鬼滅の刃 第22話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
こんにちは
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がんべあです。
今回はジャンプアニメの「人間関係」をエニアグラム分析するシリーズの第6回目、最終回となります。
連載の最後は物語の基本「テーゼとアンチテーゼ」についての解説をしていきます。
第1回目がまだの方はこちらからご覧ください。
【ジャンプアニメ人間関係の法則① 人気作品の黄金パターンをエニアグラム分析】
前回までのおさらい
今までのブログでは以下の4点について解説をいたしました。
★最近のジャンプアニメの「人物関係」の共通点①。
タイプ9が主人公
タイプ3が主人公を導く者
タイプ6が親友・ヒロイン
★基本的なストーリーの流れ
①「狭い世界」で「マイペースの暮らしをしていたタイプ9の主人公」が
②「目的意識と実行力の高いタイプ3の師匠」に導かれ現実の世界で成長を行い
③「人の輪を大切にするタイプ6のヒロイン(親友)」と理解し合うことで、共に「広い世界」の中で生きていく
★最近のジャンプアニメの「人物関係」の共通点②。
タイプ5:主人公(裏の性格含めて)
タイプ7:主人公に引っ張られて共に成長する人
(又は主人公の憧れ)
タイプ8:主人公を引っ張りながら共に成長する人
★基本的なストーリーの流れ②。
「主人公」と「主人公の裏の性格のキャラクター」が戦いながらお互いを認め合う事で手を取り合い、共通の目的を達成しようとする事で成長していく物語。
今回の最終回ではこれら4つの共通点を踏まえながら、ジャンプアニメのストーリーと人間関係をまとめていきます。
キーワードは「テーゼとアンチテーゼ」
テーゼとアンチテーゼ
映画のストーリーは三つの世界に分かれてると私は思っている。三幕と呼ぶ人もいるが、私はテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼと呼んでいる。
「SAVE THE CATの法則」より(ブレイク・スナイダー 、 菊池淳子)
物語を進める為には3つの要素が必要
その3つがテーゼ、アンチテーゼ、ジンテーゼ
それぞれの意味は次の通りとなります
【テーゼ】:定立。(初めに)立てられた命題。正・反・合の、正。
グーグル日本語辞書より
【アンチテーゼ】:ある主張に対してそれを否定する内容の主張。対立命題。反立。
グーグル日本語辞書より
【ジンテーゼ】:総合・個々別々のものを一つに合わせてまとめること。「全員の意見を―する」「各種目の得点を―する」
「物語」は最初に主人公が元々持っているテーゼ(命題)があり、その主張を否定するアンチテーゼが発生する事でお話が動き出します。
テーゼとアンチテーゼは相反するもので激しくぶつかり合いますが、物語の最後にはジンテーゼによる総合によって解決が行われると言う流れでできています。
ジャンプアニメの黄金パターンもこの大きな流れでできており、テーゼ、アンチテーゼに対応するキャラクターが配置されています。
テーゼ、アンチテーゼに対応するキャラクター
【テーゼ】:主人公
【アンチテーゼ】:主人公の「裏の性格」のキャラクター
鬼滅の刃・呪術廻戦・化物事変、それぞれのキャラクターを見ていきましょう。
主人公(タイプ9)は「夢の中で平和を築いて」います。
これがテーゼ。
【鬼滅の刃】
主人公(タイプ9)
【竈門 炭治郎(かまど たんじろう)】
鬼滅の刃 第26話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
【呪術廻戦】
主人公(タイプ9)
【虎杖 悠仁(いたどり ゆうじ)】
呪術廻戦 第1話より ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【化物事変】
主人公(タイプ9)
【日下 夏羽(くさか かばね)】
物語の最初で、主人公に「現実」の試練が訪れます。
主人公は「夢」の中ではなく「現実」の世界での平和を築く必要に迫られます。
「現実の中で平和を築く」為に変化をした主人公の象徴が主人公の裏の性格のキャラクター(タイプ5)。
これがアンチテーゼとなります。
【鬼滅の刃】
主人公の裏の性格に対応するキャラクター
【冨岡 義勇(とみおか ぎゆう)】(タイプ5)
鬼滅の刃 第26話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
【呪術廻戦】
主人公の裏の性格に対応するキャラクター
【両面宿儺(りょうめんすくな)】(タイプ5)
呪術廻戦 第1話より ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【化物事変】
主人公の裏の性格に対応するキャラクター
【野火丸(のびまる)】(タイプ5)
主人公(タイプ9w1)と主人公の裏キャラクター(タイプ5w4)は「どちらも現実とは異なる世界を見て正しさを追い求める」性格。
しかしそのアプローチは異なります。
主人公(タイプ9w1)は「空想(夢)の中で平和を創り出そう」、主人公の裏キャラクター(タイプ5w4)は「現実の中で平和を作ろう」とする性格。
理想(テーゼ)と現実(アンチテーゼ)との間でもがき苦しむ主人公。
先の見えない膠着状態の中、主人公を導くキャラクターが登場します。
【鬼滅の刃】
主人公を導く者(タイプ3)
【煉󠄁獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)】
鬼滅の刃 第22話より ©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
【呪術廻戦】
主人公を導く者(タイプ3)
【五条 悟(ごじょう さとる)】
呪術廻戦 第1話より ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
【化物事変】
主人公を導く者(タイプ3)
【隠神 鼓八千(いぬがみ こはち)】
テーゼとアンチテーゼの間で葛藤する主人公を導くのがタイプ3「主人公を導く者」
タイプ9の主人公は本能タイプで感情をコントロールするのが苦手。
そんな主人公に「感情によって得られる力」を示す事がタイプ3、主人公を導く者の役割。
五条:「その呪害は一定の呪力を流し続けないと目を覚まして今みたいに襲ってくるよ」
五条:「さっきも言った通り、ここには色んな映画が揃っているから ドキドキ ハラハラ ワックワク 泣けて笑えて胸糞悪くなる」
五条:「まずはその呪害を起こさず 映画を一本無傷で見通す事」
五条:「これがどんな感情下でも一定の呪術出力を保つ訓練 多すぎても少なすぎても駄目だよ」
呪術廻戦 第6話より ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
隠神 鼓八千:「3回目だ夏羽、親に会いたいか?」
日下 夏羽:「…会いたいです」
タイプ9(主人公)・タイプ5(主人公の裏の性格)・タイプ3(主人公を導く者)の3人はそれぞれ本能・理性・感情によって動いています。
「本能」の赴くままに平和を求める主人公に対し、主人公の裏の性格のキャラクターは「理性(思考)」によって平和を実現しようと試みます。
しかし2人のアプローチは相反する物でこのままではお互いに上手く歩み寄る事はできません。
そんな膠着状態に「感情」と言うアプローチを加え、本能・思考・感情が持つ3つの力を総合(ジンテーゼ)する事で初めて問題を解決する道が開かれる。
これがジャンプアニメの基本・黄金パターンとして共通するお話の流れなのです。
【まとめ】
「ジャンプアニメストーリーの黄金パターン」
平和を求めるために
テーゼとして「”本能”で動く主人公」と
アンチテーゼである「”理性”で動く主人公の裏性格のキャラクター」との葛藤に対して
「”感情”で動く主人公を導く者」の導きがあります。
そして本能・理性・感情の持つ3つの力を統合をする事で第3の道であるジンテーゼ、真の平和を実現していく力を得るストーリーとなっています。
ジャンプアニメストーリーの黄金パターン。
ワールドトリガー(主人公がタイプ9ではなくタイプ9の憧れ方向であるタイプ6)や僕のヒーローアカデミア(主人公がタイプ9ではなくその裏面のタイプ5)はこの黄金パターンに一捻りを加えた亜種作品だと分析できます。
おまけ
最後におまけとして今回解説したジャンプアニメストーリーの黄金パターンを使った他の作品をいくつか紹介します。
主人公(タイプ9)
【衛宮士郎(えみや しろう)】
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] OPより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
★主人公の裏の性格に対応するキャラクター
(タイプ5)
【アーチャー】
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 1話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
主人公を導く者(タイプ3)
【遠坂凛(とおさか りん)】
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 21話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
【物語シリーズ】
主人公(タイプ9)
【阿良々木 暦(あららぎ こよみ)】
終物語 おうぎダーク 其ノ参より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
★主人公の裏の性格に対応するキャラクター
(タイプ5)
【忍野 扇(おしの おうぎ)】
終物語 おうぎフォーミュラより ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
主人公を導く者(タイプ3)
上の作品はどれも平和を求めるために
テーゼとして「”本能”で動く主人公」と
アンチテーゼである「”理性”で動く主人公の裏性格のキャラクター」との葛藤に対して
「”感情”で動く主人公を導く者」の導きがあります。
そして本能・理性・感情を統合をする事で第3の道であるジンテーゼ、真の平和を実現していくストーリーとなっているのです。
衛宮士郎とアーチャー
阿良々木 暦と忍野 扇
具体的な登場人物を確認してみると、物語の中で主人公(テーゼ)と主人公の裏の性格のキャラクター(アンチテーゼ)による理想と現実との葛藤が描かれている事がよく解るかと思います。
今回でジャンプアニメの黄金パターンの解説は終了しますが、最後に取り上げた様にジャンプ以外の作品にもこの黄金パターンは数多く存在します。
今後、機会を作って他の作品についても解説を行っていきたいと思います。
まだまだ勉強中ですので、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
みなさんと一緒に勉強していけると嬉しい限り
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【物語の黄金パターン:他記事】
【参考資料】
「表と裏の性格」については”スバルのブログ”を参考にさせてもらっています。
【参考資料】
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」
私のブログで参考にしているドン・リチャード・リソ, ラス・ハドソン他著の本
より詳しくエニアグラムの事を知りたい方にオススメ
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