こんにちは
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がんべあです
みなさんは日本でのアニメ映画「歴代興行収入ベスト10」作品に共通するストーリー構成がある事を知ってますか?
その構成とは「13フェイズ」構成
今回は大ヒット映画のストーリーに共通して見られるお話の構成を紹介します
アニメ映画興業収入ベスト10の作品(2018年まで)
1位「千と千尋の神隠し」 (2001年 301億円)
2位「アナと雪の女王」 (2014年 254億円)
3位「君の名は」 (2016年 250億円)
4位「ハウルの動く城」 (2004年 196億円)
5位「もののけ姫」 (1997年 193億円)
6位「崖の上のポニョ」 (2008年 155億円)
7位「風立ちぬ」(2013年 120億円)
8位「ファインディング・ニモ」(2003年 110億円)
9位「トイ・ストーリー3」(2010年 108億円)
10位「モンスターズ・インク」(2002年 93億円)
どれもこれも名作揃い
これらの作品はどれも「13フェイズ」構成と呼ばれるストーリー構成で創られています
13フェイズとは
「13フェイズ」構成のお話の流れは次の様な展開となっています
ストーリー構成のポイントは最初に主人公の抱える問題と日常が描かれ、最後にその問題が解決する事
そして問題解決に至る道筋は次の様に決まっています
「主人公の日常、抱える問題の提示」→「事件発生」→「事件に飛び込む決意」→「困難と助け」→「中盤のクライマックス」→「後半は助け無しで主人公が一人で頑張る」→「しかし絶体絶命に」→「立ち直るきっかけ」→「最終対決と勝利」→「問題の解決」
アニメ映画ベスト10 具体的なストーリー構成
ではベスト10作品の構成を見ていきましょう
作品によっては主人公が複数いる場合があります
その時はそれぞれの主人公に13フェイズ構成のお話が展開していきます
紹介する作品数が多いので、気になった作品だけにでも目を通してもらえればと思います
1位「千と千尋の神隠し」
主人公は千尋
問題点は「ワガママで責任感がない子供である事」
物語前半、第7フェイズまでは千尋はハクや湯場の仲間たちの助けを得ながら成長をしていきます
そして第8フェイズ以降の後半では千尋はその助け無しで成長するお話へ変化します
2位「アナと雪の女王」
主人公はアナとエルサの二人、それぞれに13フェイズに従ったお話が展開していきます
主人公アナの問題点は「真実の愛を知らない事」
物語前半、第7フェイズまではアナはクリストフの助けを得て姉のエルサの救出に向かいます
しかし第8フェイズ以降の後半ではアナはクリストフと別れ、助け無しでエルサの救出をするお話へ変化します
もう一人の主人公エルサの問題点は「自分の持つ力をコントロール出来ないこと」
物語前半、第7フェイズまではエルサは手袋(父親の象徴)の助けを得て魔法の力を制御しようとします
しかし第8フェイズ以降の後半ではエルサは手袋を捨て、自分自身の力で魔法を制御するお話へと変化します
3位「君の名は」
主人公は瀧と三葉の二人
二人の問題点は「何かを誰かを探している、何かが消えてしまったが思い出せない事」
このお話の構成は少し変速的、2人の主人公のフェイズが重なり別れまた重なる構成となっています
第6フェイズまで瀧と三葉のお話は同時進行します
共にお互いの助けを得ながら交流を深め成長していきます
しかし第7フェイズ以降の物語後半では二人の入れ替わりが止まり離れ離れとなったお話に変化します
先ずは瀧のお話が進み、12フェイズまで進んだ所で三葉のお話の第7フェイズにバトンタッチ
この時、瀧が三葉に組紐を渡す事で主人公の入れ替わりを示している演出が感動的!
そして三葉のお話が進み、最後の13フェイズはまた瀧と三葉の二人のお話が同時進行、ラストシーンへと繋がっていく複雑な構成となっています
4位「ハウルの動く城」
主人公はソフィー
問題点は「平凡な自分に満足しようとして自分の可能性にフタをして全てを諦めている事」
第7フェイズまでソフィーはハウルの助けを得て魔法の事を学び成長していきます
そして第8フェイズ以降の物語後半ではハウルはソフィーの元を離れ鳥の姿となり戦い続けます
ソフィーはハウルの助けなし、一人魔女として成長していくストーリー展開となります
5位「もののけ姫」
主人公はアシタカ
問題点は「未だ自分の運命を見つけ対峙していない事」
第7フェイズまでアシタカはシシ神とエボシ(自然と人間)の両方の助けを得て世の中を見据え成長していきます
しかし第8フェイズ以降の物語後半ではアシタカは人(エボシ)に対しても自然(サン・モロ)に対しても味方する事ができず、一人で奮闘するお話になります
6位「崖の上のポニョ」
主人公は宗介とポニョのお父さんフジモトの二人
宗介の問題点は「守るべき人」がいない事
物語前半、第7フェイズまでは宗介はポニョの助けを得てリサを捜す冒険の旅を進む事で二人の関係を深めていきます
しかし第8フェイズ以降の後半では宗介はポニョの助け無しで目標に向かう旅を続けなくてはなりません
もう一人の主人公、フジモト
問題点は「子離れができない事」
物語前半、第7フェイズまではフジモトは「生命の水」の助けを得てポニョを自分の元へ留めようとします
しかし第8フェイズ以降の後半ではフジモトを助けてくれた生命の水は逆にポニョの力となってしまい、その助けを得る事はできません
7位「風立ちぬ」
主人公は二郎
抱える問題点は「パイロットになれない事」
物語前半、第7フェイズまでは二郎はライバル本庄の助けを得て理想の飛行機創りを目指します
物語後半では二郎は奈穂子に支えられながら飛行機の開発を行います
8位「ファインディング・ニモ」
主人公はマーリンとニモの二人
マーリンの問題点は「他人を信じられない事」
物語前半、第7フェイズまではマーリンはドリーの助けを得て成長をしていきます
そして第8フェイズ以降の後半ではマーリンはドリーの助け無しで成長するお話へ変化します
もう一人の主人公ニモの問題点は「父親から一人前と認めてもらえていない事」
物語前半、第7フェイズまではニモは水槽の仲間達の助けを得て成長していきます
そして第8フェイズ以降の後半ではニモは水槽の仲間達の助け無しで成長するお話へ変化します
9位「トイ・ストーリー3」
主人公はウッディ
問題点は「自分自身の存在意義が分からない事」
物語前半、第7フェイズまではウッディはモリーの助けを得て「自分自身の存在意義」を見出していきます
しかし第8フェイズ以降の後半ではウッディはモリーの助け無しで「自分自身の存在意義」を見出していかなくてはいけません
10位「モンスターズ・インク」
主人公はサリー
問題点は「世の中のルールに流され、自分の意思で行動していない事」
物語前半、第7フェイズまではサリーは相棒のマイクの助けを得ながら、「流されるままの生活」から「自分 自身の判断による行動」ができるように成長していきます
そして第8フェイズ以降の物語後半ではサリーはマイクの助け無しで自分の判断による行動、成長をしていくお話になるのです
13フェイズ構成のお話とは
アニメ映画歴代興行収入ベスト10作品のストーリー構成には13フェイズ構成と言う共通したものがありました
物語の構成には多くのパターンがありますが、13フェイズ構成はその中でも特に万人受けする構成
13フェイズ構成のお話の一番の特徴は「主人公の成長物語」であること
主人公の成長を観客に共感し満足してもらえるように最適化された構成になっています
13フェイズのどの要素一つが抜けてもいけません
これは長い長い人類の物語創りの歴史で磨かれ生まれた構成
そして面白いのはおそらくどの監督も13フェイズ構成と言う事を気にしないで創っているのでしょう
監督の持つ感性にしたがってストーリーを紡いでいく事で自然と13フェイズ構成になっています
今回、人気アニメ映画の内、どのくらいの作品が13フェイズ構成なのかが気になって調べてみたのですが、10作品全てがそうだとは想像していませんでした
作品を調べるのはとても楽しい作業
「君の名は」の素晴らしいストーリー構成や、「崖の上のポニョ」の影の主人公がフジモトだった事などに気付いた時には、感動で心がゾワゾワーっと震えてしまいました
みなさんも自分が感動したお気に入りの作品を13フェイズで分析してみませんか
きっと楽しい経験ができると思います
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【13フェイズについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】
【10作品の詳しい解説はこちらから】