ワールドダイスター 第5話より ©Sirius/Project WDS
こんにちは
エニアグラムの世界へようこそ。
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がんべあです。
アニメの中に登場する「裏表の性格の差」が激しいキャラクター(や裏表の関係のキャラクター)を「エニアグラム」を使って分析するこのシリーズ。
今回の考察は「ワールドダイスター」に登場する鳳 ここなと静香。2人は物語の「表と裏の主人公」の関係。
「ワールドダイスター」は大演劇時代となった世界でセンスを磨き役者の頂点であるワールドダイスターを目指す女の子のお話。
「大演劇時代? なんじゃそれは~!」と、ぶっ飛んだお話設定に着いていけずに1話で観る事を止めていましたが結果として大後悔。
『表と裏の主人公関係』の観点から見ると2023年春アニメでベスト1の作品と言って差し支えない良い作品でした。
今回は深く懺悔しながら記事を書き進めたいと思います。
※結構重要なネタバレ有りです。ご注意を。
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「ワールドダイスター」のお話
演劇が世界的ブームとなった時代、
数多の役者たちが演じ手の頂点である
「ワールドダイスター」を目指して
“センス”を競い合っていくストーリー。
(公式サイトより)
主人公:鳳 ここな
【鳳 ここな(おおとり ここな)】(タイプ6w5:主人公)
タイプ6w5(守る人)は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
主人公の鳳 ここなは役者の頂点ワールドダイスターを夢見観る女の子。
タイプ6の彼女はとっても心配性、自分に自信が無く悩みを抱えています。
鳳 ここな:「ワールドダイスター?」
静香:「ここななら成れるよ」
ここな:「無理だよ この間のオーディションでも言われた 私にはセンスが無いって」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
そんなここなを励ますのが裏の主人公静香となります。
裏の主人公:静香
静香はタイプ1w2(擁護者)。融通が効かない真面目な性格ですがその一方、積極的に人助けを行うお節介な面もあります。
【静香(しずか)】(タイプ1w2:裏の主人公)
1w2は基本的に真面目で理想を求める(タイプ1)完璧主義者、それに加えて理想を示す為の方法として人々を救おうとする(タイプ2)性格。
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公。
主人公の鳳 ここなは周りに対して心を閉ざして、独りぼっちでいます。静香は自分を押し殺しているここなを否定し励まします。
静香:「私はそうは思わない ここなだって本当は信じてないでしょ」
ここな:「それは…」
静香:「はぁ…ワールドダイスターになれる人ってどんな人だか分る?」
ここな:「え? えーとぉ お芝居が上手で 歌もダンスも上手くて 誰もが目を奪われるくらい眩しい人…かな?」
静香:「全然違う!」
静香:「あしたの自分を信じられる人よ」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
静香は「不思議な存在」のキャラクター。
ここなが独りぼっちで苦しんでいる時にどこからともなく表れてここなを励ましてくれます。
静香:「なれるよ 見てたよ あなたの演技 私は結構いい線いってたと思う」
ワールドダイスター 第4話より ©Sirius/Project WDS
彼女の姿はここなにしか見る事ができません。
第1話ではここな以外のキャラクターが「静香の姿を認識していない」様子がさりげなく描かれています。
山吹 シャモ(劇団シリウス寮母、元ワールドダイスター):「今日から二人で仲良くね」
ワールドダイスター 第2話より ©Sirius/Project WDS
柊 望有(劇団シリウスの副主宰):「これから二人には主役のかぐやを巡ってオーディションを受けてもらうわ」
ワールドダイスター 第2話より ©Sirius/Project WDS
柊 望有:「鳳 ここなの演じたのは人魚姫の王子 けれど王子の仮面の裏に彼女はいなかった」
ここな:「いやーホントだよね…が来てくれなかったと思うと…」
柊 望有:「あなたは一体誰を演じていたの」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
面白かったのは当初アニメの中で「静香の姿が周りに見えていない」事がはっきりと視聴者に示されない事。第4話まで静香について一切の説明がなくお話が進んでいく展開が個人的に大好物でした。
こうやって謎を抱えながら進んでいくお話って好きなのですよね。
静香は「ここなの裏の性格」が具現化したキャラクター。俗に言うイマジナリーフレンドだと思われます。
イマジナリーフレンドとは
心理学や精神医学における現象の1つで、直訳すると"空想の友人"。
名前の通り本人の空想の中だけに存在する人物(架空の友人や兄弟として"イマジナリーコンパニオン"と呼ばれる事もある)で、その中で本人と会話したり視界に擬似的に映し出して遊戯などを行う。自分自身で生み出した友達である為、本人の都合の良いように振る舞ったり、自問自答の具現化として、本人に何らかの助言を行う事がある。ただし、その一方で自己嫌悪の具現化として本人を傷付ける事もある。
(ピクシブ百科事典より)
「センス」とは
アニメ「ワールドダイスター」の中で重要なファクターの一つに「センス」があります。
センスとは「役者が舞台の上限定で発動する事ができる超不思議な表現力」の事。
柳場 ぱんだ:「そもそもセンスとは 役者たちが更なる高度な表現を求めていく内に発露した特別な個性の事を指します」
ワールドダイスター 第4話より ©Sirius/Project WDS
柊 望有:「柳場 ぱんだ 彼女のセンスは観客の心の声を読み取る事ができる」
柊 望有:「やりすぎ 後で説教ね」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
この演劇時代を生き残っていく為には超能力とも言えるセンスが必要不可欠。しかしここなはセンスを持ち合わせていません。
鳳 ここな:「だって私 持ってない」
過去のオーディションの声:(センスがない 悪くはないんだけど この時代センスが無いと)
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
カトリナ:「握手はしないわ あなたとはもうこの先会う事は無いと思うから」
ここな:「えっ?」
ここな:「だってあなたからはセンスが感じられないもの」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
主人公と裏の主人公のお話のガイドライン
6w5(主人公)のお話は通常以下の流れとなっています。
【ストーリーライン(世界観)】
6w5(守る人):「現実の物質(や関係)」を守っていた主人公が「それを守るべき理由」を見つけ出す。
鳳 ここなが守ってきたもの。それは「ワールドダイスターになりたいと言う想い」
鳳 ここな:「私が守らないと」
ワールドダイスター 第3話より ©Sirius/Project WDS
鳳 ここなは「ワールドダイスター」になりたいと言う強い想いを守りながら生きています。しかしそれを「守るべき理由(自分自身の気持ち)」は解っていません。
「ワールドダイスター」のお話は鳳 ここなが「過去の想い出」から抜け出して「今の自分自身の想い」を見つけるストーリー。
山吹 シャモ:「そう じゃあまずは自分を見つける所からね」
ここな:「自分を?」
ワールドダイスター 第2話より ©Sirius/Project WDS
静香はここなの裏面。周りを気にして遠慮しているここなの代わりに心の奥底に潜む「ここなの本音」を言い表す事ができます。
ここな:「さすが静香ちゃん上手だねぇ」
静香:「バカにされたのはここなよ なんでそんな平気でいられるの?」
ここな:「あ、はは でも 本当の事だし…」
ワールドダイスター 第1話より ©Sirius/Project WDS
静香:「やっぱり部屋代えてもらわない? あの子と一緒だとリラックスできないわ」
ここな:「ダメだよ 仲良くしなきゃ」
ワールドダイスター 第3話より ©Sirius/Project WDS
ここなは劇団シリウスに入団して少しずつ成長していきます。そしてついにセンスを獲得する事ができます。
ここなのセンス。それは自分の思い描く理想の世界を観客の前に実在させる事ができる能力。
自分でも気が付かずにセンスを発動したここなは自分の頭だけに存在していた静香を現実の世界に召喚(?)します。
ここな:「静香ちゃーん」
静香:「ここな」
ここな:「どうして舞台に??」
カトリナ:「ねえ その子誰?」
ワールドダイスター 第3話より ©Sirius/Project WDS
鳳 ここな・静香:「え? 見えてるぅ~!!!」
ワールドダイスター 第4話より ©Sirius/Project WDS
しかし現実の身体を得た静香は思い悩むことになります。
柳場 ぱんだ:「今回舞台に上がったのは?」
静香:「ここなが成功させたがっていたから でも本当は出るべきじゃ無かった 私はあくまであの子が役者として舞台に立つ為に必要な存在だから だからきっとこの先は二度と出ないわ」
ワールドダイスター 第4話より ©Sirius/Project WDS
ヒロインと主人公を導く者
ワールドダイスターのお話は「主人公」鳳 ここなにとって「主人公を導く者」は柊 望有。そして助け出すべき「ヒロイン」はカトリナ・グリーベルと言う物語構成となっています。
柊 望有(ひいらぎ のあ)(タイプ9:主人公を導く者)
[劇団シリウスの副主宰]
ワールドダイスター 第4話より ©Sirius/Project WDS
新妻 八恵:「計算し尽くされた演技を崩すのはただ一つ 相手を信じて逃げずに真正面からぶつかることです それがカトリナさんを救う事にもなります」
新妻 八恵:「カトリナちゃんを 救う…」
ワールドダイスター 第3話より ©Sirius/Project WDS
鳳 ここなと静香は正反対の性格ですが、どちらも社会的に必要なものを守るために正しさを武器にしている似たもの同士でもあります。違いは、守りたいもの。
表6w5(鳳 ここな):金銭などの物質を「守り」、その物質の安全性を確保する。
裏1w2(静香):思想などの概念を「擁護」し、その思想の正当性を主張する。
現実の世界に召喚された裏の主人公静香と表の主人公ここなは相反する心をどうやって一つにしてワールドダイスターへの道を進む事ができる様になるのでしょうか?
アニメのラストの演劇品目は「オペラ座の怪人」。表に出る事が許されないオペラ座の怪人(=ここなの裏面として存在する静香)(=ここなの奥底に眠っている本当の気持ち)の苦悩を描く演劇と言う燃える展開となっています。
お話の流れも良かったのですが毎回行われる演劇表現が素晴らしく大満足なアニメ。1話で観る事を止めてしまった自分の浅はかさを深く反省しています。
おまけ
主人公のここなを演じる声優は石見 舞菜香。
石見 舞菜香は同じ春アニメで「推しの子」の黒川あかりを演じている超実力派声優。
【黒川 あかね(くろかわ あかね)】(タイプ6w5)
タイプ6w5(守る人)は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。
あかりもここなも別人格をコピーして演じる事を得意としたキャラクター。
どちらも「弱い自分の心を守る為に周りの状況に合わせていくつもの性格を演じる事ができる」タイプ6w5の性格をしています。
「ワールドダイスター」では石見 舞菜香が主役のあかりを演じているので毎週毎週彼女のすばらしい演技を堪能する事ができるのが嬉しすぎ!
他のキャラの演技もとっても魅力的ですっかり「演劇アニメ」の魅力に目覚めてしまいました。
いやー、それにしてもワールドダイスター面白かったです。 未見の方は是非ご覧ください♪
今日はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
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みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【イマジナリーフレンドが登場する他の作品】
【参考資料】
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。