機動戦士ガンダム 水星の魔女 第20話より © 創通・サンライズ・MBS
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今回は2023年春アニメ考察のまとめ。
今期毎週見ていたアニメは14作品。飛ばし飛ばし見ていた作品が4作品。冬が5作品だった事から一転、非常に忙しい3ヶ月でした。
2023年春 表と裏の主人公ベスト3
2023年春アニメの「表と裏の主人公」に注目して作品を見返します。私は成長物語（ビルドゥングスロマン）が大好き！良い成長物語には良い裏の主人公が登場しています。
良い「裏の主人公」を決めるポイントは次の3点。
※個人的な基準です（笑）
①：主人公とそりが合わずにケンカばかりしている
②：けど相手（主人公）の事が気になって仕方がない
③：二人のぶつかり合いがそのまま成長物語の基礎となっている
この基準で選んだ私的な2023年春アニメの「裏の主人公」ベスト3は以下の通り。
1位：グエルとシャディク【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
シャディク【機動戦士ガンダム 水星の魔女】
（7ｗ8：裏の主人公）
機動戦士ガンダム 水星の魔女 第20話より © 創通・サンライズ・MBS
グエル（3ｗ2：表の主人公）
シャディクとグエル、この2人の関係は①～③の条件を満たした理想の「表と裏の主人公」コンビ！！
相反する価値観をぶつけ合う事で成長していく二人のお話には感動させてもらいました。
今期のアニメで最高の表と裏の主人公ペアだと思います。
「表と裏の主人公」は正反対の価値観を持っていますが、目指している所は同じである事が特徴となっています。
【3ｗ2と7ｗ8の関係】
どちらも闘争社会で頂点に立つために状況に合わせて動く。違いは、合わせる状況。
「グエル」表3ｗ2：人間の心から賞賛される「スター」になり、賞賛されるためにファンのご機嫌を取る。
「シャディク」裏7w8：金銭などの即物的な「現実」を見据え、利益を得るために勝利できる戦略を練る。
3w2は人間の心から賞賛される「スター」になり、賞賛されるためにファンのご機嫌を取る。しかし客の本心からの望みが読めないこともあり、その理解には「裏の主人公（7ｗ8）」との相互理解が必要となる。
2位：岩倉 美津未と村重 結月【スキップとローファー】
村重 結月【スキップとローファー】
（1ｗ2：裏の主人公）
スキップとローファー 第2話より ©高松美咲・講談社／「スキップとローファー」製作委員会
岩倉 美津未（6ｗ5：表の主人公）
スキップとローファー 第1話より ©高松美咲・講談社／「スキップとローファー」製作委員会
この2人も素敵な「表と裏の主人公」コンビ！
「表と裏の主人公」は相反する性格な為、お互いに相手の事が苦手。
「ギクシャクしていた2人の関係が変化していくストーリー」が観ていて気持ち良かったです。
【6ｗ5と1ｗ2の関係】
どちらも社会的に必要なものを守るために正しさを武器にする。 違いは守りたいもの。
「岩倉 美津未」表6ｗ5： 6ｗ5は目の前の物質を守ります。しかし何故それが必要なのかが分かりません。
「村重 結月」裏1ｗ2：1ｗ2は思想などの概念を擁護し、その正当性を主張します。しかしその実現性までは考えていません。
6ｗ5の主人公は他人との関係を維持するのは得意ですが、それが何故必要なのかは理解できません。その理由を見つける為には裏の人格（1ｗ2：擁護者）が必要なのです。
３位：江頭 ミカと岩倉 直樹【スキップとローファー】
岩倉 直樹【スキップとローファー】
（2ｗ1：裏の主人公）
スキップとローファー 第8話より ©高松美咲・講談社／「スキップとローファー」製作委員会
江頭 ミカ（6ｗ7：表の主人公）
スキップとローファー 第8話より ©高松美咲・講談社／「スキップとローファー」製作委員会
2位と3位が共にスキップとローファー。
登場人物の描き込みがしっかりしていて安心感のあるアニメ。この2人以外にも志摩 聡介と兼近 鳴海の表裏コンビの関係が良かったです。
【6w7と2w1の関係】
どちらも他人と良好な関係を築くために相手の心を宥める。違いは、他人と望む関係。
「江頭 ミカ」表6ｗ7：対等な関係の「友」になろうとし、友との遊びとして世俗的な娯楽を提供する。
「岩倉 直樹」裏2w1：弱者に対して「尽くそう」とし、弱者への救済として宗教的な思想を教示する。
6w7の主人公は対等な関係の「友」になろうとし、友との遊びとして世俗的な娯楽を提供しています。しかし深刻な問題に協力する勇気がなく、その自覚には「裏の主人公（2ｗ1）」との相互理解が必要となります。
その他の2023年春アニメの表と裏の主人公の関係は以下の通りとなります。
私の見ていた春アニメまとめ
「私が毎週見ていた春アニメ」の「主人公」と「裏の主人公」を一覧にまとめました。
こうして見返すと滅茶苦茶量多いですね。
この3か月間大変だった訳です。
※表の中に「対決」とあるのは「主人公」と「裏の主人公」が対決をしたかどうか。そしてその隣の欄にある「理解」は戦いの結果「主人公」と「裏の主人公」が理解し合ったかどうかとなります。
ピンクの作品が「主人公と裏の主人公が戦うアニメ」。
「ギャグアニメ」や「日常系アニメ」は表と裏の主人公の闘いは描かれない事が多いです。
「推しの子」と「天国大魔境」はいい表と裏の役者が揃っているのですが、まだ物語が序盤の為、表と裏の主人公の闘いにまでお話が進みませんでした。
どちらの作品も登場人物が多いので主人公との関係をまとめておくととても見やすくなっておススメ。それにしても早く続きが観たいです！！
【9ｗ1（表）と5ｗ4（裏）がメイン主人公のアニメ】
私が見ていたアニメの中で今期一番多かったのは9ｗ1（夢見る人）が主人公の王道アニメ。9ｗ1が主人公のアニメは「ドラゴンに囚われたお姫様を救い出す物語」。
「推しの子」「鬼滅の刃 刀鍛冶の里編」「王様ランキング 勇気の宝箱」「地獄楽」はどれもお姫様（ヒロイン）を助ける為に奮闘する主人公（王子様）が印象的で楽しんでみる事ができました。
「青のオーケストラ」は好きな作品で良かったのですが、主人公の青野 一と裏の主人公の佐伯 直が意外と仲が良く緊張感のある熱い闘いが見られなかった事が残念。
「王様ランキング」のボッジ王子とカゲは私の中で表と裏の主人公で最高のペア♪（直接対決は第1期だったので今回のベスト3には入れていません）
推しの子
鬼滅の刃 刀鍛冶の里編
王様ランキング 勇気の宝箱
地獄楽
青のオーケストラ
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する
事情を知らない転校生がグイグイくる。
【5ｗ4（表）と9ｗ1（裏）がメイン主人公のアニメ】
5ｗ4（偶像破壊者）が主人公のお話は「主人公が心の平和を求めるお話」。
王道の物語（9ｗ1）では裏の主人公にあたる5ｗ4（偶像破壊者）が表の主人公となるアニメになります。
9ｗ1が正義感を持って堂々としているのに対して5ｗ4は姑息で卑怯な手を平気で使う所が正反対の性格。
「デッドマウント・デスプレイ」「神無き世界のカミサマ活動」「勇者が死んだ！」の3本は共にそうした5ｗ4らしい主人公が活躍するお話で実に興味深く見る事ができました。
また5ｗ4が主人公の恋愛物語には「四月は君の嘘」や「君の膵臓をたべたい」等がありますが、いずれも切ない結末のお話となっています。
「君は放課後インソムニア」の主人公も同じ5ｗ4。ラストまで見るのがちょっと怖いアニメ。いいお話で大好きなのですが…。
デッドマウント・デスプレイ
神無き世界のカミサマ活動
勇者が死んだ！
君は放課後インソムニア
【9ｗ8（表）と4ｗ5（裏）がメイン主人公のアニメ】
9ｗ8が主人公のアニメは9ｗ1とはちょっと異なる雰囲気になります。どちらも平和を愛するマイペースな性格ですが、9ｗ1の主人公が生真面目で正義感を前面に出すのに対して、9ｗ8の主人公は正義より目の前の人との繋がりを重視します。
「水星の魔女」「天国大魔境」はどちらも面白かったのですが辛いシチュエーションが多かったですね。
機動戦士ガンダム 水星の魔女
天国大魔境
【4ｗ5（表）と9ｗ8（裏）がメイン主人公のアニメ】
4ｗ5は9ｗ8の裏の主人公。
4ｗ5が表の主人公のアニメは「空想世界」に引きこもっていた主人公が「現実世界」へ飛び出す（認識する・目を向ける）お話。
「僕の心のヤバイやつ」は「表の主人公」市川 京太郎と「裏の主人公」山田 杏奈との闘いを描いたアニメ。
主人公は真剣に闘っているのでしょうが、はたから見ると2人のやり取りがとても可愛くて癒されるアニメでした。
4ｗ5が主人公のアニメで本格的な「恋愛成長物語」は悲壮感が半端ない作品（※）になりがちなので、これ位まったりしていた方が気楽に見る事ができます。
※4ｗ5（ボヘミアン）が主人公の作品で表と裏の主人公が本格的に衝突する「恋愛成長物語」は「言の葉の庭」「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」「プラステックメモリーズ」等があります。
いずれも美しい話ですが”主人公が苦しみまくって恋の結末が切ない”展開になるパターンが多く、見ていて苦しい作品が多いです。（大好きですけどね…）
僕の心のヤバイやつ
【6ｗ5（表）と1ｗ2（裏）がメイン主人公のアニメ】
6ｗ5が主人公のアニメはお姫様が主人公となるお話。「現実の物質（や関係）」を守っていた主人公が「それを守るべき理由」を見つけ出すストーリーとなっています。
今期の6ｗ5が主人公のアニメは日常系やギャグ系が多くて表と裏の主人公の葛藤はあまり深刻に描かれず、じゃれあってる感じ。おかげでのんびりと見る事ができて良かったです。
カワイスギクライシス
おとなりに銀河
アイドルマスター シンデレラガールズ U149
山田くんとLv999の恋をする
【6ｗ7（表）と2ｗ1（裏）がメイン主人公のアニメ】
6ｗ7が主人公のアニメもまたお姫様が主人公となるお話。
「争いを好まず調整役に徹してきた」主人公が、仲間の為に「（勇気を出して）戦いの先頭に立つ」ストーリー。
「江戸前エルフ」と「私の百合はお仕事です!」は共に日常系のお話。表と裏の主人公の葛藤と成長はあまり描かれていません。こちらものんびりと見る事ができました。
江戸前エルフ
私の百合はお仕事です!
まとめ
今期は毎週楽しみなアニメが多くて大変でしたが、表と裏の主人公の葛藤と成長に関してはほとんどの作品で「日常系なので深堀りしない（主人公が成長すると日常が壊れるのでNG）」又は「戦い前の準備段階のお話」が多くちょっと残念な感じでした。
そんな中で「スキップとローファー」は主人公だけでなくわき役のキャラクターも表と裏の主人公の葛藤と成長がしっかりと描かれていてとても満足。
今回1位に選んだ「水星の魔女」は「グエルとシャディク」や「ミオリネとデリング総裁」等の闘いは最高だったのですが、肝心のメイン主人公「スレッタとエラン（強化人士4号）」の表と裏の主人公の葛藤と成長が深堀りされなかったのが実に残念。「グエルとシャディク」や「ミオリネとデリング総裁」の様に大ケンカをしながらお互いを分かり合っていく熱い展開が見たかったです。
あと、気になるのは「推しの子」の主人公アクアと苺プロ元代表取締役、斉藤 壱護との表と裏の関係。
「アクアは闇落ち寸前」「斉藤 壱護は失踪」と2人ともボロボロの状況ですが、第2期以降では2人が「アイの死と言う現実」に向き合って前向きに前進する為の熱い「表と裏の対決」展開になるのだと期待しています。
※2023年7月7日補足
このブログを書き終わってから「ワールドダイスター」を見る事になりました。とても面白くて見ていなかった事を大後悔！「ここなと静香」の表と裏の主人公達は2023年春アニメベスト1の関係だと感じました。
【詳しくは下のリンク記事をどうぞ！】
今日はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように！
【2023年春アニメ分析まとめ】
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