この世界の片隅に より © こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです。
今回は「この世界の片隅に」(劇場アニメ:2016年公開)の主人公すずさんを例にとってタイプ4(芸術家)キャラクターの「根源的恐れ」と「怒り」ついて分析をしていきます。
参考にするのは「新板エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」ドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」
私のブログで参考にしているドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著の本
より詳しくエニアグラムの事を知りたい方にオススメ
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マンガやアニメの中でキャラクターが激高する時があります。
人が怒りを抑えられない時、それは「触れられたくないものに触れられた時」
いわゆる「虎の尾を踏む」「逆鱗に触れる」時。
キャラクターが触れられたくないもの、それが「根源的恐れ」である事がとても多く、そのパターンはエニアグラムのタイプ毎に一定の傾向があります。
その傾向をリソの本に従って探っていきましょう。
タイプ4の持つ根源的恐れ
タイプ4(芸術家)【すずさん】の根源的恐れは
「アイデンティティや個人的存在意義がないこと」
タイプ4のキャラクターは自身の存在意義、個性・唯一性を持っていない事を恐れます
すずさん:「そんな 覚悟の上じゃないんかね! 最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね!」
この世界の片隅に より © こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
日頃おとなしく自分の感情を表に出さないすずさんが、「日本が戦争に負けた」と知った時、感情をあらわにして怒りを爆発させます。
すずさん(タイプ4)の心の動きはどうなっているのでしょうか?
一緒に見ていきましょう。
タイプ4(芸術家)
繊細で人から距離をおくタイプ
表現豊か。ドラマティック。自己陶酔的。気まぐれ。
(参照:「新板エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」 ドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著)
リソの本によるとタイプ4のキャラクターの心理状態は以下の様に記されています。
①タイプ4は自らをほかの人たちとまったく異なる人間と見なすことによって、アイデンティティを維持する。
すみ:「すずちゃん なんね それ?」
すずさん:「ばけもん…」
すみ:「えっ?」
②そのためタイプ4は、自分はほかの人間とは違うため、誰も理解してもらえず、ちゃんと愛してくれないと感じる。
③自分が独自の不利な欠陥をもっていると考える。
すずさん:「うちゃあ ぼーっとしとんけん じゃけぇ あの日のことも昼間見た夢だったんに違いない」
④ほかのどのタイプよりも、タイプ4は、自分が人と違うこと、欠陥をもっていることを敏感に意識し、そのことに考えを集中します。
すずさん:「いろいろあるが…ほいでも子供でおるんも悪うはない 色んなものが見えてくる気がする」
⑤健全なタイプ4は自分に正直で、自分自身をありのままに見ることを恐れません。
⑥健全なタイプ4は自分自身のきわめて個人的で恥ともなりかねないことを進んで明らかにします。
⑦なぜなら、自分の体験の真実を理解しようと心に決めているからです。
⑧このことにより、自分が何者であるかを発見し、これまでの感情の動きと折り合いをつけることができます。
すずさん:「晴美さんはよう笑うてじゃし
晴美さんのことは笑うて思い出してあげよう思います
この先ずっと
うちは笑顔の容れもんなんです」
⑨タイプ4は自分自身の暗闇に通じていることにより、ほかのタイプなら参ってしまうかもしれない痛ましい体験を消化しやすくなります。
タイプ4の成長
①タイプ4が、自分は人とは違うと感じるのは確かですが、本当にひとりになりたいわけではありません
②彼らは自分のことをわかってくれる人たちとつながりたいと深く願っています。
すずさん:「今のがほんまのうちなら ええ思うんです」
周作:「なるほどのう…」
③「ロマンティック」なタイプであるタイプ4は、誰かが自分の人生に入ってきてくれて、これまでそっと大切にし、世界から隠してきた密かな自己を評価してくれることを待ち望みます。
すずさん:「水原さん…うちはずっとこういう日を待ちよった気がする…」
④もし時間が経ってもこれがかなわないままであれば、自分がいかにほかと違うかということを軸に、アイデンティティーを築きはじめます。
サン(すずの姑):(回想)『みんな笑うて暮らせりゃ ええのにねぇ…』
すずさん:「ほんとですねぇ…」
⑤タイプ4は普通、自己評価が低く、否定的な自己イメージの問題をもっています。
すずさん:「素直に笑えんのはうちだけか…」
⑥そこで彼らは「空想の自己」理想化された自己イメージを育てることにより、埋め合わせようとします。
すずさん:「…!」
すずさん:「来たらいけん 今 ここへは来たらいけん…」
すずさん:「そっちへ ずぅーっと逃げ!
山を超えたら 広島じゃ!!」
⑦タイプ4は、自分のストーリーの大半は真実ではないと知ることで成長します。
すずさん:「飛び去っていく うちらのこれまでが それでいいと思ってきたものが
だから、がまんしようと思ってきた その理由が…
(中略)
ああ、何も考えん ボーっとしたうちのまま 死にたかったなぁ ……うっ……ぐっ……………… 」
(参照:「新板エニアグラム【基礎編】自分を知る9つのタイプ」 ドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著)
まとめ
すずさんの中の怒り。
それは自分が築き上げてきた「アイデンティティや個人的存在意義がないこと」を終戦によって突き付けられた事。
しかしその怒りを乗り越える事で「タイプ4の心の囚われ」から開放されたすずさんは成長する事ができます。
タイプ4は「自分のストーリーの大半は真実ではないと知ることで成長する」と言うのは逆説的でとても興味深いです。
タイプ4の成長についてのより詳しい解説はこちらのブログで確認ください
物語の最後ですずさんが「自分が人よりも欠陥があるという自己陶酔から開放される」事で健全度レベル1の状態に成長する姿が描かれます。
この世界の片隅に より © こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
リソの本に書かれているタイプ4の心の状態とその成長について簡単にまとめてみました。
タイプ4のキャラクターの心理状況からくる「根源的恐れ」と「怒り」の関係が理解できたでしょうか。
私はタイプ7(楽天家)なのでそれ以外の他のタイプの人がどんな風に考えているのかがなかなか理解できません。
どうしてこんな所で怒るんだろう?こんなに喜ぶんだろう?
そうした疑問がリソの本を学ぶ度に少しずつ理解できてくるのが楽しくてたまりません。
エニアグラムを通じて他の人たちの心の動きをちょっとだけ深く理解する事ができる。
みなさまと一緒に人生を今よりもほんの少しだけ深く楽しむ事ができる自分になっていきたいなと思っています。
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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