鬼滅の刃 無限列車編 特報より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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がんべあです
「鬼滅の刃」の13フェイズ分析、第6回目
「鬼滅の刃」の物語を分析するこのシリーズも今回でいよいよ終了
最後は第7フェイズ【転換】の物語について語りたいと思います
現在映画で公開されている「無限列車編」は第7フェイズの中盤までのお話となっていますので、このブログでも第7フェイズの途中までの解説とさせていただきます
※TVアニメと今回の映画「無限列車編」までのネタバレがありますのでご注意ください
【第1回目がまだの方はこちらでどうぞ】
今回解説を行うのは第7フェイズ【転換】
第7フェイズ【転換】はお話全体の中の折り返し点、これ以前と以降のお話構成は大きく変化していくと言うとても重要なフェイズとなります
ここまで(第1~第7フェイズ)は「半人前」の炭治郎が柱に助けられながら成長していくお話の構成ですが、次の第8フェイズからは炭治郎が柱を助ける(助け合う)立場となる構成に物語が大きく変化します
第7フェイズの中核を占めるのが「無限列車内での魘夢との闘い」
「魘夢との闘い」は以下の3つのお話に関連しています
「①全集中・常中の呼吸をマスターするお話」
(※前回解説済み)
「②すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解するお話」(これが魘夢との闘いのお話)
「③ヒノカミカグラを使いこなす方法を掴むお話」
図でまとめてみるとこうなります
上の図の中央部分が魘夢との闘いのお話
「①全集中・常中の呼吸をマスターするお話」は前回解説しましたので、今回は残りの②と③の物語について詳しく見ていきます
第7フェイズ【転換】のお話構成
第7フェイズの物語は「③ヒノカミ神楽の力を使いこなす”方法”を掴むお話」となります
13フェイズのお話は「主人公が抱える問題点」を「成長」によって解決していく流れでできています
鬼滅の刃の主人公は竈門 炭治郎(かまど たんじろう)
【竈門 炭治郎】
鬼滅の刃 第26話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
第7フェイズの始まりでの主人公炭治郎の抱える問題点は「ヒノカミ神楽の力を使いこなす”方法”が分からない事」
炭治郎は那田蜘蛛山での闘いの中、父の舞っていたヒノカミ神楽が火の呼吸であった事に気が付きます
しかしその力を十分に発揮する方法が分かりません
これがこのフェイズ始めの炭治郎が抱える問題点
第7フェイズでは「炭治郎がヒノカミ神楽の力を使いこなす”方法”を見つける」までの様子が丁寧に描かれます
※注:「使いこなす」のではなく「使いこなす方法を見つける」まで
お話はTVアニメと映画「無限列車編」で第1~7フェイズまでの物語が描かれている構成となっています
第8フェイズ以降のお話はTVアニメの再開を待たなくてはなりません、このブログでも解説は控えたいと思います
13フェイズ構成のお話では「前半何かの助け」で成長する主人公が、後半は「その助けなし」で成長する構成となっています
第7フェイズで炭治郎を助けるのは鬼殺隊の柱の一人、「煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)」
【煉獄杏寿郎】
鬼滅の刃 第22話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
第1フェイズ【日常】
「鬼と闘う為の力が欲しい その力を得るためにヒノカミ神楽の謎について知りたい炭治郎」
炭治郎のかかえる問題点は『ヒノカミ神楽の力の使い方が分からない事』
竈門 炭十郎(炭治郎の父):「息の仕方があるんだよ どれだけ動いても疲れない息の仕方
正しい呼吸ができるようになれば炭治郎もずっと舞えるよ」
鬼滅の刃 第19話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
第2フェイズ【事件】
「しのぶから「煉獄 杏寿郎ならヒノカミ神楽の事を知ってるかも」との情報を聞かされる」
しのぶ:「なるほど なぜか 竈門君のお父さんは火の呼吸を使っていた
私で分かる事は炎の呼吸はありますが火の呼吸ではないと言う事」
しのぶ:「炎の呼吸を火の呼吸と呼んではならない 炎柱の煉獄さんなら知ってる事があるかもしれませんが…」
鬼滅の刃 第25話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
第3フェイズ【決意】(ここまでがTV放送)
「しのぶの元(蝶屋敷)を離れ、煉獄 杏寿郎に会いに行く決意」
炭治郎:「表が出るまで何度でも投げ続けようとと思ってたから 元気で~」
炭治郎:「では みんな 行ってきます!」
鬼滅の刃 第26話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
第4フェイズ【苦境】(ここからが映画となります)
「無限列車での闘いで下弦の壱 魘夢(えんむ)を倒すものの、上弦の鬼 猗窩座(あかざ)には手も足も出ない」
※ 魘夢との闘いは後で詳しく解説します
魘夢を倒したものの、自分にまだまだ力がないことを実感する炭治郎、ここまでが第4フェイズ
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第5フェイズ【助け】
「煉獄 杏寿郎の助け」
上弦の鬼の力を目の前にして為すべのない炭治郎達に杏寿郎の助けが入ります
圧倒的な力を振るう杏寿郎と猗窩座との闘いに炭治郎達は見守る事しかできません
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第6フェイズ【成長】
「杏寿郎の生き様を身体で学ぶ炭治郎」
炭治郎は杏寿郎の生き様、その強さを身体で学びます
その強さとは「弱きものを守る」と言う母の想いを継ぐ姿
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
ここでも鬼滅の刃のテーマである「想いを継ぐ事」が描かれます
それに加えて「弱きものを守る」と言う杏寿郎の生き様を炭治郎は学び、杏寿郎の想いを受け継いでいく様子を描いたのがこのフェイズとなります
第7フェイズ【転換】
「杏寿郎の死」
杏寿郎は煉獄家に伝わる手記の事を炭治郎に伝え、命を全うします
杏寿郎が母の想いを受け継ぎ、強くなった様に炭治郎も父から受け継いだヒノカミ神楽の秘密(使いこなす事)を会得しなければなりません
そのきっかけを掴む、ここまでが物語の前半部分
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
後半の第8フェイズからは前半助けてくれた煉獄がいなくなり、助け無しで炭治郎が一人で成長していく姿が描かれます
舞台は煉獄の実家、そしてそこで炭治郎が破滅から立ち直る契機を得、最後には「ヒノカミ神楽の使いこなす方法」を掴むまでのお話
…と、ここから先はしばらくおあずけ
話の途中で解説を終えるのも名残惜しいですが、この続きはアニメ放映後までお待ち下さい
魘夢との闘い
では次に第4フェイズ「②すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解するお話(魘夢との闘い)」について詳しく分析していきましょう
魘夢との闘いは「ヒノカミ神楽を使いこなす方法を掴むお話」の第4フェイズにあたり、物語全体に大きな影響を与える大切なお話となっています
「②すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解するお話(魘夢との闘い)」の13フェイズ構成
この物語での主人公・炭治郎の抱える問題点、それは「すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解出来ていない事」
炭治郎はヒノカミ神楽の謎を掴む前に今回の問題点を乗り越える必要があります
この問題を乗り越える事が「ヒノカミ神楽の謎」に迫る大きなヒントとなるからです
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
【②すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解するお話(魘夢との闘い)】の13フェイズ
13フェイズ構成のお話では「前半何かの助け」で成長する主人公が、後半は「その助けなし」で成長する構成となっています
炭治郎を助けるのは「炭治郎の心の中にある父の記憶」
第1フェイズ【日常】
任務のため、無限列車に乗り込む炭治郎
炭治郎の抱える問題点は「すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解出来ていない事」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第2フェイズ【事件】
「下弦の壱 魘夢の来襲 夢の中に囚われる」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第3フェイズ【決意】
「思い出の中の家族との別れ」
炭治郎は暖かい過去の思い出に囚われ停滞するのではなく、その思い出を力にして前に進む決意をします
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第4フェイズ【困難】
「夢の中での困難」
決意を新たにした炭治郎、しかしどうしても夢から覚める事ができません
炭治郎の心の中を焦燥感が襲います
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第5フェイズ【助け】
「(炭治郎の中にある)父の記憶の助け」
このフェイズでとても大切な事が描かれます
それは「すでに気づいているはずの小さなてがかりを炭治郎が理解できていない事」
このキーワードは炭治郎が夢の中から抜け出す為に必要となりますが、実は「ヒノカミ神楽を使いこなす方法を見つける」為にとても重要な言葉を表しています
この事に炭治郎が気付くことが魘夢とのお話での最重要事項
そのためにこのお話(魘夢との闘い)が「ヒノカミ神楽を使いこなすお話」の第4フェイズに組み込まれてる構成となっています
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第6フェイズ【成長】
「夢の中からの脱出する手段を見つける」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第7フェイズ【転換】
「夢から覚め、現実に帰る炭治郎」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
ここまでが物語の前半部分
後半の第8フェイズからは前半助けてくれた父の記憶の助け無しで炭治郎が一人で成長していくお話となります
物語の後半(第8フェイズ~第13フェイズ)
第8フェイズ【試練】
「現実の世界での魘夢との闘い」
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第9フェイズ【破滅】
「列車そのものを魘夢が乗っ取り、乗客全員が人質となる」
列車全体を自分の身体とし、200人の乗客全員を人質にとる魘夢
炭治郎は絶体絶命、一人では為すすべもありません
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第10フェイズ【契機】
「仲間を信じて、みんなの為に力を使う事に気付く炭治郎」
炭治郎と善逸、伊之助の3人はこれまでバラバラの思惑で動いており、同じ目的に向かって共闘した事はありませんでした
そんな3人が仲間を信じ「乗客を守りながら鬼を退治する」と言う同じ目的に向かって初めて共闘するのがこのフェイズとなります
「仲間を信じて、みんなの為に力を使う」
これがこの物語(魘夢との闘い)においての重要ポイント
これは鬼滅の刃のテーマの一つ「鬼と人間の差」でもあります
鬼は強大な力を持ちますが、他の鬼と共闘する事はできません、誰も信じられないからです
「誰も信じず、己の為だけに力を求め使おうとすると人は鬼になってしまう」
鬼にならない為には仲間を信じて、みんなの為に力を使う事が大切
「鬼滅の刃」ではこの事が鬼と人を分ける大きな違いとして描かれています
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第11フェイズ【対決】
「魘夢との最終決戦」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第12フェイズ【排除】
「闘いに勝利」
マンガ鬼滅の刃 第8巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
第13フェイズ【満足】
「乗客全員が助かる 炭治郎は”過去の自分”と”今の仲間”の存在の大切さを本当に理解する事が出来る」
マンガ鬼滅の刃 第7巻より ©吾峠呼世晴 2017,2017
ここまでが魘夢との闘いのお話
炭治郎は魘夢との闘いを通じて当初の問題点「すでに気づいているはずの”小さな手がかり”を理解出来ていない事」に気付く事ができます
それは単に魘夢の仕掛けた夢からの脱出方法だけではなく 「仲間を信じて、みんなの為に力を使う」に気付く事を示しています
最後に
今回で鬼滅の刃の13フェイズ構成の解説は一旦終了
拙い解説にお付き合いいただきありがとうございます
続きはアニメ放映後に解説していく予定ですので、楽しみにしていてください
鬼滅の刃のお話は見事に計算されている展開ばかりで分析していてとてもワクワクしました
早く続きの解説を行いたくてウズウズしています
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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