かげきしょうじょ!!第7話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
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今回は かげきしょうじょ!!に登場するメイン主人公の2人、「渡辺 さらさ」と「奈良田 愛」の関係について考察を行います。
渡辺 さらさは『ベルサイユのばら』のオスカル様を演じることを夢見て紅華歌劇音楽学校に入学した元気な女の子。
奈良田 愛は国民的アイドルグループ・JPX48の元メンバーでしたが、とある事件によって心を閉ざしています。
エニアグラムで見てみるとこの2人の関係はちょっと変則的なものとなっていて実に興味深いのです。
【渡辺さらさ・奈良田 愛】
かげきしょうじょ!!第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
さらさと愛はエニアグラム的に不思議な関係となっていますが、その関係の裏には計算されつくされた人物配置の構成が秘められています。詳しく見ていきましょう。
キーワードは「憧れ」。
7w8(さらさ)と6w5(愛)との不思議な関係
さらさの性格は7w8(現実主義者)
7w8は基本的に明るく人生を楽しみたい(タイプ7)タイプ、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好む(タイプ8)性格。
渡辺 さらさ(わたなべ さらさ)
かげきしょうじょ!!第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
愛の性格は6w5(守る人)
6w5は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。
奈良田 愛(ならた あい)
かげきしょうじょ!!第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
物語の中で「関係性の深い複数のキャラクター」が登場する場合、その関係はエニアグラムで2つのパターンとなっている事が多いです。
一つはエニアグラム直線で結ばれている関係。
【成長方向・憧れ方向の関係】
もう一つはエニアグラムの反対側となっている関係。
【裏表の関係】
しかしさらさ(7w8)と愛(6w5)の関係はそのどちらでもなく、ちょっと不思議な関係となっています。
上の図を見るとさらさと愛、二人は直線で結ばれた関係で無い事が見て取れます。
では一体2人はどういう関係なのでしょうか?
それは「互いの”裏人格”に対して”憧れ”を持つ関係」。
さらさは愛の裏人格に憧れを持ち、愛はさらさの裏人格に対して憧れを持つ変則的な関係となります。
文章では理解しにくいので図で表してみました。
表同士では直線で結ばれない2人はお互いの裏の人格に結ばれる関係となっています。
通常、関係性の深い二人のキャラクターがいる場合、どちらかが「一方的に相手に憧れる」関係になります。
しかしさらさと愛は「共に相手に憧れ合う」関係として描かれます。
さらさは「愛の裏の人格」に憧れ、愛は「さらさの裏の人格」に憧れを抱くのです。
本編で「二人の憧れ」が描かれているシーンを確認してみましょう。
さらさは愛を始めてみた時から彼女に憧れを抱きます。
さらさ:「でもさらさは やっぱりその人のことが嫌いにはなれません なぜならその人は さらさが持っていないものを沢山持っていて どうやったって憧れてしまうのです」
かげきしょうじょ!! 第5話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
さらさ:「よかった さらさの永遠の片思いじゃなかったんですね さらさはずっと 愛ちゃんと初めて会った時からずっとずっと お友達になりたいと思ってたんです」
かげきしょうじょ!! 第5話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
さらさは愛と初めて出会った時、裏人格(タイプ1:生真面目・完璧主義者)だった愛に一目ぼれをします。それは彼女にとって裏の性格の愛が憧れ方向であるから。
一方の愛は表人格のさらさを好きになれません。
しかしさらさの裏の面を見る事で、さらさは愛の憧れの存在と昇格します。
アニメの第5話ではマイペースでお気楽な表の姿(タイプ7)なさらさが突如変化し、愛の前でスター性を発揮する裏の姿(タイプ3)を垣間見せるシーンが描かれます。
愛:「どんな言葉を使えば この燃える想いをあなたに伝えられるだろう はあ ジュリエット 見よ 真っ暗な夜の帳の中 さんぜんと輝くあの星々を!!」
かげきしょうじょ!! 第5話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
楽天的で何も考えていない様に見えたさらさが見せる一瞬の裏の性格。
その変化に愛は大きく心を動かされます。
愛:「みんなは気付いていただろうか 思わず釣られて空を見た自分たちの姿を…」
愛:「…みんなには見えたのだろうか夜空に浮かんだ眩い星々を 私には見えた」
かげきしょうじょ!! 第5話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
この瞬間、愛はさらさに憧れを抱きます。それは彼女にとって裏の性格の愛さらさが憧れ方向であるから。
愛:「あの星 一番高く大きく輝く星 あれは渡辺さらさ あの人はあそこへ行くべき人だ 私もそこへ 同じ高さで あの世界を見たい」
かげきしょうじょ!! 第5話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
このシーン以外でもかげきしょうじょの物語では「表と裏の性格の変化」を利用したドラマテックな演出シーンが多く、その度にどきっとさせられます。キャラクターの性格の大きな変化(表と裏の変化)をタイミングよく瞬間的に描く事で、我々視聴者は衝撃を受けその場面に釘付けになるのでしょう。
7w8と6w5はお互いが相手に対して憧れを抱く不思議な関係。その憧れの姿が相手の「裏」の性格と言うのも実に興味深いです。
おまけ:7w8(現実主義者)と6w5(守る人)の関係
アニメの中で7w8と6w5の関係は時々見受けられます。いくつか例を挙げてみました。
アッコとダイアナ【リトルウィッチアカデミア】
リトルウィッチアカデミア第2話より © 2017 TRIGGER/吉成曜/「リトルウィッチアカデミア」製作委員会
ロマニとマシュ【FGO】
Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア- 第0話より ©TYPE-MOON / FGO7 ANIME PROJECT
ワカバとりり【ケムリクサ】
ケムリクサ第11話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
どの作品も「表と裏の性格の変化」がストーリー中、見事に演出されています。ダイアナは最初完璧主義者(タイプ1)として描かれていましたが、物語の中盤のクライマックスで表の性格(タイプ6)のお嬢様気質が描かれドキッとさせられました。
またワカバを尊敬していたりり(タイプ6)が裏の姿の りん(タイプ1)となって逆にわかばに尊敬される立場になる物語構成にはホント驚かされました。
FGOもロマニの裏(タイプ7→タイプ3)(裏の方が表なのでしょうが、ややこしい…)への変化はやばい位びっくりしました。まさか最後であんな展開になるとは!
7w8と6w5のコンビは実にトリッキーで私の大好きな組み合わせ。是非みなさんも色々なアニメの中でこのペアを捜してみてください。
今回はここまで。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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