そだちロスト其の貳より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
こんにちは
アニメ大好き
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
このブログはエニアグラムを使って色々なアニメキャラクター達の「性格」を分析する事で、創作活動や作品を観る時の手助けにしようと言う内容です
エニアグラムを全く知らないと言うは、まずこちらの記事をお読みください(1分位で読めます)
今回は「物語シリーズ」のヒロインの一人老倉 育(タイプ1:完璧主義者)を例にとってタイプ1キャラクターの「成長のレベル」について解説をしていきます
西尾維新先生のキャラクターは分析すればする程、その完成度に惚れ惚れしてしまいます
人間観察とそれを表現する能力がずば抜けているからこそ、あれだけ多くの魅力ある作品を書くことができるのですね
※ネタバレあります ご注意を
老倉の「成長のレベル」は物語を通じて
「通常の段階」と「不健全な段階」間を揺れ動いています
その様子を見ながら、タイプ1キャラクターの「成長のレベル」について解説していきます
【老倉 育】
そだちロスト其の貳より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
老倉の「成長のレベル」
老倉の性格はタイプ1(完璧主義者)
タイプ1のキャラクターは「人一倍正義感が強いが、生真面目で不器用な性格」
こだわり=「完璧主義・理想・正義」
【老倉の性格について:過去記事】
タイプ1のキャラは常に「正しい状態を維持ししたい」と強く願っています
タイプ1の「通常の段階」は「完璧にできていない事で他人から非難される事を心配し、几帳面できちんとしているが、いつもイライラしている」状態
タイプ1のキャラクターは自分の理想に関心を寄せるあまりに自分をとりまく環境への関心を疎かにしています
「周りの環境の魅力」に気づき、自分の理想と周りの魅力を有機的に結びつける事ができると「健全な段階」へとシフトチェンジします
逆に「周りの環境の魅力」を見つける事ができず、自分の理想のみにこだわればこだわる程、「不健全な段階」へとシフトチェンジしてしまいます
この表に従って老倉の心の状態を見ていきましょう
「成長のレベル」の段階
中学生時代の老倉の「成長のレベル」の重心は通常の段階(レベル4)だと思われます
タイプ1の通常の段階(レベル4)の特徴は以下の通り
①他者が自分の理念に無関心でないかと恐れはじめる
②そのため、自分の見方の正当性を他人に説得しようとする
③真面目で一生懸命となり、人と討論したり、問題を改善しようとする
④身の回りの世界に評価を下し、間違っていることを指摘する
※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から
具体的にその様子を見ていきましょう
「そだちリドル 其ノ貳」では老倉が自分の「理念の正当性」を他人(阿良々木)に「説得」しようと「真面目に努力」する姿が描かれています
阿良々木:「面白いな もっとないのか こういう問題」
老倉:「あるよぉ いっぱい! いくらでも教えてあげる 阿良々木くんが数学の事をもっと好きになってくれるのなら 数学を好きで居続けてくれるのなら」
そだちリドル 其ノ貳より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
アニメでは中学生の時の老倉が自分の好きな数学を阿良々木に教える姿が描かれています
これにはもっと内面的・本質的な老倉のメッセージが込められているのですが、そのどちら(内面的・外面的)も老倉の「理念の正当性」を他人に「説得」しようとする姿を表していると思われます
「他人の操作」と「鉛の法則」
「そだちリドル 其ノ壹」では、高校生となった老倉が「通常の段階」から徐々に「不健全な段階」へとシフトチャンジしていく様子が描かれます
「通常の段階」の時に現れる「他者の操作」と「鉛の法則」に注目してみましょう
タイプ1の「他者の操作」は「 人の誤りを指摘し、自分と同じ基準を共有すべきだと主張することによって」事
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
物語「おうぎフォーミュラ」の中では高校生となった老倉がクラスで起きたテストの不正の犯人を見つけようと学級会を開く姿が描かれます
老倉:「本日の議題は犯人当てです」
おうぎフォーミュラより ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
高校生となった老倉は「通常の段階(レベル6)」までシフトダウンしています
この時期での老倉には「鉛の法則」が現れています
阿良々木:「…でも試験が終わった後
勉強会に参加した生徒と不参加生徒との間には平均して20点程点数に開きがあった
これは何らかの不正行為があったと見るべきだ
ってのが老倉の主張だった」
おうぎフォーミュラより ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
【鉛の法則とは】
1:通常の段階のレベル6と不健全な段階のレベル7の境界では「鉛の法則」と呼ぶ、ある特徴が現れます
2:「鉛の法則」とは「自分がもっともしてほしくないと恐れることを、人にもせよ」と言うもの
タイプ1の「鉛の法則」
「 自分が何らかの形で、よこしまで、堕落し、欠陥があることを恐れるため、タイプ1は他者の、よこしまで、堕落し、欠陥があるところを指摘する」
※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から
「他者の操作」と「鉛の法則」が顕著に現れている老倉
これは「不健全な段階」へと変わる前触れとなります
「不健全な段階」
老倉は自ら開いた学級会で多数決によって犯人に仕立てられてしまいます
自分の信じる正義を見失った老倉は不登校となり「通常の段階」から「不健全な段階」へとシフトチェンジしてきます
老倉:「学校から帰ってきたらお母さんが居なくなっていた」
そだちロスト其の貳より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
「不健全な段階」へと落ちた老倉は母親の存在(自らの脅迫的行為の原因)を取り除こうとします
老倉:「私がこんなんなのは親の責任だ…」
そだちロスト其の貳より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
老倉は母親の事を自分の意識から締め出し「母の死」の現実ですら意識の外に追いやってしまっています
これはタイプ1「不健全な段階」の最底辺、レベル9の状況を表しています
最後に
阿良々木に救われ「母親の死」と言う現実を受け入れた老倉は最後のシーンで穏やかな表情を見せてくれます
阿良々木:「この時の彼女は驚く程、穏やかだった 多分二人で会えば 二人で話せば 老倉はこんな感じなのだ…」
そだちロスト其の參より ©西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト
おそらくこの瞬間の老倉は「健全な段階」レベル2の状態にまで一気にシフトチェンジしていると思われます
ただ、この状態は瞬間的に上振れしたもの
安定した「健全な状態」を維持していく為にはまだまだ老倉には沢山の試練が待っていると思われます
今回はタイプ1のキャラクターの「成長のレベル」について老倉を例にとって解説しました
まだ私自身が勉強中で、上手く説明できたかどうか自信がありません、分析ミスもあるかと思いますが、一所懸命噛み砕いて解説を行ったつもりです
「成長のレベル」は各タイプによって異なる形で行動に現れます
他のタイプについても、今後のブログで少しずつ紹介していく事で、 みなさんと一緒に私自身の学びを進めたいと思います
今回はここまで
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【「成長のレベル」について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】
【参考資料(兼オススメ本)】
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」
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