HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
こんにちは
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がんべあです。
「物語の世界観」をエニアグラムで分析していくこのシリーズ。
今回は3w4(専門家:プロフェッショナル)と8w7(一匹狼)が主人公の世界観について考察します。3w4と8w7は表と裏の性格の関係、その世界観も正反対となります。
3w4:「既存社会で認められる分野の専門家」になり地道な鍛錬を積んできた主人公が壁に当たり、その問題を解決するために「自身(の勘)を信じて」前に進もうとする。
8w7:「自身(の勘)を信じて」生きてきた主人公が壁にあたり「実力(既存社会で認められる分野の技能・地位)」を手に入れる事で前に進もうとする。
3w4は「(周りに認められる)技能」から「自身の勘を信じる本能の力」、8w7は「自身の勘を信じる本能の力」から「(周りに通用する)技能」へと視点を変化させる事によって問題解決を図ろうとする相反するストーリーとなっています。具体的に見ていきましょう。
【今回検証するキャラクター】
ディオ・ブランドー(3w4)
シャア・アズナブル(3w4)
ラインハルト・フォン・ローエングラム(8w7)
アイザック・ネテロ(8w7)
3w4(専門家:プロフェッショナル)が主人公の「世界観」
まずは前回のおさらいから。
3w4(専門家:プロフェッショナル)が主人公のお話は共通して以下の世界観に従ってストーリーが進みます。
①「既存社会で認められる分野の専門家」になり地道な鍛錬を積んできた主人公が壁に当たる。
②そこで主人公は他人からの価値観を基準にするのは止め、「自身(の勘)を信じて」前に進もうとする事で問題解決を図ろうとする。
ディオ・ブランドー(タイプ3w4)
ジョジョの奇妙な冒険 第1話より ©荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会
「機動戦士ガンダム」
シャア・アズナブル(タイプ3w4)
3w4のディオとシャアは共に「周りから評価される技能を磨く(専門家になる)」ことで前に進んでいましたが、その方法に行き詰ります。
壁に当たった2人は他人を気にせず「自分の本能(勘)のみを信じて」行動していく姿に変化する事で問題を解決しようとする姿が物語で描かれています。
ディオ:「俺は人間を止めるぞ ジョジョー! 俺は人間を超越する!!」
ジョジョの奇妙な冒険 第3話より ©荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会
シャア:「ガルマ 私の手向けだ 姉上と仲良く暮らすがいい」
3w4:「既存社会で認められる分野の専門家」になり地道な鍛錬を積んできた主人公が壁に当たり、その問題を解決するために「自身(の勘)を信じて」前に進もうとする。
詳しくは前回記事で確認してください。
【前回記事】
では次に8w7のキャラクターを見てみましょう。8w7は3w4と真逆の世界観となっています。
8w7(一匹狼)が主人公の「世界観」
ラインハルト(銀河英雄伝説)
アイザック・ネテロ(HUNTER×HUNTER)
「銀河英雄伝説」
ラインハルト・フォン・ローエングラム(タイプ8w7)
銀河英雄伝説 第94話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
ラインハルト(8w7)は基本的に「自分の運命は自分で決めると言う強い意思と実行力(タイプ8)」を持つ性格、それに加えてタイプ7特有の「楽しさ・夢・冒険」の傾向が強い8w7のキャラクターは、w9よりやんちゃで力強さと共に少年のような一面を見せます。
ラインハルトは「自分の運命は自分で決めると言う強い意思と実行力」をもっています。
しかし実力不足から姉さんを守る事ができず苦悩します。壁にあたったラインハルトは裏の性格(3w4)となり「周りから認められる技能(実力・地位)」を身に着ける事で問題を解決しようとします。
ラインハルト:「力だ…力が欲しい」
キルヒアイス:「ラインハルト?」
ラインハルト:「姉さんを取り戻すには あんなくだらない奴らの言うことを黙って聞かなくてもすむだけの力がいるんだ!」
銀河英雄伝説 第4話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
「自分の運命を自分で決める」為に「実力(周りに認められる技能・地位)」を手に入れる。
これが「ラインハルト」の基本的な世界観・ストーリーとなります。
ラインハルト:「キルヒアイス 俺は宇宙を手に入れることができると思うか?」
銀河英雄伝説 第16話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
もう一人8w7のキャラクターを見てみましょう。
アイザック・ネテロ(タイプ8w7)
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
アイザック・ネテロもまた「自分の運命は自分で決めると言う強い意思と実行力」をもつキャラクター。
その生き様はネテロとキメラアントの王メルエムとの闘いで深く語られています。
メルエム:「其の方が己を高めんが為 捧げ続けた長き時 その成果 しかと受け取った 一個が修練の末 届き得る限界 それを卓越した稀有な事例といえよう」
HUNTER×HUNTER 126話より ©P98-21 ©V・N・M
メルエムの言葉通りネテロは個人の限界を極めた存在。しかし人の世の中ではそれだけでは解決できない事が存在します。
壁に当たったネテロは「個人としての武闘家(8w7)」ではなく「ハンター協会の会長(3w4)」として生きていく道を選びます。
メルエム:「今 矛をおさめるなら 許してやらんでもない」
ネテロ:「それは ワシだけを…って話だろ? それは立場上 聞けねェ 相談だわな」
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
ネテロの立場とは「ハンター協会の会長」の事を示しています。
※「立場」とは「その人が置かれている地位・境遇・条件など」の事(Oxford Languagesより)
ネテロは世の中に認められる(一目置かれる)地位(ハンター協会の会長)を得る事で個人の力では解決できない様々な問題に対処しようとしていました。
裏の人格(3w4)として生きているネテロがメルエムとの戦いを通じて、自分自身の生き方(8w7「個人重視」と3w4「地位重視」のバランス)を振り返る。
これがキメラアント編「ネテロ会長」の基本的な世界観・ストーリーとなります。
ネテロ:「王よ お互い大変だな」
HUNTER×HUNTER 122話より ©P98-21 ©V・N・M
流石HUNTER×HUNTERのお話は普通のストーリーより深い構成となっていますが、その前提条件としての以下の世界観は共通しています。
8w7のお話(世界観)は 「自分の運命を自分で決める」為に「実力(周りに認められる技能・地位)」を手に入れようとするもの。
3w4と8w7の世界の共通点と相違点
共通点と相違点
3w4と8w7の共通点は「自分だけの居場所を得るために自慢できる技能を持つ」事。違いは技能の種類。
3w4は既存社会で認められる分野の「専門家」となり分野を極めるために地道な鍛錬を積む。
8w7は前人未到の荒野に踏み出す「一匹狼」になり、荒野に踏み出すために自分の勘を信じて進む。
2つのお話の相違点
3w4:「既存社会で認められる分野の専門家」になり地道な鍛錬を積んできた主人公が壁に当たり、その問題を解決するために「自身(の勘)を信じて」前に進もうとする。
8w7:「自身(の勘)を信じて」生きてきた主人公が壁にあたり「実力(既存社会で認められる分野の技能・地位)」を手に入れる事で前に進もうとする。
3w4と8w7はお互いに相反する世界観。しかしどちらか一方が正しいと言う訳ではありません。「自分の勘(本能)」と「他人の評価(実力・地位)」、両方の価値観のバランスが必要。ネテロ会長のお話はその「バランスを整える難しさ」を読者に投げかける大人のストーリーなのだと思います。
今回はここまで
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。