ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
こんにちは
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がんべあです。
最近、「アニメの世界観」についてのブログが続いています。世界観とは「世界を全体として意味づける見方・考え方」のこと(Wikipediaより)」。
「アニメの中で主人公が世界にどんな意味付けを持っているのか」を分析すると、「主人公の性格」がそのまま「世界観」に表れている事が見えてきました。
同じ状況・世界に暮らしていても主人公の性格が異なると世界は異なって見えるのです。
今回は9w1と5w4の世界観について詳しく解説をいたします。
9w1と5w4は裏表の世界観となっており、非常に似ている点と、正反対な面があります。
キーワードは「現実世界」と「理論的な世界」。
【今回検証する作品】
鬼滅の刃(主人公:タイプ9w1)
風立ちぬ(主人公:タイプ9w1)
四月は君の嘘(主人公:タイプ5w4)
ペンギンハイウェイ(主人公:5w4)
まずは9w1の世界観から見ていきます。
9w1が主人公の「世界観」
①主人公は「リアルな現実世界」から離れて「現実とは異なる新たな世界(異世界)」へ旅立つ。
②異世界とは言え、その世界の中で設定されている理論的なルールは守られます。理論的に整合性のつかない(ルールを無視した)精神的な「奇跡」や「不思議な出来事」はほとんど起きません。
「鬼滅の刃」
【主人公】竈門 炭治郎(かまど たんじろう)(タイプ9w1)
「鬼滅の刃」では物語冒頭、炭治郎の日常生活がリアルに描かれます。
しかしそのリアルな生活は鬼によって破壊され、炭治郎は鬼殺隊と呼ばれる組織の一員となります。鬼殺隊に入隊した後の炭治郎は通常の世界の生活を捨て去り、組織の一員として働く事になります。
鬼殺隊の世界はリアルで複雑な現実生活と比べて非常に簡略化されたルールの下で動いています。
そのルールとは「幸せを得る為には鬼を退治しなくてはいけない事」「鬼は首を切るか太陽の光によってしか滅せない事」などの非常に分かりやすいもの。「異世界転生モノ」と同じ構造となります。
主人公は複雑でリアルな現実世界から離れ、理論(ルール)によって単純化された異世界(舞台)へ転生する。
これがタイプ9w1の典型的な世界観と言えます。
「風立ちぬ」
【主人公】堀越 二郎(ほりこし じろう)(タイプ9w1
)
「風立ちぬ」も同じ構造の世界観で作られています。
物語の最初では堀越 二郎のリアルな生活が描かれます。リアルな世界は不条理で満ち溢れており、問題は複雑で解決の糸口がみつかりません。
本庄:「そりゃあ偽善だ お前 その娘がにっこりして礼でも言ってくれると思ったのか?」
そして次郎はリアルな通常の世界の生活から逃避して「美しい飛行機を作る」事だけを目的とした単純化された世界へ逃げ込みます。
主人公がリアルな現実世界から離れ、一時的に理論による単純化された異世界へ転生(逃げ込む)する事は決して悪い事ではありません。ただ異世界へ行ったきりの状態が長く続くと闇落ちの危険性があります。
主人公は単純化された異世界で学び成長した後で再びリアルな現実世界へ戻ってくる必要があります。そして「現実(テーゼ:9w8)」と「理論(アンチテーゼ:5w4)」を融合する事で新たな道(ジンテーゼ)を見つけるのが、物語の黄金パターンとなります。
では次に5w4の世界観を観てきましょう。先ほど述べた通り5w4の世界観は9w1と真逆になっています。
5w4が主人公の「世界観」
5w4の世界では主人公は当初単純化された「理論」の世界で暮らしています。
そんな主人公がある日突然「リアルな現実」を認識せざるを得ない状況に追い込まれるのが物語のパターンとなっています。
①主人公は「リアルな現実世界」から背を向け「理論の世界」に入り浸っている。(異世界の住人)
②主人公が入り浸っている「理論の世界(異世界)」に現実世界が干渉してくる。主人公は相反する理論の世界(異世界)と現実の中を交互に冒険する中、成長をしていく。
「四月は君の嘘」
【主人公】有馬 公生(ありま こうせい)(タイプ5w4)
「四月は君の嘘」では物語の最初に主人公(5w4)の有馬 公生がリアルな生活から目を背け、理論の世界に逃げ込んでいる様子が描かれます。
澤部 椿:「正直言うとね 私 公生がピアノをやろうとやるまいとどうでもいいんだ ただね 止めるなら納得して止めて欲しい 観てて辛いの
今の公生 中途半端だもん あの日から…あの日から公生は どこにも行けずにいる
時間って止まるのね だからピアノを弾いて欲しい きっと何かが変わるはずだから」
物語が始まる前の主人公は「理論の世界」の中で暮らしています。しかしその世界に「現実世界」が干渉してきます。
宮園 かをり:「くじけそうになる私を支えてください」
有馬 公生はヒロインの宮園 かをりと出会う事で現実世界へと進む事になります。
5w4の物語では「理論世界に現実世界が徐々になだれ込んでくる」形が基本となります。
次に5w4が主人公のもう一つの作品を見てみましょう。
【主人公】アオヤマ(タイプ5w4)
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
「ペンギン・ハイウェイ」では主人公(5w4)のアオヤマがリアルな生活から目を背け、理論の世界(異世界)で生きている様子が描かれます。
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
アオヤマの世界では「缶ジュースがいきなりペンギンになったり」「大量のペンギンが空を飛んだり」と不思議な現象が起こります。しかしその現象にはこの世界なりの「理由・原因」が設定されており、理論的な世界を構築しています。
お姉さん:「私と言うのも謎でしょ この謎を解いてごらん どうだ キミにはできるか?」
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
ペンギンハイウェイの前半は「理論の世界」の中でアオヤマと仲間たちがお姉さんと(理論の)世界の謎を解いていくお話。
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
しかし物語中盤で「理論の世界」にいたアオヤマと仲間たちの世界に突然「現実世界」が浸透してくる様子が描かれます。
大人:「誰かここにいるぞ ここで何してるの?」
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
「理論の世界」に干渉してきた「現実世界」の中でアオヤマは成長していきます。
そして物語の最後で成長したアオヤマはお姉さんと別れ、ある決意します。
それは「理論の世界」から飛び出し「現実の世界」へ踏み出す事でした。
アオヤマ:「それでも僕は世界の果てに向かって大変早く走るつもりだ 何故なら世界の果てに通じる道はペンギンハイウェイである その道を辿っていけば もう一度お姉さんに会うことができると僕は信じるものだ これは仮説では無い 個人的な信念である」
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
「(5w4の主人公が)現実世界で生きていくには”理論による仮説”ではなく”本能による信念”が道しるべとなる」と言う結論がとても面白かったです。
この説はとても面白いので、今後他の作品でも是非検証していきたいです。
現実世界へ飛び出したアオヤマの前にはもう空を飛ぶペンギンは表れません、しかし現実(リアル)に残された宇宙船の模型を見て微笑むアオヤマの姿でエンディングを向かます。
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
9w1と5w4の世界の違い
9w1:「現実世界」にいた主人公が「理論の世界(異世界)」へと転生する。
5w4:「理論の世界(異世界)」にいた主人公に「現実世界」が浸透してくる。
主人公は危機に陥った時、裏の性格となり問題解決を目指します。 9w1と5w4はお互いが裏表の性格。その為、物語の構成が逆になる形となるのでしょう。
【タイプ9w1/5w4 性格の裏表の詳しい考察はこちらで】
今回はここまで
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。