HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
こんにちは
アニメ大好き
みんなと一緒に幸せを見つけていきたい
がんべあです。
人は誰しも力に憧れます。力があれば何でもできる。しかしそれは本当なのでしょうか?
「物語の世界観」を分析していくこのシリーズ。
今回は8w7(一匹狼)と8w9(クマさん)が主人公の世界観について、その共通点と相違点を考察していきます。
具体的なアニメのキャラクターを例に挙げながらタイプ8の主人公たちが求める「力」の有効性と限界性を解説します。物語を創る時のちょっとしたヒントにしていただければ幸いです。
【今回検証するキャラクター】
ラインハルト・フォン・ローエングラム(8w7)
アイザック・ネテロ(8w7)
ラオウ(8w9)
メルエム(8w9)
8w7が主人公の「世界観」
まずは内向的、一人で居たい8w7の世界観から見ていきましょう。
8w7のお話は前回詳しく解説をしましたので、ここでは簡単に振り返りのみをいたします。
8w7が主人公のお話は共通して以下の世界観に従ってストーリーが進みます。
8w7:「自身(の勘)を信じて」生きてきた主人公が壁にあたり「実力(既存社会で認められる分野の技能・地位)」を手に入れる事で前に進もうとする。
ラインハルト・フォン・ローエングラム(8w7)
アイザック・ネテロ(8w7)
「銀河英雄伝説」
ラインハルト・フォン・ローエングラム(タイプ8w7)
銀河英雄伝説 第94話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
アイザック・ネテロ(タイプ8w7)
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
8w7は基本的に「自分の運命は自分で決めると言う強い意思と実行力(タイプ8)」を持つ性格、それに加えてタイプ7特有の「楽しさ・夢・冒険」の傾向が強く、w9よりやんちゃで力強さと共に少年のような一面を見せます。
「自分の運命を自分で決める」為に「実力(周りに認められる技能・地位)」を手に入れる。
これが8w7の基本的な世界観・ストーリーとなります。
【前回記事はこちら】
8w9が主人公の「世界観」
次は外向的でみんなと居たい8w9の世界観。今回は8w9の代表として「北斗の拳」のラオウと「HUNTER×HUNTER」のメルエムを例にとって解説を行います。
8w9のキャラクターは8w7と比べて「やり手」と言う感じが少なく、自分なりのペースで独立したいと望みます。人を安心させ落ち着かせる能力が、彼らのリーダーシップを高めます。
(リソの本からの要約)
8w9(クマさん)が主人公のお話は共通して以下の世界観に従ってストーリーが進みます。
①己だけの世界(城)を作る為に「力で圧倒してきた」主人公が壁に当たる。
②その問題を解決するために「美意識を高める」事によって前に進もうとする。
「北斗の拳」
ラオウ(タイプ8w9)
ラオウ(少年時代):「オイラは誰よりも強くなって いつかこの国に帰ってくる そしてみんなを守ってやる」
しかし徐々に単純な力のみでは問題は解決できない事を知り、行き詰まります。
壁に当たったラオウは純粋な力ではなく「美意識」を磨く事で前に進もうとします。 ラオウは「単純な力」で解決できない問題に対処する為に「美意識(かっこよさ)」を磨き始めます。
ラオウがやたらカッコいいのはその努力の結果。
映画北斗の拳「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」の中であるエピソードが描かれています。
単純な力では配下の軍団の士気を高める事ができない事に気が付いたラオウは、心を鬼にして忠臣にして軍師、幼馴染のソウガの犠牲により軍団の士気を高めようと画策します。
我々、視聴者も涙を誘うラオウの決断に心が動かされてしまいます。
そう、人の心を動かすのは「力」ではなく「美意識(かっこよさ・可愛らしさなど)」。単純な「暴力」だけでは解決できない問題を「美意識(かっこよさ・可愛らしさ)」によって乗り越える。それがタイプ8w9のストーリーとなります。
もう一人、8w9のキャラクターを見てみましょう。
メルエム(タイプ8w9)
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
メルエムもまた最初は純粋な力のみで王になろうとしています。しかし純粋な力だけでは解決できない問題がある事に気が付きます。
メルエム:「余はこの世を統べるため生を受け 当初 おぬしらに家畜以上の感情を持ち得なかったが今は違う わずかながら生かすに足る人間がいることを知った あの娘がそうだ」
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
壁に当たったメルエムは「美意識を高める」事によって前に進む道を見出します。
メルエム:「この先 見せてみよ」
コムギ:「四六二…忍」
メルエム:「こ これは…」
HUNTER×HUNTER 135話より ©P98-21 ©V・N・M
メルエムはコムギとの対局を通じて「美しさ」の価値に惹かれていきます。
物語では「純粋な力」のみを信じて生きてきたメルエムがその方法に行き詰り「美意識の価値を重要視する」様子が描かれています。
コムギ:「わたすはきっとこの日の為に生まれてきますた」
メルエム:「この瞬間の為に生まれてきたのだ…」
HUNTER×HUNTER 135話より ©P98-21 ©V・N・M
8w9:己だけの世界(城)を作る為に「力で圧倒してきた」主人公が壁に当たり、その問題を解決するために「美意識を高める」事によって前に進もうとする。
8w7と8w9の世界の共通点と相違点
【共通点】
8w7と8w9の「物語の世界観」は共に「自分中心に生きてきた」主人公が壁に当たり、「他人の評価」を得る事で問題を解決しようとするお話となっています。
【相違点】
「自分だけの居場所」を得る為に生きてきた主人公が「周りの事を気にしだす」のは同じ。違いは「内向的」か「外交的」かの違い。
8w7(一匹狼)は「外向的」。
ウィングである
タイプ7のこだわりは「楽しさ・夢・冒険」
タイプ7特有の「楽しさ・夢・冒険」の傾向が強い8w7のキャラクターは、w9よりやんちゃで力強さと共に少年のような一面を見せます
8w9(クマさん)は「内向的」。
ウィングであるタイプ9のこだわりは「平和・安らぎ・マイペース」
タイプ9特有の「マイペース」によりw7と異なり他人と共闘する「やり手」の印象はなく、自分なりのペースで独立した行動を望みます
8w7:「自身(の勘)を信じて」生きてきた主人公が壁にあたり「実力(既存社会で認められる分野の技能・地位)」を手に入れる事で前に進もうとする。
8w9:己だけの世界(城)を作る為に「力で圧倒してきた」主人公が壁に当たり、その問題を解決するために「美意識(かっこよさ・可愛らしさ)を高める」事によって前に進もうとする。
自分中心だった主人公が周りに事を気にしだす。それはあくまで物語のスタートライン。タイプ8は最終的に「他人を認め信じる事」によって根源的恐れ(自分自身を守りたい)を満たす事ができます。
最終的な成長までには長い長い物語が必要なのです。
今回はここまで。
この記事が「イイナ」と感じたら下の【B!ブックマーク】ボタンを押して応援していただけると励みになります。
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【根源的恐れと欲求についてはこちらの記事で詳しく述べています】
【物語の黄金パターンはこちら】
【用語出典まとめ】
【参考資料(兼オススメ本)】
「究極のエニアグラム性格学―人の性格って、おもしろい!」
これからエニアグラムを学びたい方にオススメ
エニアグラムについての知識が体系化されている分かりやすい本
必要な情報は漏れなく書かれており、読みやすいのに読み応えがある良い書籍だと思います
中古価格 |
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」
より詳しくエニアグラムの事を知りたい方にオススメ
いきなりこの本を読むと、その情報量に圧倒されて心が折れそうなるかもしれません
覚悟のある方は是非!すごい本です
新品価格 |