銀河英雄伝説 第1話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
こんにちは
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がんべあです
このブログはエニアグラムを使って色々なアニメキャラクター達の「性格」を分析する事で、創作活動や作品を観る時の手助けにしようと言う内容です
エニアグラムを全く知らないと言うは、まずこちらの記事をお読みください(1分位で読めます)
今回は「銀河英雄伝説」に登場する、ラインハルト・フォン・ローエングラム(タイプ8:統率者)を例にとってタイプ8キャラクターの「成長のレベル」について解説をします
※成長のレベルとは「心の健全度」を表しています
ラインハルトの「成長のレベル」は物語を通じて
「通常の段階」→「健全な段階」→「通常の段階」→「不健全な段階」へと上下に目まぐるしくシフトチェンジしていきます
その様子を見ながら、タイプ8キャラクターの「成長のレベル」について解説していきます
銀河英雄伝説 第1話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
ラインハルト「成長のレベル」
ラインハルトの性格はタイプ8(統率者)
タイプ8のキャラクターは「なによりも挑戦を受けることを楽しみ、他人の支配下に置かれることを良しとしない性格」
こだわり=「力、戦い・義理人情」
この表に従ってラインハルトの心の状態を見ていきましょう
「成長のレベル」の段階
物語で描かれる幼少期のラインハルトの「成長のレベル」の重心は健全の段階の中心(レベル5)だと思われます
親友のキルヒアイスと出会った時点での子供の頃のラインハルトの精神状態はレベル5を重心として、レベル4~5の間を揺れ動いています
タイプ8の「通常の段階:レベル5」の特徴は
①人が自分を尊敬しなかったり、当然もらうべきものをもらえないのではと心配する
②したがって、自分の重要性を人にわからせようとする
③彼らは自慢し、空威張りし、自分の計画に協力させるために、気前のよい約束をする
④強情で誇らしげで、自分が仕切っていることを人に知らしめたい
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
具体的にその様子を見ていきましょう
幼少期のラインハルトと、幼馴染であり一番の親友キルヒアイスが交わす二人の会話にこの様子(タイプ8・レベル5)が描かれています
ラインハルト:「力だ…力が欲しい」
キルヒアイス:「ラインハルト?」
ラインハルト:「姉さんを取り戻すには あんなくだらない奴らの言うことを黙って聞かなくてもすむだけの力がいるんだ!」
ラインハルト:「キルヒアイス 僕は幼年学校へ行って軍人になる それがその力を手に入れる一番早い方法だ
キルヒアイス 一緒に来い! 二人で姉さんを取り戻すんだ」
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ラインハルトは銀河皇帝に姉さん(姉さんの愛情は自分が当然もらうべき権利)を奪われ、それに対して何もできない自分の力の無さを思い知ります
タイプ8レベル5の特徴①「人が自分を尊敬しなかったり、当然もらうべきものをもらえないのではと心配する」
ラインハルトは、その心配を打ち払う為に軍人になる事を決意します
そして「姉さんを助ける」と言う気前のよい約束をする事でキルヒアイスに自分の行動に協力する事を望みます
特徴②「尊敬を得るために自慢し、空威張りし、自分の計画に協力させるために、気前のよい約束をする」
その後のラインハルトは地道に実力を付けていく事で自分の影響力を他人に示していきます
特徴③「自分が仕切っていることを人に知らしめたい」
幼い時のラインハルトの心の状態が通常の段階レベル5にある事がよく現れているセリフだと思います
タイプ8の「健全な段階」
ラインハルトは少年から大人へと育ちます
物語では力を付けて成長する事で通常の段階から健全な段階へとシフトチェンジしてくラインハルトの姿が描かれていきます
タイプ8の「健全な段階(レベル3)」の特徴
①挑戦を受けることによって、自己イメージを強化する
②彼らは行動し、達成すること、人を守り養うこと、また人の力を引き出すことを通じて、自分の力を証明する
③戦略的で決断力があり、建設的プロジェクトを実現することを楽しむ
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
タイプ8の「健全な段階」は「挑戦を受けることによって建設的プロジェクトを実現することを楽しむ」状態
オーベルシュタイン:「首都を脱出したブラウンシュバイツ公達は おそらくいずれかの要塞を本拠地として決戦を挑んでくると思われます」
ラインハルト:「うむ、どこだと思う」
オーベルシュタイン:「おそらくはガイエスブルグ」
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ラインハルトは門閥貴族からの挑戦を受けることで、発奮し「実力があるものが実権を持つ」新しい体制作り、新たな銀河帝国の樹立と言うプロジェクトを実現することを楽しみます
そしてその実現の為に有能な部下達を集め、その力を引き出していきます
ナレーション:「アスターテ星域での勝利により、帝国元帥となったラインハルトは新たに元帥府を開き その陣営の強化に着手した
まず新たに平民や下級貴族から艦隊司令官を登用した
アウグスト・ザムエル・ワーレン中将
コルネリアス・ルッツ中将
カール・グスタフ・ケンプ中将
フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト中将
エルネスト・メックリンガー中将
ウォルフガング・ミッターマイヤー中将
いずれも若く有能な指揮官達である
そしてジークフリード・キルヒアイスを一気に少将に昇進させ、提督の列に加えた」
銀河英雄伝説 第5話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
この時期のラインハルトの状態は「健全な段階(レベル3)」にキレイに当てはまります
タイプ8の「健全な段階(レベル3)」の特徴
①挑戦を受けることによって、自己イメージを強化する
②彼らは行動し、達成すること、人を守り養うこと、また人の力を引き出すことを通じて、自分の力を証明する
③戦略的で決断力があり、建設的プロジェクトを実現することを楽しむ
しかし順調に成長していたラインハルトの心に陰りが見え始めます
その兆候が「目覚めの注意信号」として物語で描かれています
目覚めの注意信号
人には「健全な段階」からその下の「通常の段階」へとシフトダウンしそうな時に、ある兆候が現れます
その兆候をリソは「目覚めの注意信号」と読んでいます
タイプ8の「目覚めの注意信号」は「ことを起こすために押し進み、闘わなければならないと感じる」事
ラインハルトは前に進む手段として、周り(門閥貴族や自由惑星同盟、フェザーンなど)との「平和と共存」ではなく「闘い」と言う手段に必要にこだわります
この状態はタイプ8の「目覚めの注意信号」であり、「健全な段階」から「通常の段階」に落ちる前の警告となります
キルヒアイス:「惑星ヴェスターラントで200万の住民が虐殺された件です」
ラインハルト:「それが…どうした」
キルヒアイス:「ラインハルト様が その計画を知りながら政略的な理由で黙認した…と申すものがおります 事実でしょうか?」
ラインハルト:「………事実だ………」
銀河英雄伝説 第25話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
ラインハルトは勝ち得た「強大な力」を「回りの人々や世界を愛し守る為に使う」(タイプ8→タイプ2への成長)のではなく、「自己の影響力をより高める為に小賢しい知恵」(タイプ8→タイプ5への退行)を弄す事で回りとの闘いに費やそうとしていきます
ラインハルト:「…だが、ヴェスターラントには200万もの民衆が居るのだ…中には女子供もおろう それを…」
オーベルシュタイン:「閣下 ご冷静にお考えください いかに200万の人命とはいえ この内戦が長引けばそれより遥かに多くの死者が出るでしょう それをお考え下さい」
銀河英雄伝説 第25話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
闘いの中でラインハルトはキルヒアイスを失います
それはラインハルトの心が「成長方向の慈愛(タイプ2)」ではなく、「闇落ち方向の知恵(タイプ5)」を選んだ象徴なのだと思います
不健全な段階
キルヒアイスを失ったラインハルトは物語の終盤では「不健全な段階」レベル8の段階までシフトダウンします
ラインハルトは銀河を統一した事に満足(安心)できず、「根元的な恐れ」に飲み込まれレベル8の段階まで心が閉ざされていく事になります
「根元的恐れ」とは各タイプが「無意識に受けた子供時代のメッセージ」から生まれた恐れの事で、タイプによって異なる形を示します
タイプ8の根元的恐れは
『他者に傷つけられ、コントロールされること』
詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみて下さい
ラインハルトは遂に直属の部下も信じられなくなるまで追いつめられていきます
ラインハルト:「翻意(※)するのは余ではない ロイエンタールであろう」
銀河英雄伝説 第94話より © 田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっ ふ・サントリー All Rights Reserved.
※翻意(ほんい):「一旦決心したことを変えること、決意を翻すこと、などの意味の表現」
この状態はタイプ8の不健全な段階(レベル7~8)
物語の最初では「通常の段階」であったラインハルトは「健全な段階」に昇り、そして「不健全な段階」へと落ちていきます
壮大な物語を通じてラインハルトの心の変化が見事に描かれている事がエニアグラムの「成長のレベル」による分析よって分かります
最後に
今回はタイプ8のキャラクターの「成長のレベル」についてラインハルトを例にとって解説しました
成長の方向はとても大切、この方向を間違えると頑張れば頑張るほど闇落ちへと進んでしまいます
タイプ8の成長方向はタイプ2(慈愛)
キルヒアイス(タイプ2)はラインハルトの正しい成長方向
自らの覇業の為、キルヒアイスの換言を受け入れなくなった時点で、ラインハルトの闇落ちは避けられなかったのでしょう
幸いな事が一つあるとすれば、ラインハルトは成長のレベルの最下層レベル9までは落ちなかったという事
物語の最後ではあんなにエネルギーに満ちあふれていたラインハルトは病弱で寝込む様になります
もし、この段階(レベル8)でのラインハルトがまだエネルギーに満ちあふれていたら、今まで築き上げた全てを破壊しつくす事にそのエネルギーは費やされていた事でしょう
おそらくラインハルトの無意識がキルヒアイスへの想いを汲み取り、最悪の状態を避けるため、ワザと自らのエネルギーを吸い取っていたのだと思います
今回でタイプ1から9まで全ての性格の「成長のレベル」について簡単ですが紹介をする事ができました
みなさまが「エニアグラムの成長のレベル」についてイメージを深めていただけると嬉しく思います
「成長のレベル」を使ってキャラクター分析をするのは今回のシリーズが初体験でしたが、予想以上に便利な理論で、とても楽しかったです
今後も色々なキャラクター分析に「成長のレベル」は活用していきたいです
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
「成長のレベル」について、より詳しく知りたい方はこちらの記事で確認してみてください
【「成長のレベル」についての基本】
【「成長のレベル」の記事まとめ】
【参考資料(兼オススメ本)】
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」
より詳しくエニアグラムの事を知りたい方にオススメ
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