ひたぎエンド其ノ参より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
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がんべあです
今回は前回に引き続き「物語シリーズ」に登場する千石 撫子(タイプ4:芸術家)を例にとってタイプ4キャラクターの「成長のレベル」について解説をします
【前回の記事がまだの方はこちらからどうぞ】
前回は「なでこスネイク」のお話について解説を行いました
今回は「なでこメデューサ」「ひたぎエンド」に登場するその後の撫子について「成長のレベル」の変化を分析いたします
【千石 撫子】
ひたぎエンド其ノ参より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子の「成長のレベル」
撫子の性格はタイプ4(芸術家)
タイプ4のキャラクターは「美意識が高く個性を大事にするが、純粋で繊細で、傷つきやすい」性格
こだわり=「個性・ロマン・創造性」
「成長のレベル」の段階
「なでこメデューサ」での撫子の「成長のレベル」は最初、通常の段階、レベル5を重心として、レベル4~6の間を揺れ動いています
タイプ4の「通常の段階(レベル5)」の特徴はわざと人に気のないふりをしながら、自分を救ってくれる人が表れる事を願って(信じて)います
成長のレベルが上がる(レベル4)と自分を救ってくれる人のことを夢見始めます
しかし成長のレベルが下がる(レベル6)と他人の安定性をうらやみ、自分をルールから免除し、官能的刺激を求め、非生産的になっていきます
具体的にその様子を見ていきましょう
月日:「私が受けている感想を率直に言わせてもらえるなら…そうだね 絶対に叶わない恋愛を安心してやってるって感じなのかな」
なでこメデューサ 其ノ參より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子は暦お兄ちゃんに気のないふりをしながら、付かず離れず、本当に自分の事を思っているのかどうか試そうとしている状態でした
しかしその関係に亀裂が入ります
「なでこメデューサ」のお話の発端は「暦に戦場ヶ原 ひたぎと言う彼女ができた事を知り、撫子がショックを受ける事」から始まります
撫子:「…でも そんな中に一人だけ 見るからに恋人って言う お似合いの人が…」
なでこメデューサ 其ノ參より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
前回のお話「なでこスネイク」で暦に救われた事で「健全な段階」へとなりかけた撫子
しかし、今回のお話「なでこメデューサ」では暦と言う「自分を救ってくれる人」を失った撫子が「不健全な段階」へと落ちていく姿が描かれています
1つ目のキーワード「現実」
撫子は「現実」から目を逸す事で、暦に彼女ができたショックから逃れようとします
撫子は暦の代わりに「自分を救ってくれる人」を「北白蛇神社に祀られている蛇神クチナワ」に求めます
なでこメデューサ 其ノ壹より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
自らの安心を求め、蛇神の復活を画策しようとする撫子、それが「なでこメデューサ」のお話の基本骨子
扇:「その神様が復活すれば 封印が解かれれば きっと撫子ちゃんの願い事くらい 簡単に叶えてくれるだろうなぁ いや…本当に」
なでこメデューサ 其ノ肆より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
このお話は撫子の「現実逃避」の姿を描いています
タイプ4は「夢」をあきらめ、「現実」から逃避する事で「不健全な段階」へとシフトチェンジしていきます
撫子:「妄想…つまり撫子がパートナーだと思っていたクチナワさんは 本当に幻覚で 本当に幻聴だったって事だったんだね…」
なでこメデューサ 其ノ肆より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「クチナワ」は撫子の作り出した「幻想」、撫子は現実から離れ、妄想の世界へと逃げ込んでいきます
現実の中に夢を見い出す事ができず、妄想の世界へと逃避している撫子は「通常の段階」から「不健康な段階」へとシフトチェンジする直前の状態
そんな撫子に警告信号が現れます
タイプ4の警告信号
人が「通常の段階」から「不健全な段階」にシフトチェンジしそうになった時、性格のタイプ毎に異なる形の「警告信号」が現れます
タイプ4(芸術家)の警告信号は「自分の人生をだめにし、せっかくの機会を無駄にしていること」
撫子は自分が間違った道を進んでいる事、そして自分の人生をだめにしている事をひしひしと感じ始めます
忍:「こやつはもう手遅れじゃ」
撫子:「手遅れな事くらい 私が一番 分かってるよぉ!」
なでこメデューサ 其ノ肆より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「自分が自分の人生をだめにし、せっかくの機会を無駄にしている」と言う恐れ
これはタイプ4の警告信号
撫子:「だからもう撫子の人生と学校生活は終焉を迎えたとして だからもう ついでにいっそ 全部終わらそうか クチナワさん」
なでこメデューサ 其ノ參より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
そして撫子はついに暦から決定的な一言を聞かされてしまうのです
撫子:「大好きな…大好きな暦お兄ちゃんと 両想いになりたいとか そんなお願いでも叶うのかな?」
暦:「そいつは叶わないな 千石」
なでこメデューサ 其ノ參より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
暦に自分の想いをきっぱりと断られた撫子は一気に「不健全な段階」へと落ちていきます
不健全な段階
「不健全な段階」へと落ちた撫子はわずかに残された良いものもろとも、全てを壊してしまおうとします
撫子:「なんで 忍さんの事は助けるの? 撫子の事は助けてくれなかったのに… 暦お兄ちゃん…暦お兄ちゃん…暦お兄ちゃん!」
なでこメデューサ 其ノ肆より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子:「絶対に叶わない恋をし続けるって意味なら 暦お兄ちゃんに死んでてもらう方が ずっとロマンチックじゃない?」
クチナワ:「もう そのレベルで狂ってるんだな お前は…」
なでこメデューサ 其ノ肆より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
タイプ4 レベル8の特徴
①「空想の自己」になろうとして必死のあまり、それに見合わない自分に関することすべてを憎む
②人生に残されたよいものが何であれ、あえて壊してしまうかもしれない
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
「通常の段階」で踏みとどまっていた撫子が現実から逃避する事で、「不健全な段階」へとシフトチャンジする
ここまでのお話が「なでこメデューサ」となります
「不健全な段階」まで落ちてしまった撫子
彼女が救われる為の手段は無いのでしょうか?
2つ目のキーワード「夢」
撫子の登場する次の話が「ひたぎエンド」
このお話のキーワードは「現実」と「夢」
「不健全な段階」へと落ちた撫子が救われる姿が描かれています
撫子を導き、救うのは貝木 泥舟
【貝木 泥舟】(タイプ1:現実主義者)
ひたぎエンド其ノ参より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
タイプ4(芸術家)の成長方向はタイプ1(現実主義者)
貝木の性格はタイプ1、タイプ4の撫子を導くのに最適の性格をしています
貝木が撫子の「成長のレベル」を引き上げる時に使うのが先に述べたキーワード「現実」と「夢」
タイプ4のキャラクターは自分の「夢」を「現実」とし、周りの人と共有する事で「健全な段階」へとシフトチェンジします
タイプ4 「健全な段階」レベル3の特徴
①創造的行為を通じて個性を表現することにより、自己イメージを強化する
②彼らは表現豊かかつ細やかで、気持ちや印象を掘り下げ、人と分かち合う方法を見つける
③彼らの創造性はきわめて個人的だが、普遍的意味合いをもつことが多い
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
貝木:「千石 お前 神様になんかなりたかった訳じゃないって言ったよな」
千石:「言ったけどぉ」
貝木:「なりたくてなった訳じゃないって…」
千石:「言ったよ それがどうかした?」
貝木:「じゃあ お前 漫画家になりたいのか?」
撫子:「………!!」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子:「絶対に開けちゃだめって言ったのにぃ 暦お兄ちゃんにだって見られたくなかったのにぃ!!」
貝木:「上手いじゃねえか 絵…」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子の「本当の夢」、それは「漫画家になりたい」こと
撫子は現実に打ちのめされ、漫画家になると言う「本当の夢」を諦めようとしている自分自身に苦悩していました
そして、その苦悩から目を逸らすために「暦から愛されたい」と言う「嘘の夢」にすがっていたのです
貝木は地道な聞き込みにより、クローゼットの中に隠された撫子の本当の「夢」を見つけます
貝木:「それはつまり お前にとってそれが本当の夢だからだろう…」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
撫子:「あんなのゴミだよぉ! 捨てたいけど 捨てるのも恥ずかしいから あそこに隠していただけに決まってるじゃない!」
貝木:「はぁ…自分で作ったものを そんな風に言うものじゃないぞ 千石 創作は恥ずかしいものだし、それに夢も恥ずかしいものだ それはしかたがない…当たり前の事だ
だが少なくともそんな風に 自分で卑下していいものじゃないんだぞ それに上手かったじゃないかぁ 才能って言うものがあるんじゃないか お前」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
タイプ4の「通常の段階」の問題点は「夢をあきらめる事」「救われないだろうと絶望する事」「他人をうらやむ事」
撫子は身体を張った貝木の説得に心を動かされます
撫子:「確かに成りたくてなった訳じゃないけれど せっかく神様になれた幸運を蹴っちゃうのは 勿体ないって普通に思うよ
…でも 漫画を描いて神様って呼ばれた人も居たよね 勿体ないって思うんなら そうなればいいんだよね」
貝木:「ああ…お前ならきっとなれるさ 騙されたと思ってチャレンジしてみな…」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
貝木に導かれ助けられた撫子は「不健全な段階」から一気に「通常の段階」の問題を乗り越えるレベルにまで到達する事ができます
タイプ4 「健全な段階」レベル6の特徴(問題点)
①人生で要求されることによって、夢をあきらめざるを得ないだろうと恐れる
②そして、自分は決して救われないだろうと絶望する
③人生の好機を逃していると感じ、他人の安定性をうらやむ
④したがって、自分をルールから免除し、官能的刺激を求め、もったいぶって非生産的になる
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
撫子は
「現実の壁によって夢をあきらめようとする」
「自分は救われない」
「他人をうらやむ」
「自分を特別だと思い非生産的になる」
と言う「通常の段階」の問題点を一気に乗り越える事ができるのです
そして「現実」の中で自分の「夢」を叶えると言う「健全な段階」へと進む決心ができるのです
撫子:「分かった…騙されてあげる」
ひたぎエンド其ノ陸より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
まとめ
「不健全な段階」に落ちた撫子を救ったのは本当の「夢」を思い出し「現実」へ反映させる為に動き出す決心でした
タイプ4の成長には「夢」と「現実」、この2つのキーワードが欠かせないのです
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
今回はここまで
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
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