こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
「千と千尋の神隠し」の解説の第3回、今回で最終回になります
前回、小さなお話の解説を行いました
今回は本編の大きなお話の解説を行います
今回「千と千尋の神隠し」のお話を解説するにあたって「導きと協力」と言うキーワードに注目してみました
どちらも「助ける」と言う意味が含まれていますが、大きな違いもあります
それは主人公の成長にとってとても大切なもの
何が違うのでしょうか?
お話を通じて見ていきます
【第1回目の解説はこちらになります】
※物語は人によって千差万別な捉え方ができると思っています、このブログはあくまで私の目から見た意見ですのでご了承下さい
※「」と
OO:「OOO」
は引用部分 引用はアニメ「千と千尋の神隠し」から
※ネタバレありです、ご注意を
「千と千尋の神隠し」のお話
まずは本編の大きな流れを13フェイズで確認します
本編(大きなお話)の13フェイズ構造
物語前半、第7フェイズまでは千尋はハクや湯場の仲間たちの助けを得ながら成長をしていきます
そして第8フェイズ以降の後半では千尋はその助け無しで成長するお話へ変化します
前半のお話
大きなお話の中盤、第7フェイズまでの前半のお話では千尋はハクを筆頭に様々な人達に助けてもらいながら成長していきます
千尋を助けるのはハク、釜爺、リン、カオナシ、そして湯婆婆までも!
千尋の心の支えとなり、この世界での生き方を教えてくれるハク
辿々しい千尋の働きを導いてくれる釜爺とリン
そしてクライマックスのオクサレサマの浄化シーンでは湯婆婆が千尋の助けに入ります
これが実に頼もしい!
湯婆婆:「このロープをおつかい」
千尋:「ハイ!」
そして中盤のクライマックスでオクサレサマを浄化、お話は大きな転換点を迎えます
後半のお話
中盤以降のお話は一転「千尋がハクを助ける」お話となります
13フェイズのお話では物語の後半、主人公は周りの助けが無くなり、一人で成長していかなくてはなりません
しかし、物語をよく見てみると実は千尋は物語後半でも色々とみんなの助けを得ています
釜爺から電車の回数券をもらい
リンの漕ぐ桶船で電車まで連れて行ってもらい
カオナシ・坊ネズミ・ハエドリの3人は銭婆の元へと向かう千尋に着いて行きます
では、このお話は13フェイズ構造ではないのでしょうか?
いえ、それは違います
第5フェイズの「助け」は単なる助け・協力ではなく、言い換えるとすると「導き」と言う意味だからです
導きと協力
「導き」と「協力」の違いとは一言で言うと「主人公の行動の進行方向を誰が握っているのか」
分かりやすく図で表してみました
【導き】:物語前半
「助ける人」が「主人公」に対して「すべき行動」が何なのかを教えてくれる状況
【協力】:物語後半
「主人公自身」が「すべき行動」を決めて、それに対して「助ける人」が協力する状況
13フェイズの物語では主人公は前半は助けてくれる人に導かれる事で成長します
しかし後半は自分自身の判断で、今するべき行動を見つける形へ変化します
千と千尋の神隠しでは前半千尋がすべき行動はハク・釜爺・リン・湯婆婆が教えてくれます
千尋はその方向に向かってひたすら行動することで成長していきます
そして、千尋が決めた行動に対して周りのみんなが協力をしています
その為、「千と千尋の神隠し」は13フェイズに則った物語だと言えます
物語のラスト
物語のラストでは千尋はハクを助け、湯屋のみんなに祝福されて現実世界へと帰る事ができます
そして千尋とハクは現実世界でまた会おうと約束を交わします
一見、大団円のお話に見えますが、何か引っかかるものを感じるエンディング
果たして千尋とハクは現実世界で再会することはできたのでしょうか?
その分析は過去記事で述べていますのでそちらを御覧ください
【過去記事はこちらから】
宮崎監督の作品は奥が深く、物語を分析していくと、更にその奥が見えてくるのに驚かされます
何度見返しても新たな発見が楽しめる素晴らしい作品ですよね
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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