こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
宮崎監督作品の魅力を分析する(第3回目)
宮崎監督の作品は完成度も素晴らしいのですが、それとは別に「心に響く何か」があると思います
このブログではその「何か」に迫りたいと思います
そして、改めて宮崎監督の作品を観る事で、宮崎監督が伝えたかった「何か」を私達が共有し、共に幸せを掴む事ができる手助けになると嬉しいです
では早速始めていきましょう
前回「宮崎監督の憧れ」について説明をいたしました
今回は「宮崎監督の成長」に焦点を当てて解説していきます
一回目がまだの方はこちらからお読み下さい
宮崎監督の成長
成長とは憧れに向かって進む事
しかし、一直線に憧れに向かうのはいけません
何故ならば、憧れへの道のりは遠く厳しいもの
憧れを手に入れる前には少し遠回りをして準備をする事が必要なのです
エニアグラム分析では「宮崎監督の憧れ」はタイプ6的な【正しい「ルール・堅実さ・責任感」を持ってみんなが安心して暮らせる社会】
宮崎監督が憧れを手にする為にはタイプ3であるクシャナや湯婆婆を乗り越えなくてはいけません
タイプ3的長所とは
成功に向かって人一倍努力をする
積極性のある自己主張ができる
良い意味での周りの事を気にした感情的な行動ができる
「タイプ3的長所を手に入れる事」
それが憧れへと進む為の準備となります
宮崎監督基本パターン4作品
「風の谷のナウシカ」「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」はこの構成に従った創りとなっています
各作品の中での宮崎監督の立ち位置
作品公開の順番は①「風の谷のナウシカ」②「紅の豚」③「もののけ姫」④「千と千尋の神隠し」
各作品では宮崎監督の分身はどの様な位置にいるのでしょうか?
それは監督と同じタイプ9のキャラクターを捜すと見つかります
①【風の谷のナウシカ】
監督の分身は「ユパ」(主人公ナウシカの師匠)
「風の谷のナウシカ」ではユパ(宮崎監督)は師匠としてナウシカに生きる方法や考え方を教えます
しかし、本編では傍観者として主人公ナウシカを見守る立ち位置となっています
この作品では「主人公の物語を通じての成長」を見守るだけで、自分は積極的に関わろうとはしていません
ユパ:「私はただ、腐海の謎を解きたいと願っているだけだよ。我々人間はこのまま腐海に呑み込まれて滅びるよう定められた種族なのか。それを見極めたいのだ」
②【紅の豚】
監督の分身は「ポルコ」(主人公)
次の作品「紅の豚」では宮崎監督は主人公(ポルコ)となります
ナウシカの時は傍観者だった宮崎監督はこの作品で主人公へとランクアップします
主人公になった宮崎監督
しかし、ここでは監督は自身の成長に挑もうとはしません
作品中でポルコは世の中での関わり合いを避け、自由できままな生き方をしています
「今の時点での自分自身を見つめ直す」それがこの作品の役目
監督自身の「物語を通じての成長」は次の作品を待たなくてはいけません
かつての戦友:フェラーリン少佐「なあポルコ。空軍に戻れよ。今なら俺たちの力で何とかする」
ポルコ「ファシストになるより豚の方がマシだ」
③【もののけ姫】
監督の分身は「アシタカ」(主人公)
この作品の制作に入る直前「風の谷のナウシカ」マンガ版全7巻が完結します
(「もののけ姫」公開は1997年)(「風の谷のナウシカ」マンガ版完結は1995年)
アニメ版ナウシカ制作の時に中途半端だった自分の気持ちをマンガ版で描き切る事ができた宮崎監督
その事でようやく監督自身が主人公となり「物語を通じての成長」を描く作品を創る事ができるようになりました
宮崎監督が憧れを手に入れる為に本気で挑んだ作品、それがもののけ姫なのです
アシタカ「曇りなき眼で見定め、決める。」
自分の分身であるアシタカの言葉でそう宣言した宮崎監督でしたが、その結果はどうなったのでしょうか?
物語の最後でアシタカはサンにこう言います
アシタカ:「それでもいい。サンは森でわたしはタタラ場でくらそう。共に生きよう。会いにくいよ。ヤックルに乗って」
こうして最終的にアシタカ(宮崎監督)はサン(憧れ)と別々の生活を選ぶ事になります
苦しみもがいた宮崎監督でしたが、憧れに到達する事はできなかったのです
そして作られたのが次の作品
④【千と千尋の神隠し】
監督の分身は「ハク」
(「コハク川」の主、主人公千尋と共に湯婆婆と闘う)
「千と千尋の神隠し」では監督はハクとなり、主人公と共に歩む存在として描かれます
ハク「私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる。平気さ、ほんとの名を取り戻したから。元の世界に私も戻るよ」
主人公、千尋と共に自身の成長の為に湯婆婆と闘うハク(宮崎監督)
物語の最後でハク(宮崎監督)は千尋(憧れ)に対して同じ世界へ帰る約束をします
しかしその後、千尋とハクが現実の世界で巡り会えたかははっきりと描かれていません
残念ながらおそらくまだ会えないのだと思います
現実世界でハクが千歳に逢う(監督が憧れを手に入れる)為にはまだ何かが足りないのです
これらの作品を観ていると宮崎監督の苦しさがひしひしと伝わってきます
この愚直で直向きな挑戦、苦しみが作品を観ている我々に感動をもたらしてくれる大きな魅力となっているのでしょう
今回はここまで
次回は「基本パターン以外の作品」を観ていきます
それぞれの作品の中で宮崎監督の立ち位置を観る事で監督の心の動き、成長を分析していきます
そして「宮崎監督が憧れを手に入れる為の足りない何か」を考察していきます
宮崎監督や我々が「憧れ」を手に入れ「幸せ」を掴む為に必要なもの
それはいったい何なのでしょうか?
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しいものになりますように!
【次回記事】