神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
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今回も5w4(偶像破壊者)が主人公のお話「神無き世界のカミサマ活動」を取り上げます。
「神無き世界のカミサマ活動」は今まで解説した5w4のパターンとはちょっと異なるストーリー展開となっています。
このお話は神様がいない世界でカミサマを布教しようとする主人公卜部 征人のストーリー。
彼に対するアンチテーゼとしてクレン(ロキ)が登場します。
2人の様子を詳しく見ていきましょう。
【5w4が主人公のストーリー考察】
神無き世界のカミサマ活動のストーリー
全知全能と言われる謎の神様「ミタマ」を崇拝する教団の教祖の息子として生まれた卜部征人。彼は団体の次期教祖となるための儀式に無理矢理参加させられ、その最中の事故で命を落としてしまう。次に目を覚ました時、彼は見知らぬ異世界にいた。その世界の村人たちと仲を深め、次第に生活に馴染んでいく征人。しかしその世界には、一定の年齢に達すると皇国から自殺を強制される「終生」と呼ばれる制度があり、征人と仲良くなった友人たちも、その制度の対象となってしまう。征人は村の友人たちを守るために、皇国と戦う決意をする。
【卜部 征人(5w4:うらべ ゆきと)】(主人公)
タイプ5w4(偶像破壊者)は独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)、それに加えて「個性・ロマン・創造性」を求め人とは違う道を進もうとする(タイプ4)性格。
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
【クレン】(9w1:裏の主人公)
タイプ9w1(夢見る人)はマイペースなのんびり屋さん(タイプ9)、それに加えて真面目で融通が利かない(タイプ1)性格。
(ただし、自分のテリトリーを脅かす・平和を壊す存在に対しては力強く戦います。)
神無き世界のカミサマ活動 第3話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
いつもと異なる点とは?
それは5w4の主人公が「束縛」された世界を求めている事。
通常5w4の主人公は「束縛」を忌み嫌い、真理を求めて「自由」を求める性格です。
しかしこのお話の主人公卜部 征人は「カミサマへの信仰)」と言う「束縛」を広げる為に行動しています。
ミタマ:「ボクはミタマ キミのカミサマだ」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
裏の主人公とは
裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公。
クレン:「この村の連中はホントに自由だよな だったら教義も自由に生きるでいいんじゃないか?」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
卜部 征人:「へー 信者たちよ自由にあれか」
クレン:「結局これを教義にしたんだな」
卜部 征人:「ああ…でも宗教と自由て言うのは相性が致命的に悪いんだ」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
ミタマの信者を増やそうとする(宗教を広めようとする)征人と自由を求めるクレンは正反対の性格。
卜部 征人(5w4)はカミサマを布教する事で自由を束縛しようとしています。一方のクレン(9w1)は現状を破壊し自由を求めています。
通常5w4の方が自由を求め「破壊的」であるのに対して、9w1は「安定」の為に「自由を否定する」傾向があります。
卜部 征人の変化
卜部 征人とクレンがらしからぬ性格となっているのは2人が共に裏の性格となっている為。
2人の元々の性格が描かれている場面を見てみましょう。
現実世界にいた頃の征人は「神に縛られた生活」に嫌気がさしており、5w4らしく自由を求めています。
卜部 征人:「ろくな走馬灯が無え 何が神だ 何が全知全能だ そんなものがいるなら神も宗教もない世界に生まれ変われせてみろよ そしたら普通に友達も作って楽しく はは… なんてな」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
卜部 征人は「ミタマ」を崇拝する教団の教祖の息子。ある日教団の儀式によって異世界へと転生させられます。
転生した先の村は征人(5w4)が求める自由な世界でした。
征人:「姉のシルリルと妹のアルラル 俺は彼女達が経営するこの食堂に居候させてもらっている 頭がおかしい いや ノリがいい仲間も出来て幸せなんだが…」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
しかし村は世界を支配する皇国に目を付けられて滅ぼされようとしていました。
征人:「なんでこいつらが死ななきゃならねぇ!」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
追い詰められた征人は困難を乗り越える為に「裏の性格」になります。裏の性格となった征人は一転今まで否定していたカミサマを頼る様になります。
征人:「救われるべきはクソオヤジでも俺でもない 善人で まっとうに生きて 人に優しくて こいつらみたいな人間だろ… おい 救えよ 救って見せろよ」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
征人:「征人 やっと呼んでくれた やっぱり征人はボクがいないとダメなんだからぁ」
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ミタマ:「ボクはミタマ キミのカミサマだ」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
ミタマちゃん可愛すぎ。
「神無き世界のカミサマ活動」の『前半』のお話は裏の性格となった卜部 征人がミタマ(カミサマ)の信者を増やす事で力を付け村を守ろうとするストーリー。
そして『後半』のお話は再び表の性格に戻った征人がカミサマによる「束縛(アンチテーゼ)」と人としての「自由(テーゼ)」が共有できる「新たな道(ジンテーゼ)」を見つけていくお話になるのだと推測しています。
クレン(ロキ)の変化
クレンの本来の姿は皇国の特殊部隊「アルコーン」の一人ロキ。ロキは皇帝の元で世界を安定させる為にシステムの管理を任されていました。
クレン(9w1:夢見る人)は9w1は良い夢を信じ、平和を維持しようと心がける事は得意ですが、都合の悪い現実から目を逸らしがちです。
ロキ(クレン):「俺は永年この部屋の管理をしてきたが仕組みは解らない (中略)あらゆるものの仕組みを解析統制し皇国を一定不変に保ち続けてきた」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
しかしロキ(クレン)は自分が守っている平和の真実に気が付いてしまいます。
ロキ(クレン):「全てに乱れなく秩序だった完璧な世界 この国の在り方 民の生き方 全部に心底うんざりだった 虫でさ殺されそうになれば逃げるというのに 修正制度を当然の様に受け入れる皇国の人間は虫以下だ…」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
ロキ(クレン):「陛下は何故この様な世界をお創りになったのか …これは… 偶然見つけてしまったそれは古代文明に関する資料だった 機械に支配されずに自らの意志で生きる間たち これこそ世界の本来あるべき姿ではないか」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
平和を維持する為に従わない者を隔離する極端なまでの管理主義、修正制度による人口統制と言うおぞましさを目にしてしまったロキは裏の性格(クレン)となってこの困難を乗り越えようとします。
クレン:「俺は昔からアルコーンの任務の間に趣味でいくつかの隔離に出入りしていた」
神無き世界のカミサマ活動 第5話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
クレン:「隔離は居心地がいい 住人たちは何かに管理される事なく自由意志で生きている 皇都とは違う(中略)だがいずれ彼らも修正でその命を終える 乱れる事なく完璧な秩序の中 無機物と変わりなく」
神無き世界のカミサマ活動 第1話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
「神無き世界のカミサマ活動」の『前半』のお話は裏の性格となったロキ(クレン)が皇国の在り方を否定し自由を求めるストーリー。
そして『後半』のお話は再び表の性格に戻ったロキが新たな平和(秩序)を求めるストーリーとなっています。
ヒロインと勇者を導く者
卜部 征人(主人公)に対する「ヒロイン」と「主人公を導く者」は以下の2人。
【ミタマ】(タイプ7:ヒロイン)
神無き世界のカミサマ活動 第4話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
【シルリル】(タイプ8:主人公を導く者)
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クレン(もう一人の主人公)に対する「ヒロイン」と「主人公を導く者」は以下の2人。
【アータイル】(タイプ6:ヒロイン)
神無き世界のカミサマ活動 第4話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
【ダキニ】(タイプ3:主人公を導く者)
神無き世界のカミサマ活動 第6話より ©2023朱白あおい,半月板損傷/ヒーローズ/カミカツ製作委員会
「神無き世界のカミサマ活動」はギャグテイストが強い作品ですが、こうして考察をしてみると骨太のテーマが描かれている事が分ります。今後の展開がとても楽しみなアニメです。
今回はここまで。
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
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