キャラクターの作り方：推しの子「星野瑠美衣」と「星野アイ」6ｗ5と6ｗ7の違いをエニアグラム分析する

推しの子第1話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

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今回は「推しの子」に登場する「星野瑠美衣」と「星野アイ」について、性格の共通点＆相違点をエニアグラム分析します。

6ｗ5と6ｗ7は「Fate/stay night」のセイバー（6ｗ5）と間桐桜（6ｗ7）等、タイプ9の主人公に対するダブルヒロインとして登場するパターンがアニメの中で多く見られます。

「推しの子」のお話ではメイン主人公、星野愛久愛海（9ｗ1）に対するダブルヒロインとして星野瑠美衣（6ｗ5）と星野アイ（6ｗ7）が配置されています。

推しの子めちゃくちゃ面白いですね。

アイドルものと転生モノとミステリー作品の魅力をミックスした超お勧めアニメです。

推しの子のストーリー

田舎の産婦人科医・ゴローは、自分に懐いていた患者で、12歳の若さで亡くなった少女さりなの影響によりアイドルオタクになっていた。そんな彼の元に、活動休止中の彼の推しアイドル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れる。子供を産むこともアイドル活動も諦めないというアイに改めて魅力を感じ、全力で応援することにしたゴローは、彼女の主治医としてつきそう。だがアイの出産日、ゴローはアイのストーカーのリョースケによって殺されてしまう。

ゴローはアイの子供、星野愛久愛海（アクア）として生まれ変わり、アクアの双子の妹である星野瑠美衣（ルビー）は、さりなが生まれ変わった姿だった。二人は互いに生まれ変わる前の記憶を持っていることを知るが、自分たちがかつての医者と患者の関係であったことまでは気づかない。そのままふたりは、子供を産んだことを隠しつつアイドル活動を再開したアイを応援しながら、アイのもとで成長していく。
やがてアイはどんどん人気が出て、東京ドームでのライブを控えるまでになる。だがアイは自宅に押しかけてきた、かつてゴローを殺したストーカーに刺され、幼稚園児になっていたアクアとルビーの目の前で死んでしまう。犯人は自殺し、アクアとルビーはアイの芸能事務所「苺プロダクション」の社長である斉藤夫妻の子として成長していく。
アクアは、リョースケにアイの妊娠や病院、転居直後の住所といった情報を流した人物がおり、その人物は自分とルビーの実父と思われると推察した。アイの交流の範囲から、実父は芸能界にいる可能性が高いと考え、その人物への復讐を誓う。

（ウィキペディアより）

www.youtube.com

【メイン主人公】

星野愛久愛海（ほしのあくあまりん）：9ｗ1

推しの子第2話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

【ダブルヒロイン】

【星野瑠美衣（ほしのるびい）：6ｗ5】

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【星野アイ（ほしのアイ）：6ｗ7】

推しの子第1話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

二人の性格は共にタイプ6（堅実家）。

タイプ6は誰かの庇護のもとで自分の世界を築き、実力を認める人にはいたって従順だが、実力の伴わない上司や体制には反抗的な性格。

星野瑠美衣と星野アイは同じタイプ6、しかし二人の性格には大きな違いもあります。

今回はその性格の「共通点」と「相違点」の見分け方をエニアグラムを使って解説していきます。

キャラクターの性格の共通点

まずは二人の共通点から見てみましょう。

それは「自分自身より自分の信念の為に生き、自分を犠牲にしてでも周りの共同体を守る（共同体の中で自分の位置を確保しようとする）性格である事」。

タイプ6（堅実家）のこだわりは「ルール・堅実・責任感」

タイプ6の特徴を簡単に表すと

「自分の事より周りの共同体の事を気にする、考え過ぎで未来に対する不安がいっぱい」

星野瑠美衣：「でもこのままじゃ…」

（あの子特に仕事ないらしいよ）

（へぇ　一般人じゃん）

（なんか一般人が紛れ込んでる）

（厄介なミーハーじゃん）

星野瑠美衣：「このままじゃ虐められるぅ～」

推しの子第4話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

星野アイ：「私なんて　元々無責任で純粋じゃないし　ずるくて汚いし　人を愛するってよく解らないから　私は代わりに　みんなが喜んでくれるような　キレイな嘘をついてきた　（中略）　いつかそれが　本当になる事を願って　今だって　君の事　愛したいって思ってる」

推しの子第1話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

星野瑠美衣はクラスメイトの事。星野アイは自分のファンの事と共に周りの事を気にする一方、自分の事はよく解っていません。

タイプ6が正常な成長を行うには周りに影響されない本当の自分の事を理解していく必要があります。

キャラクターの相違点

２人の違いを一言で言うとこうなります。

「星野瑠美衣」は【内向的】

「星野アイ」は【外向的】

エニアグラムでの分析では同じタイプ6でも星野瑠美衣はタイプ5寄り、星野アイはタイプ7寄りな性格。

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（ネコ矢印は「ねこ画伯コハクちゃん」無料イラストから使用させてもらいました）

この違いをウィングと呼び、タイプ7寄りの性格を6ｗ7、タイプ5寄りの性格を6ｗ5と表します。

2つの性格は以下の特徴を持っています。

6ｗ5　守る人（ディフェンダー）　（星野瑠美衣）

【内向的】

・往々にしてさまざまな専門知識に秀でている

・実際的な問題解決に卓越しいている

・分析家、社会評論家、教師、オピニオンリーダー的

・ルールや範囲がかなり確定された知識体系（数学・法律・科学など）に惹かれる

・ｗ７より集中力に優れているが、関心事は狭い

・ｗ７より自立していて真面目

・政治的主張や社会奉仕といった分野に関心がある

・往々にして不利な立場にある人やグループの代弁をしたり養護する

・多くの場合、ひとりで行動する

・システムや信念から安心を得る一方、懐疑性を保つ

・世界を危険なものと見がちで、党派心の強い姿勢や反動的立場に至る

・秘密主義の為、周りに疑念を持たれることがある

・刺激に反応しやすく、強く主張する

・安全を脅かすとおぼしきものを責めたり、スケープゴードにしがち

（参照：「新板エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」　ドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著）

6ｗ7　良き友（バディ）（星野アイ）

【外向的】

・魅力的で面白い

・ｗ５ほど生真面目ではない

・重苦しい話題を避け、安全にかかわるニーズに焦点を絞る傾向がある

・家族や友人の安全と幸福を確保するために犠牲を払う

・仲間とのつき合いや冗談を楽しみ、人とのつながりを強調する

・自己軽視に陥り、恐れを冗談や他人との絆でまぎらわせようとする

・しきりに好かれ、受け入れられたいと思っている

・一方自分自身や問題について、思い切って話すことをためらう気持ちの方が強い

・人づき合いはいいですが、明らかに不安定

・重要な決定をする前に、励ましや助言を求めてもっとも親しい人たちを頼る

・自分一人ではなかなか物事を始められない

・不安を静めるために、気晴らしや娯楽に耽る傾向がある

・好き嫌いを遠慮なく主張する

（参照：「新板エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」　ドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著）

星野瑠美衣はタイプ5寄り

タイプ5のこだわりは「知識・分析・倹約」

タイプ5特有の「知識・分析」の傾向が強い6ｗ5のキャラクターは、ｗ7より独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意です。

星野瑠美衣（天童寺さりな）：「私の人生は　そのほとんどを病室で終えた　身体は不自由で　ほとんど言う事をきかず　ベッドの中でひたすら憧れ続けた　ママのかっこいい動きは　全部脳裏に刻まれている　あの光は全部網膜に焼き付いてる　私の光」

推しの子第1話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

6w5（星野瑠美衣）は6w7（星野アイ）に比べて以下の特徴があります。

①「6ｗ7より独立的」

②「集めた知識を分析して活用する事が得意」

③「6ｗ7より感情的」

星野アイはタイプ7寄り

タイプ7のこだわりは「楽しさ・夢・冒険」。

タイプ7特有の「今この時を楽しむ能力」を持ち、その為、ｗ5に比べて今を楽しむ事ができます。

ただ、その楽しみは「タイプ6が根源的に持つ心の奥にある不安を忘れる為に行っているもの」その辺りもタイプ7と通じる所があります。

星野アイ：「私が売れるとみんなが喜ぶ　だから私も嬉しそうにする（中略）私は嘘つき　考えるよりも先にその場に沿った事を言う　自分でも何が本心で何が噓なのか解らない」

推しの子第1話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

星野アイは明るく落ち着きがあり周りの雰囲気を楽しく安定させる為に行動していますが、自分自身の事はよく解りません。

自分自身の気持ちを隠しながら嘘の自分を演じています。

6w5（星野瑠美衣）に比べて以下の特徴があります。

①「仲間とのつき合いや冗談を楽しみ、人とのつながりを強調する」

②「不安を静めるために、気晴らしや娯楽に耽る傾向がある」

③「ｗ５ほど生真面目ではない」

6ｗ5と6ｗ7：それぞれの裏の主人公

6ｗ5と6ｗ7を見分ける際に「裏の主人公」に注目する方法もあります。

6ｗ5と6ｗ7を主人公とした場合、主人公のアンチテーゼ、主人公を否定する裏の主人公はそれぞれ1ｗ2（擁護者）・2ｗ1（尽くす人）と異なる性格となります。

※星野瑠美衣に対する裏の主人公

【不知火フリル（しらぬいフリル）：1ｗ2】

1ｗ2（擁護者）は基本的に真面目で理想を求める（タイプ1）完璧主義者、それに加えて理想を示す為の方法として人々を救おうとする（タイプ2）性格
1ｗ9より現実にかかわりをもつことを好む。気性が激しく、行動的。

推しの子第3話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

不知火フリルは星野瑠美衣のクラスメイトでタイプ1の完璧主義者。

第4話で登場したばかりですが、これから星野瑠美衣の裏の主人公（アンチテーゼ）として共に成長していく姿が描かれるのでしょう。

※星野アイに対する裏の主人公

【リョースケ：2ｗ1】

2ｗ1（尽くす人）は弱きものを「助ける（守る）（タイプ2）」為に「正義（タイプ1）」を教示する性格。

2ｗ3よりも内向的。裏方で働くことを好み、真面目で面倒見が良い。

推しの子第3話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

リョースケは星野アイの熱狂的なファンでタイプ2ｗ1の尽くす人。タイプ2は人を愛する事が得意ですが、自分の愛情を無視された時に怒りが爆発します。

不健全な状態のタイプ2

通常から不健全な段階にかけてのタイプ2は、人のために自分を犠牲にしろという超自我の欲求に従うことによって、自分の価値を確認します。愛を得たいのであれば、いつも人のことを優先し、愛し、無欲でいなければいけないと信じています。問題は、他者を第一に置くことで、密かに怒りや憤りを感じるということです。このような気持ちを必死で抑圧したり否定しますが、最終的にさまざまな形で爆発します。そして人間関係を壊すほか、タイプ2が自分自身について、また自らの愛の深さについて語っていることの多くが真実でないことが明らかになります。

「新板　エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」より

私はウィングの見極めに迷った時には「裏の主人公」の性格に注目する方法を多く活用しています。

考察対象のキャラクターを否定するアンチテーゼの人物は誰なのかを見極めていく過程はとても楽しいです。

おまけ：主人公を導く者

星野瑠美衣（タイプ6）に対する本来の「主人公を導く者（タイプ9）」は双子の兄の星野愛久愛海。

しかし現在の愛久愛海は母を失った事で心が不安定で闇落ち気味の状態。

その為、瑠美衣を正常に導くキャラクターとして同じタイプ9の寿みなみが瑠美衣のクラスメイトとして登場しています。

※星野瑠美衣に対する「主人公を導く者」

【寿みなみ（ことぶきみなみ）：9ｗ8】

タイプ9w8（調停者）はマイペースなのんびり屋さん（タイプ9）、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好みます（タイプ8）。
9ｗ1より社交的。人と仕事をするのを好む。

推しの子第4話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会

このブログを書いているのは第4話の終了時点。キャラクターが出揃ってきてますます見ごたえが出てきました。

後は有馬かなに対する裏の主人公が登場すればメインキャラクターは一通り出揃う感じでしょうか。

【有馬かな（ありまかな）：3ｗ2】

タイプ3w2（魅了する人）は基本的に目立ちたがり屋（タイプ3）の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き（タイプ2）な面があります。
3ｗ4より人と親密でいたいという衝動を持っていますが、ときに、より充実した私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選びます。感情に動かされやすくのびのびしている。

推しの子第4話より ©赤坂アカ×横槍メンゴ／集英社・【推しの子】製作委員会