銀河英雄伝説 Die Neue These 第2話より © 田中芳樹/松竹・Production I.G
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「物語の世界観」を分析していくこのシリーズ。
今回は5w4(因果を打破する人)と5w6(問題を解決する人)が主人公の世界観について、その共通点と相違点を考察していきます。
抑えるべきキーワードは「理論」と「現実」、そして「理想」の3つ。
【今回検証する作品】
四月は君の嘘(主人公:タイプ5w4)
ペンギンハイウェイ(主人公:5w4)
緑谷 出久(主人公:タイプ5w6)
ヤン・ウェンリー(主人公:タイプ5w6)
まずは外向的、人との関係を重視する5w6の世界観から見ていきましょう。
5w6が主人公の「世界観」
①「目の前の現実的な問題」を淡々と解決しながら生きてきた主人公に超えられない壁が現れる。
②主人公は壁を超える為に「自分が目指す理想的な状態」を理解しようとする。
タイプ5w6は「問題解決者」。「理論的な手段」で目の前の問題を解決する事は得意ですが、自分が喜ぶ理想的な状態は分かっていません。
【主人公】緑谷 出久(みどりや いずく)(タイプ5w6)
僕のヒーローアカデミア 第2話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
緑谷 出久は目の前で起る「現実的な問題」を地道に解決する事が得意。幼い頃からヒーローに憧れてきた出久は能力が使えないというハンディキャップを乗り越え、地道な鍛錬を続ける事でついに雄英高校に合格、プロヒーローに向かって歩み続けます。
しかしヒーローとなって目の前の問題をいくら解決した所で根本的な原因を解決できなかれば、次々と新たな問題が発生します。
その壁に当たった出久は「自分が目指すべき理想の状態(ヒーローがすべき事)」が何なのかを理解する為に、悩み奮闘していくのが僕のヒーローアカデミアの基本的なストーリーとなります。
死柄木 弔:「俺はなオールマイト 怒っているんだ 同じ暴力がヒーローとヴィランでカテゴライズされ、善し悪しが決まるこの世の中に。
何が平和の象徴 所詮抑圧の為の暴力装置だおまえは 暴力は暴力しか生まないのだと お前を殺す事で世に知らしめるのさ」
僕のヒーローアカデミア 第12話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
緑谷 出久が死柄木 弔を救い出す為に必要な事柄は物語の中で以下の2つを成し遂げないといけません。
1つ目は弔が納得するだけの答え(ヒーローとヴィランの違い)を見つけ出す事。(理想の状態を見つける事)
2つ目はその答えを自らの行動によって体現化する事。
これが僕のヒーローアカデミアの基本的なお話となります。
もう一人の5w6キャラクターも見てみましょう。
「銀河英雄伝説」
【主人公】ヤン・ウェンリー(タイプ5w6)
銀河英雄伝説 Die Neue These 第2話より © 田中芳樹/松竹・Production I.G
銀河英雄伝説の主人公ヤンも出久と同じく目の前に起こった「現実的な問題」を「理論的」に解決する事が得意。士官学校を卒業したばかりの21歳の時に住民を無事救助した実績により「エル・ファシルの英雄」と呼ばれる事になります。
しかし目の前の問題をいくら解決した所で根本的な原因を解決できなかれば、次々と新たな問題が発生します。
その壁に当たったヤンは「自分が目指すべき理想の状態」が何なのかを理解すべく、悩みながら奮闘していくのが銀河英雄伝説の基本的なストーリーとなります。
ジェシカ:「一度の会戦で100万人以上もの死者を出したのですもの 道義上恥じるべきなのだわ」
ヤン:「それは少し違うかな それだけの死者を出したのは確かに愚かなことかもしれない だがこちらが勝って向こうに100万人の死者を出させたとしたらどうだろう? それは称えられるべきことだろうか 戦争の勝ち負けに道義は関係ないんだよ」
銀河英雄伝説 Die Neue These 第5話より © 田中芳樹/松竹・Production I.G
5w6(問題を解決する人)の物語では「目の前の個々の問題に対処してきた」主人公が裏の人格(1w9:理想主義者)へと変わることによって「自分が目指すべき理想の状態」を見つけ理解していくストーリーが基本となります。
これは「小さな世界」で生きてきた主人公が「大きな世界」に飛び出すストーリーと言い換える事ができます。
「目の前の現実」と言うのが小さな世界。小さな世界は自分の頭(理論)の中だけで理解できる世界。
「小さな世界=理論の世界」
一方の「理想の状態(世界)」は大きな世界。大きな世界は自分の頭(理論)では理解できない広い世界。
「大きな世界=(理論だけでは理解できない)現実の世界」
5w6が主人公の物語は「理論の世界」(小さな世界)で生きてきた主人公が「現実の世界」(大きな世界)へ踏み出すお話なのです。
5w4が主人公の「世界観」
次に内向的、一人で居たい5w4の世界観から見ていきましょう。
①主人公は「リアルな現実世界」から背を向け「理論の世界」に入り浸っている。(異世界の住人)
②主人公が入り浸っている「理論の世界(異世界)」に現実世界が干渉してくる。主人公は相反する理論の世界(異世界)と現実の中を交互に冒険する中、成長をしていく。
5w6との違いは「5w4の主人公は物語の当初で理論の世界に入り浸っている事」。
「四月は君の嘘」
【主人公】有馬 公生(ありま こうせい)(タイプ5w4)
【主人公】アオヤマ(タイプ5w4)
ペンギン・ハイウェイより ©2018森見登美彦・KADOKAWA/『ペンギン・ハイウェイ』製作委員会
有馬公生・アオヤマは現実から離れ、自身の作り上げた「理論の世界(異世界)」の住人と化しています。
その異世界に「現実の世界」が徐々に侵入してくる事で物語が進むのです。
【5w4の世界観についてより詳しい解説はこちらから】
まとめ:5w4と5w6の世界の共通点と相違点
2つのお話の相違点。
5w4:「理論の世界(異世界)」にいた主人公に「現実世界」が浸透してくる。
5w6:「現実世界(理論で理解できる小さな世界)」にいた主人公が「理想の世界(理論だけでは理解できない大きな世界)」とは何かを探し求める。
5w4は「現実世界」から逃避して「理論」の世界にいる(内向的)のに対して5w6は「理論」で理解できる範囲の「小さな現実世界」に居る(外向的)のが相違点。
しかしこれらは共に「理論の世界」から「(理論・本能・感情の全てを含んだ)現実の世界」へと踏み出すお話であると言う共通点があるのです。
今回はここまで。
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