ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
こんにちは
アニメ大好き
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
このブログはエニアグラムを使って色々なアニメキャラクター達の「性格」を分析する事で、創作活動や作品を観る時の手助けにしようと言う内容です
今回は「ハウルの動く城」に登場するハウル(タイプ4:芸術家)を例にとってタイプ4キャラクターの「成長のレベル」について解説をします
※成長のレベルとは「心の健全度」を表しています
ハウルの「成長のレベル」は「通常の段階」と「不健全な段階」の間を揺れ動いています
アニメの中で描かれているシーンを見ながら、タイプ4キャラクターの「成長のレベル」について解説をしていきます
【ハウル】
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
ハウルの「成長のレベル」
ハウルの性格はタイプ4(芸術家)
タイプ4のキャラクターは「美意識が高く個性を大事にするが、純粋で繊細で、傷つきやすい」性格
こだわり=「個性・ロマン・創造性」
【ハウルの性格について:過去記事】
この表に従ってハウルの心の状態を見ていきます
「成長のレベル」の段階
物語当初、ハウルの「成長のレベル」の重心は通常の段階の一番下(レベル6)だと思われます
アニメの中ではハウルの精神状態はレベル6を重心として、レベル6~7の間を揺れ動いています
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
具体的にその様子を見ていきましょう
ソフィーに心を許したハウルは本音(弱音)を彼女に漏らします
このシーンの会話にハウルの心の状態(レベル6の様子)が詳しく述べられています
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
ちょっと長いセリフですが、順番にみていきましょう
ソフィー 「えっ、あっ……港で手下を見掛けたわ」
ハウル: 「僕は本当は臆病者なんだ このがらくたは、全部魔女よけの呪い(まじない)なんだよ 怖くて怖くてたまらない……」※③
ソフィー 「ねえ ハウルはどうして荒地の魔女に狙われてるの?」
ハウル :「面白そうな人だなーと思って、僕から近づいたんだ それで逃げ出した 恐ろしい人だった……」※④
ソフィー :「ふぅーん……」
ハウル :「そしたら今度は戦争で王様に呼び出された ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも」※①
ソフィー 「ハウルって一体いくつ名前があるの?」
ハウル :「自由に生きるのに要るだけ」※④
ソフィー 「ふうん 王様の話断れないの?」
ハウル :「あれ 魔法学校に入学するとき、誓いを立てさせられてる」※②
ソフィー: 「……ねえハウル、王様に会いに行きなさいよ! 」
ハウル:「 えぇ!?」
ソフィー :「はっきり言ってやればいいの。くだらない戦争はやめなさい、私は手伝いません!って」
ハウル :「はあー…… ソフィーはあの人達を知らないんだ」※②
ソフィー :「だって王様でしょ?みんなのことを考えるのが、王様でしょ」
ハウル :「……そうか!ソフィーが代わりに行ってくれればいいんだ!」
ソフィー :「えぇ!?」
ハウル: 「ペンドラゴンのお母さんってことでさ 息子は役立たずのろくでなしですって言ってくれればいいんだ!! マダムサリマンも諦めてくれるかもしれない!」
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
タイプ4の「通常の段階:レベル6」の特徴は
①人生で要求されることによって、夢をあきらめざるを得ないだろうと恐れる
②そして、自分は決して救われないだろうと絶望する
③人生の好機を逃していると感じ、他人の安定性をうらやむ
④したがって、自分をルールから免除し、官能的刺激を求め、もったいぶって非生産的になる
ハウルのセリフから上に示したタイプ4の心情(通常:レベル6)が読み取れます
※①「そしたら今度は戦争で王様に呼び出された ジェンキンスにも、ペンドラゴンにも」
➡(人生で要求されることによって、夢をあきらめざるを得ないだろうと恐れる)
※②「あれ 魔法学校に入学するとき、誓いを立てさせられてる」
「はあー…… ソフィーはあの人達を知らないんだ」
➡(そして自分は決して救われないだろうと絶望する)
※③「僕は本当は臆病者なんだ このがらくたは、全部魔女よけの呪い(まじない)なんだよ 怖くて怖くてたまらない……」
➡(人生の好機を逃していると感じ、他人の安定性をうらやむ)
※④「自由に生きるのに要るだけ」
➡(したがって、自分をルールから免除し、)
※④「面白そうな人だなーと思って、僕から近づいたんだ それで逃げ出した 恐ろしい人だった……」
➡(官能的刺激を求め、もったいぶって非生産的になる)
この場面でのハウルのセリフにはタイプ4レベル6の様子がキレイに現れています
一見長いセリフに感じますが、タイプ4のレベル6の段階を実に簡潔に表したセリフとなっており、宮崎監督の人物観察力と表現力の素晴らしさを改めて実感させられます
鉛の法則
ここで、注目したいのはレベル6(通常)からレベル7(不健全)にシフトダウンする時に現れる「鉛の法則」がハウルに見られる所
【鉛の法則とは】
1:通常の段階のレベル6と不健全な段階のレベル7の境界では「鉛の法則」と呼ぶ、ある特徴が現れます
2:「鉛の法則」とは「自分がもっともしてほしくないと恐れることを、人にもせよ」と言うもの
3:「鉛の法則」は各タイプが自我を補強するために、他者をひどく傷つける独自の方法をもっている。
「私が相手を1ランク下げたら、私が1ランク上がることになる」と言う偽りの信念
※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から
アニメを見ているとハウルは自分以外の人を小馬鹿にし、軽蔑的に扱っている姿が描かれています
兵隊: 「なんだお前は!」
ハウル :「この子の連れさ 君たち ちょっと散歩してきてくれないか」
兵隊 :「あっ えっ?おっ?あれっ おい お…… 」
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
タイプ4の「鉛の法則」は「自分にアイデンティティや個人的存在意義がないことを恐れるため、人が取るに足らず、価値や意義がないかのように、軽蔑的に扱う」事
他人を小馬鹿にし、人形の様に操るハウルの姿に「鉛の法則」が現れている事が見て取れます
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
タイプ4は他人に「自分の個性(価値)」を認めてもらいたい性格
その為には現実での実績を伴う行為を行う必要があります
しかし現実での実績を伴わなわずに他人に自分を認めてもらいたいが為に、 他人を貶める事で相対的に自分の立場を上にして認めてもらおうと試みるのです
警告信号
警告信号は「通常の段階」から「不健全な段階」に落ちそうな状態の時、「恐れ」と言う形で心のに現れます
1: 各タイプは不健全な段階に入る前にリソが「警告信号となる恐れ」と呼んでいるものに遭遇する
2:「警告信号」は差し迫った危機を知らせてくれる重大な信号である
※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から
タイプ4の警告信号は「自分の人生をだめにし、せっかくの機会を無駄にしている(恐れの)こと」
先程紹介したハウルのセリフの中にこの「警告信号」が現れています
ハウル: 「僕は本当は臆病者なんだ このがらくたは、全部魔女よけの呪い(まじない)なんだよ 怖くて怖くてたまらない……」
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
不健全な段階
タイプ4の不健全の段階(レベル7)の特徴は以下の通り
①自分が人生を無駄にしているのではと恐れる。それは、そのとおりかもしれない
②自己イメージを守るために、自分自身についての見方や感情的欲求をサポートしてくれないものは、何でも拒否する
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
タイプ4のキャラは常に「自分が人よりも欠陥がある」と思い込んでいます
タイプ4の「通常の段階」は「人が自分のユニークさを認めてくれないのではと心配する そのため、わざと気のないふりをする」状態
タイプ4のキャラクターは他のどのタイプよりも自分が人と違うこと、欠陥をもっていることを敏感に意識し、その事に集中する性格をしています
自分の周りに存在する「現実の世界」と向き合い、意味のある行為を行う事で、実績を伴う現実を通じ(現実的に)人と関わることができると「健全な段階」へとシフトチェンジします
逆に「現実の世界」から逃避し、実績を伴わない現実を通じ(精神的に)人と関わろうとすると「不健全な段階」へとシフトチェンジしてしまいます
物語のラスト
物語の最後では、ハウルとソフィーは大家族に囲まれて幸せそうに空を飛ぶ家の中で暮らす姿が描かれています
ハウルの動く城より © Studio Ghibli/Walt Disney Pictures
しかし現実から離れた空で暮らす事から分かる通り、ハウルはタイプ4が健全な段階に成長する為の条件は満たしていません
最後に
今回はタイプ4のキャラクターの「成長のレベル」についてハウルを例にとって解説しました
「成長のレベル」は各タイプによって異なる形で行動に現れます
他のタイプについても、今後のブログで少しずつ紹介していく事で、 みなさんと一緒に私自身の学びを進めたいと思います
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
今回はここまで
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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