新世紀エヴァンゲリオン第12話「奇跡の価値は」より ©カラー/Project Eva.
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がんべあです。
前回・前々回と「物語の黄金パターン」に登場する「ヒロイン」・「主人公を導く者」について考察を深めてきました。
これらを踏まえて「主人公」「ヒロイン」「主人公を導く者」の3者の関係を考察していくと実に面白い事が分かります。
それは「少年マンガ(アニメ)」「青年マンガ(アニメ)」「大人のマンガ(アニメ)」の3つの分類。
この分類は「主人公を導く者」と主人公との関係に大きく関わっているのです。
詳しく見ていきましょう。
人気作品の黄金パターンとは
★物語の黄金パターン:「人物関係」
タイプ9が主人公
タイプ3が主人公を導く者(師匠・宿敵・パートナー)
タイプ6が親友・ヒロイン (「親友」は今回取り上げません)
※「黄金パターン」についての過去記事
【ジャンプアニメ人間関係の法則① 人気作品の黄金パターンをエニアグラム分析】
【新世紀エヴァンゲリオン(TV版)の「人間関係」をエニアグラム分析する】
【エニアグラムを知らない方はこちらで】
主人公-ヒロイン-主人公を導く者 3人の関係
「主人公を導く者」の解説で使った3つのパターンに分けてそれぞれの物語の流れを確認します。
①主人公を導く者が「師匠」のパターン
②主人公を導く者が「宿敵」のパターン
③対等な「パートナー」のパターン
①:主人公を導く者が「師匠」のパターン
主人公は物語の中で師匠に導かれ成長していきます。
「主人公」-「ヒロイン」-「主人公を導く者(師匠)(宿敵)(パートナー)」
【鬼滅の刃】
「竈門 炭治郎」-「竈門禰豆子」「栗北落カナヲ」
-「煉獄 杏寿郎」
【化物事変】
「日下 夏羽」-「紺」-「隠神 鼓八千」
【モブサイコ100】
「影山 茂夫」-「高嶺 ツボミ」-「霊幻 新隆」
【物語シリーズ】
「阿良々木 暦」-「戦場ヶ原 ひたぎ」-「忍野 メメ」
「シモン」-「ニア・テッペリン」-「カミナ」
「三日月・オーガス」-「クーデリア」-「オルガ」
そしていつしか師匠に追い付き、対等なパートナーとして同じ目標(周りの仲間の平和の実現)の実現に向けて突き進む。
そして頼るべきものを失っているヒロインと心の交流を重ねる事でヒロインの新たな心の支えとなるストーリー展開が基本の流れ。
主人公とヒロインの「心の成長と交流」を深く描くお話が多く、大人向き(青年後半?)の内容と言えます。
一昔前に流行った王道パターンですが、鬼滅の刃のヒットに現れているように最近再び視聴者の要望が増えている構成の物語と言えます。
②:主人公を導く者が「宿敵」のパターン
ジョジョの奇妙な冒険 第1話より ©荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会
師匠の代わりに宿敵が登場するパターン。
「主人公」-「ヒロイン」-「主人公を導く者(師匠)(宿敵)(パートナー)」
【鬼滅の刃】
「竈門 炭治郎」-「竈門禰豆子」「栗北落カナヲ」-「鬼舞辻 無惨」
【FGO】
「藤丸 立香」-「マシュ・キリエライト」
-「イシュタル」
【物語シリーズ】
「阿良々木 暦」-「戦場ヶ原 ひたぎ」-「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」
【もののけ姫】
「アシタカ」-「サン」-「エボシ御前」
【∀ガンダム】
-「ハリー」
【戦闘メカザブングル】
「ジロン・アモス」-「エルチ・カーゴ」-「ティンプ」
【刀語】
「鑢 七花」-「とがめ」-「否定姫」
【BEASTARS】
「レゴシ」-「ハル」-「ルイ」
【サマーウォーズ】
「小磯 健二」-「篠原 夏希」-「陣内 侘助」
【装甲騎兵ボトムズ】
「キリコ・キュービィー」-「フィアナ」
-「イプシロン」
「ジョナサン・ジョースター」-「エリナ」
-「ディオ・ブランドー」
物語を分析しているとこのパターンが一番多い様に思えます。
(単に私の趣味がこちらに偏っているだけかもしれませんが…)
最後に宿敵を倒して終了する場合と、闘いの結果、宿敵が主人公の頼れるパートナーとなって新たな敵との闘いに発展するケースが見られます。
師匠が登場しない(形だけは登場しても影が薄い作品を含む)パターンは「師匠の元で主人公の成長をしっかりと描く」側面よりも「宿敵と戦って勝利する」と言う即物的な娯楽性が高い作品。
主人公の心の成長が深く描かれない分、主人公とヒロインとの心の関係も予定調和のお話が多く、深い葛藤を乗り越えて結ばれる所は省略されて描かれる傾向があります。
一般人の認識としての「マンガ的内容」で、少年向きの作品に多く見られます。
(「鬼滅の刃」や「物語シリーズ」の様にタイプ3の「師匠」と「宿敵」が別キャラクターとして同時に登場する作品もあり、その場合は大人向きの作品となります)
③:対等なパートナーのパターン
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 21話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
主人公とパートナーが共に手を取り合いお話を進めていくケース。
【Fate/staynight】
「衛宮 士郎」-「間桐 桜」「セイバー」-「遠坂 凛」
【物語シリーズ】
「阿良々木 暦」-「戦場ヶ原 ひたぎ」-「キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード」
【風立ちぬ】
「堀越 二郎」-「里見 菜穂子」-「本庄」
【紅の豚】
「ポルコ・ロッソ」-「フィオ」-「ジーナ」
【モンスターズインク】
「サリー」-「ブー」-「マイク」
【バビロン】
「正崎 善」-「曲瀬 愛」-「九字院 偲」
【サイボーグ009】
「島村ジョー」-「フランソワーズ」-「ジェット」
「碇 シンジ」-「綾波 レイ」-「惣流・アスカ・ラングレー」
【四畳半神話大系】
「私」-「明石さん」-「小津」
【マクロスF】
「早乙女 アルト」-「ランカ・リー」
-「シェリル・ノーム」
【映像研には手を出すな!】
「浅草みどり」-「水崎ツバメ」
-「金森さやか」
今回の分類ではパートナーとしていますが、実際の物語を分析すると、彼(彼女)達が物語の最初から「主人公のパートナー」として登場するケースは少ないです。
※上のリストだと最初から主人公のパートナーとして登場するのは「本庄」「ジーナ」「マイク」「九字院 偲」の4ケースのみ
最初は主人公と敵対する宿敵(とまでは言わなくても馬が合わない)の位置で登場し、闘いを通じてお互いに信頼できるパートナーとなるパターンが基本の物語構成。
このケース(パートナー)の場合、タイプ6のヒロインを交えて「主人公の奪い合い」をするシュチエーションに発展する場合が多く、俗に言う「三角関係」のお話の傾向が強くなります。
このパターンのお話では「主人公の成長」よりも「3者の関係の変化」にスポットが強く当てられる傾向があります。
先に解説した「宿敵のパターン」とは異なり、主人公とヒロインとの心の葛藤がパートナーを交えて深く描かれているのが特徴。
思春期の青年向き(青年前半?)の作品に多く見られるパターンでしょう。
新世紀エヴァンゲリオン第12話「奇跡の価値は」より ©カラー/Project Eva.
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 2話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
まとめ
物語の黄金パターンの作品は「主人公を導く者」のタイプによって話の傾向が変化します。
★物語の黄金パターン
「主人公を導く者」の役割によって物語の対象年齢が変化する。
【師匠の場合】:大人向け
「心と体の成長を重視」
主人公が成長しヒロインに相応しい力を身に付けていくお話。
【宿敵の場合】:少年向け
「爽快感重視」
主人公が宿敵を倒しヒロインを獲得するお話。
【パートナーの場合】:青年向け
「人物関係重視」
主人公の心がヒロインとパートナーの間で揺れるお話。
※「主人公を導く者」の役割(師匠・宿敵・パートナー)が変化するのと同様、お話も上の3つの要素が入り混じって展開していく形が多いです。
こうして見ると物語の流れは「少年向き」「青年向き(青年前半)」「大人向き(青年後半)」の3つに分かれており、その分類は「主人公を導く者」の立場の変化として現れている感じを受けます。
まだ検証数がすくないので、あくまで今の時点での推論ではありますが、実に面白いですよね。
もっと沢山の作品を観て検証数を増やしていきたいです。
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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