おおかみこどもの雨と雪より ©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです。
細田守監督作品「おおかみこどもの雨と雪」の13フェイズ分析。
今回は最終回、弟「雨の物語」について分析をしていきます。
※物語は人によって千差万別な捉え方ができると思っています、このブログはあくまで私の目から見た意見ですのでご了承下さい。
【第1回がまだの方はこちらからどうぞ】
※ネタバレありです、ご注意を
「おおかみこどもの雨と雪」雨のお話
この物語の大きなテーマである「個性」。
では雨の「個性」とは何なのでしょうか?
小さい時は臆病で行動力のない雨。しかし自分の個性を発見してからは見違えります。その変化に注目して物語を観ていきましょう。
雨のお話の13フェイズ
雨は物語最初では目立たず臆病な性格が全面に出ています。
そんな雨にある日事件が起こります。ヤマセミを捕まえようとして川に落ちてしまう雨。その事件によって雨は本当の自分の心・個性に気付く事ができます。
自分の中にあった個性に気付き、追い求めようとする雨。しかし「具体的に何をすべきなのか」が分かりません。そんな雨を導き助けるのがアカギツネの先生。 雨は先生に着いて行き、夢中になって山のことを学んでいきます。
雨:「雪も先生の所で教えてもらおうよ、狩りの仕方上達するよ…森を全速力で走るのはコツがいるんだ、それに地形の読み方なんかもね、勉強になるよ…沢の見つけ方や天気の変化、それになわばりの事やお互いの気遣いなんかも…」
おおかみこどもの雨と雪より ©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
雨:「先生はね何でも知ってるんだ
山のことなら何でも」
おおかみこどもの雨と雪より ©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
物語の折り返し点である黄色の枠、第7フェイズまで雨は雨達が済む山を治めるアカギツネ(先生)に助けられて成長していきます。
おおかみこどもの雨と雪より ©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
しかし第8フェイズ以降、先生は足を怪我して動けなくなります。物語後半はそれまで先生の導きによって進んできた雨が自分自身の考えで個性を伸ばし成長していくお話に変わります。
雨の問題点
物語が始まる前の雨の抱える問題点。
それは「自分の人生をどう歩んでいくのかが分からない事」(=自分の個性が分からない事)。
そして、その回答は「自分らしさを受け入れてくれる人(キツネですが…)と出会うこと」「そして自分自身も他人(先生)の個性を受け入れたい…」。
前回・前々回に解説した花や雪と同じ問題点であり、その解決方法も同じです。
物語で表されている雨の個性
雨:「今まで先生がしてきた事の代わりを誰かがしなくちゃいけない」
おおかみこどもの雨と雪より ©2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会
雨の個性・長所は「日頃は平和を愛するおとなしい性格だが、その平和に危機が迫った時に大きな力を発揮できる所」。
ウルトラマンや竈門 炭治郎等の正義の味方によく見られる性格・個性。
日頃はおとなしく目立たない存在ですが、平和を乱す何かが現れた時には人が変わった様な大きな力を発揮してその危機に挑みます。
これは細田監督の前作「サマーウォーズ」に登場する主人公小磯 健二と同じ系統の個性であり能力でもあります。
「おおかみこどもの雨と雪」の雨と雪の個性(性格)が「サマーウォーズ」の健二と夏希に対応しているのがちょっと面白いですね。
先生の意思を受け継いだ雨は山の中で過ごし、その平和を守る存在として生きる道を選択するのです。
まとめ
4回にわたって「おおかみこどもの雨と雪」を分析してきましたがいかがだったでしょうか?
このブログを書き始めた当初、「どんなお話なのか」が全くまとまらず頭を抱えてしまいました。物語が複雑に絡み合っていて、なかなか整理ができなかったのです。
しかし、それぞれの主人公のお話を丁寧に13フェイズで分析していくと、実はとても分かりやすい王道のお話になっている事が理解できました。今回ブログを書く事で、私自身がすっきりする事ができて嬉しかったです。
かなり私的な思い込みによる分析も多かったと思いますが、こうして色々と考えを深める事ができる事自体がこの作品の大きな魅力・器だと思います。
今回はここまで。
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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