こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
いつもブログを読んでくださりありがとうございます
宮崎監督作品はただ面白いだけではなく、鑑賞後しみじみと心に残る何かがあります
そんな言葉に出来ない宮崎監督作品の魅力にエニアグラムの「憧れ」と「成長」と言うキーワードを使って近づいていく
このブログでみなさまが「宮崎作品をより深く楽しめる」事のお手伝いができると嬉しいと思います
宮崎監督作品の魅力を分析する(第4回目)
前回までは「宮崎監督作品の基本パターン」について説明をいたしました
今回は「それ以外の構成の作品」に焦点を当てて解説していきます
一回目がまだの方はこちらからお読み下さい
基本パターン以外の宮崎監督作品
今回は下に書いた初期の3作品について分析を進めます
3作品に登場するキャラクターをエニアグラム図で表してみました
【キャラクターの関係】
エニアグアムでの各キャラクターの性格は次の通りです
タイプ7(楽天家)
こだわり=「楽しさ・夢・冒険」
夢と冒険を追い求めるタイプ
人生を楽しみ尽くそうとし、変化を追い求めるが、その一方で内面に暗闇を抱え以上に用心深く慎重な所がある
子供向きアニメの主人公に多く見られる
「頭」で考え行動するタイプ
コナン・ルパン三世・パズー
タイプ1(完全主義)
こだわり=「完璧主義・理想・正義」
几帳面、理想を求め正義を重んじるタイプ
一方で思いやりと柔軟性に欠け、自分の正義が他人の人間性を否定する事になる場合も多い
子供向きのアニメの敵役に多く見られる
「本能」に従って行動するタイプ
タイプ6(堅実家)
こだわり=「ルール・堅実・責任感」
安心できる指導者の元では絶対服従して尽くすタイプ
しかし自分が認めない指導者に対しては牙を向いてその座から引きずり落とし、正しい指導者に入れ替えようとします
アニメ等では小国を守る健気で勇ましい「お姫様」に多く見られる
「頭」で考え行動するタイプ
ラナ・クラリス・シータ
タイプ5(観察者)
こだわり=「知識・分析・倹約」
観察力があり論理的、学者タイプ
人間に関心が薄く、一歩離れた場所で他人を観察するのが好き
いつも静かに本を読んでいるキャラクターはほぼタイプ5
「頭」で考え行動するタイプ
前回紹介した基本パターンと見比べてみましょう
両者のパターンを見比べるとキャラクターのタイプの配置が大きく異なっている事が分かります
基本パターンでの主人公は「タイプ6又はタイプ9」でした
しかし、今回紹介するパターンの主人公は「タイプ7」となっています
タイプ7(楽天家)の憧れはタイプ1(完璧主義者)
憧れのタイプが敵になると、それは宿敵となります
今回紹介する作品の主人公「コナン」「ルパン三世」「パズー」は共にタイプ7
そして主人公(タイプ7)の宿敵(憧れ)「ムスカ」「カリオストロ公爵」「レプカ」は共にタイプ1となります
何故タイプ7が主人公になったのか?
「それは、これらの作品が子供たちに向けて作られたものだから」でしょう
宮崎監督は自分が子どもの頃に本当に見たかったアニメ映画を作りたいと言っています
我々は「字を教えるとか、分数を教える以前に、人間が生きていくうえで、子供たちに必ず伝えなきゃいけないものを、伝え忘れてきた」
【「出発点」(宮崎駿著)24~25頁)】
「子供たちに伝えなくてはいけないものを伝える」
その為に作られたのがこれらの作品
そして、子供たちに向けての作品には「楽しさ・夢・冒険」をこだわりに持つタイプ7の主人公が最適なのです
主人公の相棒
ここで面白いのは「ルパン三世」以外の主人公の相棒が共にタイプ6だと言う所
主人公「コナン」と相棒「ラナ」(タイプ6)
主人公「パズー」と相棒「シータ」(タイプ6)
これは宮崎監督の「憧れ」が影響していると思います
エニアグラム理論ではタイプ7(コナン・パズー)の主人公の相棒はタイプ5(観察者)が一番しっくりとくるはず
宮崎監督はそれを理解した上で、敢えてその関係を崩しています
「ルパン三世」は原作の人間関係がしっかりとしていて崩せませんが、「未来少年コナン」と「ラピュタ」は宮崎監督のオリジナル
(正確には未来少年コナンには原作がありますが、お話自体が宮崎監督によって大きく膨らまされていて、宮崎監督のオリジナルと言ってもよい作品だと思います)
宮崎監督の「憧れ(タイプ6)と一緒に冒険をしたい」と言う思いが主人公の相棒が自分(タイプ9)の憧れであるタイプ6の女の子になった理由なのだと分析します
「タイプ7の相棒がタイプ5」の作品例を下に挙げました
【タイプ7が主人公の人間関係】
赤文字(タイプ7)が主人公
青文字(タイプ5)が相棒(幼馴染・子分・気の合う友達)
黒字(タイプ1)はライバル・憧れ・尊敬する人・宿敵の位置になります
力関係:タイプ⑤(観察者)<タイプ⑦(楽天主義者)<タイプ①(完全主義者)
⑤日高 小春➡⑦【ハルオ】➡①大野晶(ハイスコアガール)
⑤リコ➡⑦【レグ】➡①ボンドルド(メイドインアビス)
⑤七尾 こずえ➡⑦【五代 裕作】➡①音無 響子(めぞん一刻)
⑤オビ・ワン➡⑦【アナキン・スカイウォーカー】➡①皇帝(スターウォーズ)
⑤ロッテ➡⑦【アッコ】➡①ダイアナ(リトルウィッチアカデミア)
⑤シールケ➡⑦【ガッツ】➡①グリフィス(ベルセルク)
⑤アルミン➡⑦【エレン】➡①ミカサ(進撃の巨人)
⑤ノーマン➡⑦【エマ】➡①レイ(約束のネバーランド)
⑤アーマロイド・レディ➡⑦【コブラ】➡①クリスタルボーイ(スペースコブラ)
⑤丹下 段平➡⑦【ジョー】➡①力石(あしたのジョー)
⑤クラピカ➡⑦【ゴン】➡①キルア(ハンター×ハンター)
(ルパン三世)
⑤水野亜美➡⑦【月野うさぎ】➡①タキシード仮面(美少女戦士セーラームーン)
⑤野上 葵➡⑦【明石 薫】➡①三宮 紫穂(絶対可憐チルドレン)
【詳しくはこちらで】
宮崎監督の位置
ではこの3作品中での宮崎監督の位置はどうなっているのでしょうか?
前回と同じく各作品に登場するタイプ9のキャラクターを捜してみます
「未来少年コナン」
のこされ島の老人:おじい
「天空の城ラピュタ」
タイガーモス号の機関士:じっちゃん
大公家公邸の庭師の老人
いずれも本編では名前も出てこない老人達
宮崎監督は完全に傍観者の位置で主人公の活躍を見守っています
ナウシカのユパと同じ位置ですね
この時点では宮崎監督の苦しみは作品の中に見え隠れはするものの、大きく現れてはいません
監督自身が傍観者から抜け出し主人公として活躍するのは「紅の豚」からになります
今回はここまで
次回は「ハウルの動く城」を分析していきます
この作品は宮崎監督自身が主人公として悩み苦しんだ「紅の豚」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の3作品の直後に作られた作品
3作品を通じて苦しんだ末に憧れを手にする事ができなかった宮崎監督
監督は「ハウルの動く城」で何を見つける事ができたのでしょうか?
次回をお楽しみに!
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しいものになりますように!