メイドインアビス 烈日の黄金郷 第8話より ©つくしあきひと・竹書房/メイドインアビス「烈日の黄金郷」製作委員会
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がんべあです。
今回は2022年夏アニメ考察のまとめ。
今期毎週欠かさず見ていたアニメは11作品。春の16作品に比べると本数は減りましたが魅力的な作品が多くてドキドキされっぱなしの3ヶ月でした。
2022年夏アニメの「表と裏の主人公」に注目して作品を見返します。私は成長物語(ビルドゥングスロマン)が大好き!良い成長物語には良い裏の主人公が登場しています。
良い「裏の主人公」を決めるポイントは次の3点。
※個人的な基準です(笑)
①:主人公とそりが合わずにケンカばかりしている
②:けど相手(主人公)の事が気になって仕方がない
③:二人のぶつかり合いがそのまま成長物語の基礎となっている
この基準で選んだ私的な2022年夏アニメの「裏の主人公」ベスト3は以下の通り。
1位:ワズキャン【メイドインアビス】
(表の主人公:ヴエコ)
2位:小舟 潮【サマータイムレンダ】
(表の主人公:網代 慎平)
3位:吉松 シンジ【リコリス・リコイル】
(表の主人公:錦木 千束)
リコリス・リコイル 第2話より ©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
どのアニメも「表と裏の主人公の激しいぶつかり合い」がそのまま二人の「成長物語の基礎」になっている理想的なお話の展開。成長物語が大好きな私はゾクゾクしながら見入っていました。
その他の作品も含めて2022年夏アニメを振り返ってみます。
私の見ていた夏アニメまとめ
「私の見ていた夏アニメ」の「主人公」と「裏の主人公」を一覧にまとめました。
表の中に「対決」とあるのは「主人公」と「裏の主人公」が対決をしたかどうか。そしてその隣の欄にある「理解」は戦いの結果「主人公」と「裏の主人公」が理解し合ったかどうかとなります。
ピンクの作品が「主人公と裏の主人公が戦うアニメ」。
こうして表にまとめて見ると「主人公」と「裏の主人公」が戦うアニメとそうでないアニメがある事が分ります。
主人公と裏の主人公が戦うアニメ
今期、主人公と裏の主人公が戦ったアニメは「リコリス・リコイル」「サマータイムレンダ」「メイドインアビス」「異世界おじさん」の4作品。
「異世界おじさん」
これらの作品はどれも「主人公の成長」を描いたアニメとなっています。
主人公と裏の主人公が(真剣に)戦わないアニメ
主人公と裏の主人公が戦わないアニメは「オーバーロード」「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(ダンまち)」「よふかしのうた」「アオアシ」「シャドーハウス」「それでも歩は寄せてくる」「金装のヴェルメイユ」の7作品。
これらのアニメはいくつかの分類に分かれます。
ケース①:(おそらく)主人公の成長を描くアニメだが、まだ表と裏の主人公の戦いにまでお話が進んでいないもの。
「ダンまち」
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ OP ©大森藤ノ・SBクリエイティブ/ダンまち4製作委員会
※今期前半の物語ではリリルカ・春姫・カサンドラ・ダフネと多くの主人公が登場していますがどのお話も完結には及びませんでした。リリルカを除く他の主人公達が裏の主人公と仲良し関係で真剣に闘う(主張をぶつけ合う)気配が無いのが少し気になりますが、今後の展開に期待を持ちたいです。
※後半のリューを主人公とした物語は今(2022年10月3日)の時点で最終回まで放映されていませんので、考察は後日行います。
「よふかしのうた」
※いい所でお話が終わってしまいました。夜守コウ(表:よふかし)と白河 清澄(裏:早起き)。二人の裏と表の主人公による葛藤がどう描かれていくのか。とても気になりますが原作には手を出さずに2期を楽しみに待ちたいと思います。
「アオアシ」
※今期のお話は主人公の青井 葦人が「表の自分を確立するまでのお話」。次のシーズンではいよいよ裏の主人公の栗林 晴久との闘いが描かれる流れだと思われます。サッカー勝負だけでなく葦人(表)と栗林(裏)の花をめぐる関係もドキドキです!
「シャドーハウス」
シャドーハウス 2nd Season 第11話より ©ソウマトウ/集英社・シャドーハウス製作委員会
※今期の主人公「バーバラとマリーローズ」に対応する裏の主人公は「バービーとローズマリー」。それぞれシャドーと生き人形の関係。表と裏の主人公の戦いは発生しませんが、その事自体が作品の怖さを演出していると言う上手い構成。
アンソニーの「洗脳が必要な理由が分かりました…」のシーンが実に怖かった…。
これからのお話ではコーヒーによる洗脳が解かれる事(と過去の記憶が戻る事)で表と裏との安定が崩れ、本格的にシャドーと生き人形(表と裏の主人公達)の葛藤(戦い)が発生していくのでしょう。ちなみに他のシャドーと生き人形達も表と裏の関係のペアが多く見られます。続きが楽しみ!
「金装のヴェルメイユ」
金装のヴェルメイユ 第1話より ⓒ天那光汰・梅津葉子/SQUARE ENIX・「金装のヴェルメイユ」製作委員会
※主人公のアルトとヴェルメイに対応する裏の主人公はシャロルとエレナ。しかし双方とも表と裏の主人公の真剣勝負は発生していません。その為、残念ながら物足りない内容と感じてしまいました。今後の展開に期待。エピソード自体は好きなお話なのです。
ケース②:闇落ちパターン
「オーバーロード」
ラーナ王女(主人公:6w7)
※「主人公が裏の主人公との真剣勝負を回避」してしまうのは「闇落ちパターン」のお話。
主人公ラーナ王女(6w7)に対する裏の主人公はラキュース(2w1)。
ラーナ王女が成長する為には王国の危機に対してラキュース(裏の主人公)と真剣にぶつかり合い(王国を見捨てて新たな体制に仕えたい「表:ラーナ王女」と王国を救いたい「裏:ラキュース」)、新たな第3の道を見出していく必要がありました。
しかしラキュースは仲間達に拉致されラーナ王女の前から姿を消してしまいます。そして表と裏の主人公の真剣勝負は行われずにラーナ王女は闇落ちしてしまう物語の展開となっています。
ラキュース(裏の主人公:2w1)
ケース③:日常系アニメ
「それでも歩は寄せてくる」
※メイン主人公達の表と裏の関係は完璧。
田中 歩(表:9w1)⇔ 御影 桜子(裏:5w4)
八乙女 うるし(表:3w2)⇔ 角竜 タケル(裏:7w8)
マキ(表:6w5)⇔ 香川 凛(裏:1w2)
※(表3-6-9)(裏5-7-1)の実に見事で安定した関係。
しかし表と裏の主人公達が全く闘う気配が無い所がさすが日常系。これはこれでほんわか観れるのでいいと思っています。
いわゆる「日常系アニメ」や「ギャグアニメ」では主人公と裏の主人公の真剣なバトルはあまり描かれません。それは作品にあまり主人公の成長(日常を壊す変化)が望まれていないからでしょう。
また「主人公が闇落ちするお話」では表と裏の主人公が闘いの決着を避ける(成長の機会を逃す)展開となっています。
完結した物語
「主人公」と「裏の主人公」の相反する生き方を「主人公を導く者」が導き、最後は3人で協力して「ヒロイン」を助ける。それが成長物語(ビルドゥングスロマン)の黄金パターン。
今期は完結した物語が多く、「メイドインアビス 烈日の黄金郷(ヴエコを主人公としたお話)」「リコリス・リコイル」と「サマータイムレンダ」の3作品が綺麗に終わっています。
特にメイドインアビスはメイン主人公(リコとレグ)のパーティーに新たなメンバー(ファプタ)が加わるエピソードをまるまる1クール(12話)を使って「ヴエコの物語」として完結させる物語の構成に心が震えました。
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
ヴエコ(表)とワズキャン(裏)が共にファプタ(ヒロイン)を救う話。
「サマータイムレンダ」
網代 慎平(表)と小舟 潮(裏)が共に小舟澪(ヒロイン)を助ける話。
「リコリス・リコイル」
錦木 千束(表)と吉松 シンジ(裏)が共に井ノ上たきな(ヒロイン)を助ける話。
リコリス・リコイル 第13話より ©Spider Lily/アニプレックス・ABCアニメーション・BS11
表と裏の主人公が協力してヒロインを助ける「黄金パターンのお話」は見終わった後の気持ちの良さがたまりません。
おまけ:救われなかったヒロイン
主人公がタイプ9の場合、ヒロインはタイプ6となりますが、時折2人のヒロインが登場する作品もあります。色々な作品を分析していくと、このケースのお話にはお決まりのパターンがある様です。
そのパターンは以下の2点。
①2人のヒロインの性格はそれぞれ6w5と6w7。
②主人公は最終的にタイプ6w7のヒロインを選び、6w5のヒロインはその踏み台となる。
6w5(守る人:The Defender)
タイプ6w5(守る人)は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。
6w7より集中力に優れているが、関心事は狭まる。往々にして、不利な立場にある人やグループの代弁をしたり擁護をする。
6w7(良き友:The Buddy)
タイプ6w7(良き友)は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて今この時を楽しむ(タイプ7)性格。
6w5ほど真面目ではありません。魅力的で面白く人付き合いがよいが自己軽視の傾向がある。
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
主人公、衛宮 士郎(タイプ9)は最終的にヒロインの間桐 桜(6w7)を救いますが、その踏み台となるのがセイバー(6w5)と言うお話の構成となっています。
今期のアニメではこのパターン(6w7のヒロインを救う為に6w5のヒロインが見捨てられる)のお話が2作品見受けられました。
※正確に言うと主人公(タイプ9)がメインヒロイン(6w7)を助ける為にサブヒロイン(6w5)は自らを犠牲にして「主人公がメインヒロインを助ける為」の手助けを行うお話と言った感じでしょうか。
「メイドインアビス 烈日の黄金郷」
(パッコヤン:6w5)
「アオアシ」
(海堂 杏里:6w5)
これらの作品では6w5のサブヒロイン(パッコヤン・海堂 杏里)が「主人公(ヴエコ・青井 葦人)がメインヒロイン(ファプタ・花)を救うための手助け(サポート)」をしてしまい、自らは主人公によって救われない展開のお話となっています。
リソが付けた6w5の名称は「守る人」。
6w5のサブヒロインは主人公によって助け守られる立場ではなく、自らが主人公とメインヒロインを守る立場を選ぶのだと分析しています。
【6w5と6w7のヒロインのお話について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】
何かと可哀そうな6w5のヒロインが幸せを掴むアニメが見たいです。
それにしても充実した2022年夏アニメに囲まれて実に楽しく幸せな3ヶ月でした。秋アニメも楽しみです。
今日はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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