がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

「表の性格」と「裏の性格」 贄姫と獣の王「レオンハート」と「アヌビス」について考察する エニアグラム9w1⇔5w4

贄姫と獣の王 第6話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

  こんにちは

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 がんべあです。

 

 今回は「贄姫と獣の王」に登場する魔族の王「レオンハート」と王の宰相「アヌビス」の関係ついてのエニアグラム考察。2人は表と裏の主人公の関係となっています。

 

エニアグラムを知らない方はこちらから

gunber.hatenablog.com

 

 

【贄姫と獣の王のお話】

 99番目の生贄として魔族の王に捧げられた少女・サリフィ。しかし彼女は自分の運命を受け入れ、王を恐れず歩み寄ることを決めていた。新月の夜、サリフィは生贄の儀式へと向かうが、そこにいたのは魔族ではなく、人間の姿をした王であった。 サリフィを妃にすると決めた魔族の王は、彼女からレオンハートという名を与えられ、人間と魔族の共生を目指し共に歩み始める。

ウィキペディアより

www.youtube.com

【レオンハート】(タイプ9w1:主人公)

贄姫と獣の王 第1話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

【アヌビス】(タイプ5w4:裏の主人公)

贄姫と獣の王 第1話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 裏の主人公とは

 

 裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公となります。

 アヌビス(裏の主人公)はレオンハート(主人公)に忠実な部下。しかし強い忠義を持つゆえに王否定する関係。

 レオンハートは生贄であるサリフィを妃にしようとしますが、アヌビスはそれに反対します。

 

アヌビス:「私とて貴様が我が王の妃など 断じて認めはせぬ(中略)人間を傍に置いていると言うだけで 王には大きな足かせなのだ

贄姫と獣の王 第2話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

アヌビス:「何をなさいます 王 御誓文にはいかなる場合にも第三者の助力を一切求めず とあります それはたとえ王 あなた様であってもです」

レオンハート:「少し休ませるだけだ 助力ではない」

アヌビス:「なりませぬ その様な 無理筋を通されるのであれば この試練 放棄したものとみなす他…」

贄姫と獣の王 第5話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 アヌビスはレオンハート王が人間の娘と婚姻を結ぶ事に断固として反対し、王の意志を曲げる為に妃候補サリフィに対して次々と試練を与えます。

 

贄姫と獣の王 第8話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

「主人公の行動理由(テーゼ)」と「裏の主人公の行動理由(アンチテーゼ)」は正反対、相反する考えがぶつかり合いながら物語が進む、それが物語に裏の主人公が登場する理由

 

アヌビス:「触るな こんな事で恩を売ったつもりか 浅ましい 自分が生き残る為なら どんな相手にでも媚びを売る 卑しい人間の女め その手管で王に取り入ったのだろうが 私は騙されぬ」

贄姫と獣の王 第9話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

【裏の主人公を詳しく知りたい方はこちらの記事で】

gunber.hatenablog.com

 

主人公と裏の主人公の関係

 

 主人公のレオンハートの性格はタイプ9w1。

 タイプ9w1(夢見る人)はマイペースなのんびり屋さん(タイプ9)、それに加えて真面目で融通が利かない(タイプ1)性格。

 

 一方の裏の主人公、アヌビスの性格はタイプ5w4。

 タイプ5w4(因習を打破する人)は独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)、それに加えて「個性・ロマン・創造性」を求め人とは違う道を進もうとする(タイプ4)性格。

 

 二人は正反対の性格で得意・苦手も逆転しています。

 レオンハート(9w1:夢見る人)は9w1は良い夢を信じ、平和を維持しようと心がける事は得意ですが、都合の悪い現実から目を逸らしがちです。

 

レオンハート:「味方だって 敵だって 傷付けられたらみんな痛い どんな種族もみんな争わなくていい国が作れたらいいのに

贄姫と獣の王 第9話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 主人公のレオンハートに対する裏の主人公はアヌビス

 

 アヌビス(5w4:偶像破壊者)は現実を見つめ、悪い「偶像」を「破壊」した先に真実があると信じ、破壊するために理想を根拠にして論破します。

 

レオンハート:「踏んでしまっては可哀そうだ

アヌビス:「はっ? お言葉ですがヒャクメアリには死を恐れる感情何てありません(中略)それに動物も植物も適度に間引かれているから正常な生態系を維持していけるのです 可哀そう等と言う甘えた情こそが いつかそれらを滅ぼす事になるのですよ」

贄姫と獣の王 第9話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

アヌビス:「屁理屈とは心外でございますな 昨夜の舞踏会にてサリフィ様はご自身のお言葉で王妃にはなれないとおっしゃいました つまり 試練を途中放棄されたのです よって その時点でサリフィ様は王妃候補の資格を喪失したものとみなします

贄姫と獣の王 第1話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

しかし攻撃性が高すぎて自身の安息まで壊す恐れがあります。

 

アヌビス:「いいえ 私はアヌビス これより王子の影として全てを捧げる者です

アヌビス:(強く 厳しく 絶対的な王にこのお方を導く為 私はどんな手段も厭わぬ たとえ二度とあの暖かさには触れられなくなろうとも

贄姫と獣の王 第9話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 レオンハートが苦手な「現実世界の問題に真正面から向き合う覚悟を決める」事はアヌビスの得意分野。しかし向き合う覚悟を決めるのは得意ですが、その問題に上手く対処するのは苦手としています。

 

 レオンハートとアヌビスはどちらも現実とは異なる世界を見て正しさを追い求める性格。違いは正しさの求め方

 

 レオンハート(タイプ9w1)は良い「夢」を「見る」事で真実を悟れると信じています。

 アヌビス(タイプ5w4)は悪い「偶像」を「破壊」した先に真実があると信じています。

 

 レオンハート(表の主人公)とアヌビス(裏の主人公)は力を合わせる事でお互いの問題を解決する道へと進む事ができるのです。

 

アヌビス:「私が仕えるのは 真なる王 今は奇しくも人間の姿をしておられるが 私の王 このお方ただ一人だ

贄姫と獣の王 第23話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

主人公と裏の主人公のお話のガイドライン

 

レオンハート(主人公)のお話

【ストーリーライン(世界観)】
9w1:「リアルな現実世界」で壁に当たった主人公が、問題を解決する為に「現実とは異なる新たな世界(異世界)」へ旅立つ。

【9w1のお話についての詳しい解説はこちら】 

gunber.hatenablog.com

 

アヌビス(裏の主人公)のお話

【ストーリーライン(世界観)】
5w4:「理論の世界(異世界)」にいた主人公に「現実世界」が浸透してくる。

【5w4のお話についての詳しい解説はこちら】

gunber.hatenablog.com

 

「贄姫と獣の王」のストーリーはレオンハートにとっては「現実の問題に向き合っていく道」を見つけるお話、アヌビスにとっては「問題を平和的に解決しようとしていく道」を見つけるお話。

 

 アヌビスのやり方(問題に真面目に立ち向かいすぎて心を壊してしまう)は決して良いやり方ではありません。しかしそのやり方をただ否定するだけ(問題から目を逸らす)ではレオンハートの未来は行き詰ってしまいます。

 

 レオンハート(テーゼ)とアヌビス(アンチテーゼ)は互いにぶつかる必要があります。しかしそのぶつかり合いは相手を否定するものではなく、新たな道(ジンテーゼを見つける手段でなくてはいけません。

 

「贄姫と獣の王」のお話の基本構造

 

 9w1が主人公(レオンハート)の「お話の黄金パターン」は一言でいうと「タイプ6のヒロインを助け出す(守る)」事が目的。

 

 メインのお話は主人公レオンハートが「ヒロインであるサリフィ(タイプ6)の心を救う事」。

【サリフィ】(タイプ6w5:ヒロイン)

贄姫と獣の王 第1話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 主人公(レオンハート)がヒロイン(サリフィ)を救い出す為には、その前に裏の主人公(アヌビス)と相互理解する事が必要となります。

 そして相互理解の為に必要なキーキャラクターは主人公を導く者であるイリヤフェンリル・セトの3人

 

イリヤ】(タイプ3w2:主人公を導く者)

 タイプ3w2(魅了する人)は基本的に目立ちたがり屋(タイプ3)の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き(タイプ2)な面があります。
 3w4より人と親密でいたいという衝動を持っていますが、ときに、より充実した私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選びます。感情に動かされやすくのびのびしている。

贄姫と獣の王 第7話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

フェンリル】(タイプ3w2:主人公を導く者)

 タイプ3w2(魅了する人)は基本的に目立ちたがり屋(タイプ3)の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き(タイプ2)な面があります。
 3w4より人と親密でいたいという衝動を持っていますが、ときに、より充実した私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選びます。感情に動かされやすくのびのびしている。

贄姫と獣の王 第16話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

【セト】(タイプ3w4:主人公を導く者)

 タイプ3w4(プロフェッショナル)は見た目を気にする成功志向で、実際的(タイプ3)、それに加えて「個性・ロマン・創造性」を求め人とは違う道を進もうとする(タイプ4)性格。
 3w2より有能で落ち着いた様子を見せるが、非社交的。

贄姫と獣の王 第22話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 

「表の主人公」レオンハートは「主人公を導く者」イリヤフェンリル・セト達と正面から向き合い、戦う事で成長します。そして「裏の主人公」アヌビスとの相互理解を深め「ヒロイン」サリフィを救い出す事ができるのです。

 

サリフィ:「それに王様も心配するから」

アヌビス:「知った風な口を 小娘風情が 王の御心を代弁するなど千年早いわ 私と王のこれまでを何も知らぬ分際で」

サリフィ:「うん それは知らないけど でも王様が何 を大切にしているのかは 王様を見ていたら分るから きっと顔には出さないけど とても心配するよ 宰相さんの事 だから早く良くなって 次の試練考えておいてね」

贄姫と獣の王 第9話より ©友藤 結・白泉社/「贄姫と獣の王」製作委員会

 

 贄姫と獣の王は成長物語としてとっても面白いおススメアニメ。未見の方は是非♪

 

 今回はここまで。

 

 まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います

 疑問点などありましたら是非教えてください

 

 この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

 みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!

 

【用語出典まとめ】

gunber.hatenablog.com

 

【参考資料】

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 「スバルの性格分析ブログ」

「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。