニメ
主人公と裏の主人公が（真剣に）戦わないアニメは「SPY×FAMILY」「ヤマノススメ Next Summit」「ぼっち・ざ・ろっく！」「Do It Yourself!!」「マブラヴ オルタネイティヴ」「うる星やつら」「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の7作品。
これらのアニメはいくつかの分類に分かれます。
ケース①：（おそらく）主人公の成長を描くアニメだが、まだ表と裏の主人公の戦いにまでお話が進んでいないもの。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
シャディク（7ｗ8：裏の主人公）
グエル（3ｗ2：の主人公）
ケース②：闇落ちパターン
（もしくはバッドエンドの物語）
沙霧 尚哉（5ｗ4：裏の主人公）
マブラヴ オルタネイティヴ 第12話より Ⓒ aNCHOR / オルタネイティヴ第三計画
白銀 武（表：9ｗ1）⇔ 沙霧 尚哉（裏：5ｗ4）
沙霧は最高の「裏の主人公」だったのですが、「表の主人公」の白銀と解り合う事無く、前期のお話で死亡してしまっています。
今期は新たな「裏の主人公」の登場は無く、このままではバッドエンド確定の流れなので、ドキドキしながら見ています。
「主人公が闇落ちするお話（またはバッドエンドのお話）」では表と裏の主人公が闘いの決着を避ける（成長の機会を逃す）展開となっています。
ケース③：日常系アニメ（ギャグアニメ？）
「SPY×FAMILY」
ボンド（4ｗ5：裏の主人公）
アニー（表：9ｗ8）⇔ ボンド（裏：4ｗ5）
「うる星やつら」
ラム（3ｗ2：裏の主人公）
諸星 あたる（表：7ｗ8）⇔ ラム（裏：3ｗ2）
いわゆる「日常系アニメ」や「ギャグアニメ」では主人公と裏の主人公の真剣なバトルはあまり描かれません。それは作品にあまり主人公の成長（日常を壊す変化）が望まれていないからでしょう。
ケース④：9ｗ8（調停者）の主人公？
今期の作品では「表と裏の主人公」の戦いが無いにもかかわらずキチンと主人公が成長するお話が4本もあってビックリしています。
これらの作品の主人公は共に9ｗ8（調停者）。
ひょっとすると9ｗ8の主人公は「裏の主人公（4ｗ5）」との激しい闘いを回避しながらも成長できる特殊な存在なのかもしれません。
また検証を進めなければいけない重要案件が出てきちゃいました。
「ヤマノススメ Next Summit」
青羽 ここな（4ｗ5：裏の主人公）
ヤマノススメ シーズン1 第9話より ©しろ／アース・スター エンターテイメント／『ヤマノススメ』製作委員会
雪村 あおい（9ｗ8：表の主人公）
ヤマノススメ シーズン1 第9話より ©しろ／アース・スター エンターテイメント／『ヤマノススメ』製作委員会
「ぼっち・ざ・ろっく！」
山田 リョウ（4ｗ5：裏の主人公）
ぼっち・ざ・ろっく! 第2話より ©はまじあき／芳文社・アニプレックス
後藤 ひとり（9ｗ8：表の主人公）
「Do It Yourself!!」
日蔭 匠（4ｗ5：裏の主人公）
Do It Yourself!! 第2話より ©IMAGO／avex pictures・DIY!!製作委員会
結愛 せるふ（9ｗ8：表の主人公）
Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ- 第1話より ©IMAGO／avex pictures・DIY!!製作委員会
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」
エラン（4ｗ5：裏の主人公）
機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2話より © 創通・サンライズ・MBS
スレッタ（9ｗ8：表の主人公）
※スレッタとエランは表面上モビルスーツ戦を行っていますが、お互いの主義主張を戦わせていないので（エランからのスレッタに対する一方通行の想いは有）、今回は「戦い無し」の分類にしています。
「9ｗ8の主人公は裏の主人公との闘いをせずに成長できる」、まじでびっくりしています。
振り返ってみれば「白い砂のアクアトープ」の海咲野 くくる（9ｗ8）も裏の主人公の屋嘉間志 空也（4ｗ5）との闘いは描かれていなかったですね。これから9ｗ8が主人公のアニメを色々見返してみたいです。
それにしても今期も充実した2022年夏アニメに囲まれて実に楽しく幸せな3ヶ月。来年のアニメも楽しみにしています。これからも新しい発見をしていきたい！
今日はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように！
【2022年秋アニメ分析まとめ】
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