鬼滅の刃 第26話より ©吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable
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がんべあです。
今回は前回解説をした「物語の黄金パターン」に登場するヒロインについてより詳しく考察していきたいと思います。
※「黄金パターン」についての過去記事
【ジャンプアニメ人間関係の法則① 人気作品の黄金パターンをエニアグラム分析】
【新世紀エヴァンゲリオン（TV版）の「人間関係」をエニアグラム分析する】
タイプ9（調停者）が主人公の「物語の黄金パターン」では往々にしてタイプ6のヒロインが登場します。
タイプ6のヒロインは考えすぎで心配性のお嬢様気質。
そんな彼女が落ち着いたタイプ9の主人公に惹かれる事でお話が進んでいくのがお話の定石。
この黄金パターンを人気アニメ作品から具体的な例を挙げながらエニアグラムでの詳しい分析をしていきます。
【エニアグラムを知らない方はこちらで】
人気作品の黄金パターン！
万人に受け入れられる人気作品には人物関係とストーリーの両方に一定のパターンがあります。
★物語の黄金パターン：「人物関係」
タイプ9が主人公
タイプ3が主人公を導く者（今回は取り上げません）
タイプ6が親友・ヒロイン（今回はヒロインのみ）
タイプ6のヒロイン達
まずは思いつくまにタイプ6のヒロイン達を挙げてみます。
「竈門禰豆子」「栗北落カナヲ」【鬼滅の刃】
「紺」【化物事変】
「マシュ・キリエライト」【FGO】
「間桐 桜」「セイバー」【Fate/staynight】
「牧之原 翔子」【青春ブタ野郎シリーズ】
「戦場ヶ原 ひたぎ」【物語シリーズ】
「里見 菜穂子」【風立ちぬ】
「サン」【もののけ姫】
「フィオ」【紅の豚】
「エルチ・カーゴ」【戦闘メカザブングル】
「リンダ」【グイン・サーガ】
「高嶺 ツボミ」【モブサイコ100】
「ニア・テッペリン」【天元突破グレンラガン】
「とがめ」【刀語】
「ブー」【モンスターズインク】
「ハル」【BEASTARS】
「曲瀬 愛」【バビロン】
「篠原 夏希」【サマーウォーズ】
「高木さん」【からかい上手の高木さん】
「フランソワーズ」【サイボーグ009】
「綾波 レイ」【新世紀エヴァンゲリオン】
「フィアナ」【装甲騎兵ボトムズ】
「明石さん」【四畳半神話大系】
などなど
※ナウシカの様に彼女自身が主人公のキャラクターは省いています。
こうして並べてみるとタイプ6の特徴であるお嬢様・お姫様気質が共通して見られます。
彼女たちは実に心配性。
その為、常に「より大きなもの（頼れる個人や国家・名門の家等の組織、又はルール）」の元で守られる事を欲しています。
タイプ6（堅実家）キャラクターの特徴
【こだわり】「ルール・堅実・責任感」
肯定的な呼び方「絆の人タイプ」
否定的な呼び方「心配性の人タイプ」
・心配性で、不安に飲み込まれやすい
・実力を認める人にはいたって従順だが、実力の伴わない上司や体制には反抗的
・友情や絆を求めて積極的に行動する
・考え過ぎで右往左往する
・誠実
・状況に合わせて、自分自身の生き方を変えられる
・孤独が怖くて頼りになる人を探す
・勤勉で礼儀正しい
・人とは付き合い上手だが、自分との付き合い方は下手
・我慢強さが足りず、コントロール不足
主人公とヒロインの関係
タイプ6のヒロインとタイプ9の主人公はどんな関係で結ばれているのでしょうか？
それを確認する為、先程挙げたのヒロイン達と物語の主人公を並べてみます。
「竈門 炭治郎」－「竈門禰豆子」「栗北落カナヲ」
【鬼滅の刃】
「日下 夏羽」－「紺」【化物事変】
「藤丸 立香」－「マシュ・キリエライト」【FGO】
「衛宮 士郎」－「間桐 桜」「セイバー」
【Fate/staynight】
「梓川 咲太」－「牧之原 翔子」
「阿良々木 暦」－「戦場ヶ原 ひたぎ」【物語シリーズ】
「堀越 二郎」－「里見 菜穂子」【風立ちぬ】
「アシタカ」－「サン」【もののけ姫】
「ポルコ・ロッソ」－「フィオ」【紅の豚】
【∀ガンダム】
「ジロン・アモス」－「エルチ・カーゴ」
【戦闘メカザブングル】
「グイン」－「リンダ」【グイン・サーガ】
「影山 茂夫」－「高嶺 ツボミ」【モブサイコ100】
「シモン」－「ニア・テッペリン」
「三日月・オーガス」－「クーデリア」
「鑢 七花」－「とがめ」【刀語】
「サリー」－「ブー」【モンスターズインク】
「レゴシ」－「ハル」【BEASTARS】
「正崎 善」－「曲瀬 愛」【バビロン】
「小磯 健二」－「篠原 夏希」【サマーウォーズ】
「西片」－「高木さん」【からかい上手の高木さん】
「島村ジョー」－「フランソワーズ」
【サイボーグ009】
「碇 シンジ」－「綾波 レイ」
「キリコ・キュービィー」－「フィアナ」
【装甲騎兵ボトムズ】
「私」－「明石さん」【四畳半神話大系】
竈門 炭治郎・藤丸 立香・衛宮 士郎・梓川 咲太・阿良々木 暦・アシタカ……
タイプ9の主人公はいずれも平和を愛するのんびり屋。
彼らの最大の長所は「安定」している所。
一方、タイプ6のヒロインは「何よりも周りとの絆を大切にします」
タイプ9は特に問題がなければ一人でも生きていけますが、タイプ6は周りとの絆を求め常に誰か信頼ができる人（個人ではなく組織やルールの場合もあります）の庇護下でないと心配で生きていけません。
碇 シンジ：「綾波はどうしてこれに乗るの？」
綾波 レイ：「絆だから…」
碇 シンジ：「絆？」
綾波 レイ：「そう…絆」
新世紀エヴァンゲリオン第1話より ©カラー／Project Eva.
紺：「稲荷様は一度も紺の方を見てくれなかった 紺がいい子じゃなかったからだ 今の紺のままでは帰れない」
セイバー：「今一度誓いましょう あなたの身に令呪がある限り この身はあなたの剣となると」
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 2話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
アマデウス：「いいかい 君が世界を作るんじゃない 世界が君を作るんだ」
Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア- 第4話より ©TYPE-MOON / FGO7 ANIME PROJECT
曲瀬 愛：「でもね 正崎さん それ以上に素晴らしいことがあるの それって何か解ります？ それは勇者の夢や気持ちが民衆にも分かってもらえる事 みんなが分かってくれて みんなが助けてくれて みんなで一緒に世界を救うの それって一番素晴らしい事じゃありませんか？」
©野﨑まど・講談社／ツインエンジン
どうしようもなく強く周りとの「絆」を求めるヒロイン達。
しかし誰も頼れる人を見つけられない場合、彼女たちは心を閉ざし周りとの関係を完全にシャットアウトする事で心配から逃れようとします。
栗北落カナヲ：「痛い…お腹が空いた…悲しい…虚しい…苦しい…寂しい…そんな日々だった だけどある日 プツンと音がして 何も辛くなくなった」
戦場ヶ原 ひたぎ：「好奇心というのは全くゴキブリみたいね 人の触れられたくない秘密ばかりにこぞって寄って来る うっとおしくて堪らないわ」
サン：「死など怖いもんか 人間を追い払う為には命などいらぬ！」
「もののけ姫」より Ⓒ 1997 Studio Ghibli・ND
ニア：「人っていったい何ですか？」
ヒロイン（タイプ6）が主人公（タイプ9）に惹かれる理由はこれが原因。
心配性で誰かの庇護の元でないと生きていけないヒロインがタイプ9の主人公と寄り添うことでタイプ9の長所である安定を手に入れるのです。
ヒロインが主人公と出会う事で安定を手に入れる。
では彼女たちが主人公と出会う前、物語開始時はどう言った状況なのかを見てみましょう。
物語最初のヒロインの状況
物語の最初、ヒロインの置かれている状況は下記の3つのパターンとなっている事が多いです。
パターン①「力強く頼れる存在が全くいない状況」
この場合、ヒロインは周りとの関係の中で安心を得る事を放棄しています。
周りの人間に対して心を閉ざす事によって襲いかかる心配から自分守ろうとしています。
「戦場ヶ原 ひたぎ」【物語シリーズ】
「ハル」【BEASTARS】
「明石さん」【四畳半神話大系】
パターン②「ヒロインが頼るべき存在に力が足りない、又は頼るべき存在が消えゆく運命にある状況」
「もののけ姫」より Ⓒ 1997 Studio Ghibli・ND
この場合、ヒロインは今所属している組織を守るために必死の頑張りを見せますが、その先には破滅が待っており不安定な状態となっています。
（ヒロイン自体はその事に気が付いておらず、視聴者だけが分かっている状態のパターンも有。）
「竈門禰豆子」「栗北落カナヲ」【鬼滅の刃】
「マシュ・キリエライト」【FGO】
「フランソワーズ」【サイボーグ009】
「里見 菜穂子」【風立ちぬ】
「牧之原 翔子」【青春ブタ野郎シリーズ】
「サン」【もののけ姫】
「エルチ・カーゴ」【戦闘メカザブングル】
「リンダ」【グイン・サーガ】
「篠原 夏希」【サマーウォーズ】
パターン③「力強く頼れる存在がいるが、その存在が邪悪・又は間違えた道を進んでいる状況」
ヒロインは間違えた存在に頼って生きていますが、決してその間違いを認めようとはしません。（無意識では理解できていますが）
主人公はその心の呪縛からヒロインを救い出すお話となります。
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅰより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
「紺」【化物事変】
「間桐 桜」「セイバー」【Fate/staynight】
「フィアナ」【装甲騎兵ボトムズ】
「綾波 レイ」【新世紀エヴァンゲリオン】
「ニア・テッペリン」【天元突破グレンラガン】
「曲瀬 愛」【バビロン】
「とがめ」【刀語】
まとめ
「物語の黄金パターン」に登場するヒロインについて
①彼女たちは実に心配性で、常に「より大きなもの（頼れる個人や国家・名門の家等の組織、又はルール）」の元で守られる事を欲している。
②しかし、主人公と出会う前のヒロインはその頼れる存在が危うい状態。
③全体のお話は、頼れる存在が無く不安定な状態のヒロインに主人公が安定を与える流れとなっている。
以上が物語の黄金パターンに置けるヒロインと主人公の関係。
主人公はヒロインの心を掴むために、頑固な父親（の元の安定）から娘を奪い取る必要があります。
その為に自身が彼女の心の安定となれる様に努力し、力を付けて成長していく。
そんなイメージが分かりやすいのかもしれません。
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
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みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように！
【タイプ6のキャラクターについてもっと知りたい方はこちらで】
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