がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

アニメ・マンガ物語の書き方 大団円! 第13フェイズ【満足】

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こんにちは

楽しくないと生きていけない

がんべあです

 

今回は第12フェイズ【排除】に続く第13フェイズ【満足】の紹介です

 

13フェイズの事を初めて聞くと言う方はまずはこちらをご覧ください

 

gunber.hatenablog.com

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大団円! 第13フェイズ【満足】

 

このフェイズのポイントは「物語を最後まで観てくれた視聴者・読者に満足してもらう」と言う事

 

第12フェイズ「排除」の結果、当初の目的を達成した主人公はその後どうなったのか?

それを表すのが第13フェイズ【満足】

では具体例を挙げてみましょう

 

この世界の片隅に

戦争は終わったが、日々の生活は続く

食料調達に出かけるすずさんと近所の刈谷さん

道中、すずさんは刈谷さんに自分の気持を話します

 

すず「晴美さんはよう笑うてじゃし 晴美さんのことは笑うて思い出してあげよ思います この先ずっと うちは笑顔の容れもんなんです」

 

※右手の歌、お母さんを失った孤児を引き取るシーン、その他色々ラストのどのシーンも大好きなのですが、何度か見返している内に「最後の刈谷さんとの会話」が気になり出しました

 

物語を通じてずっと心の声・独り言ばかりだったすずさん

しかしこの時は自分の想いを「はっきり」と言葉に出して刈谷さんに伝えています

すずさんの成長をしみじみと感じさせられるとてもいいシーン

それに気付いた時、思わず目頭が熱くなってしまいました

 

 


 

シン・ゴジラ

ゴジラ凍結に成功

安堵する作戦室の中

 

赤坂 (主人公のライバル的存在)「発射まで1時間を切っていた フランスを説得し続けた総理臨時代理のお陰だ」

 

モレリ駐日仏国大使に頭を下げる総理臨時代理の姿のカット

 

※第一幕で散々描かれた日本の政治の問題点「事なかれ主義」

そこから脱却し日本の為に身体を張って奮闘する日本政府

これこそ現代の日本人が一番見たかった「満足」なのではないでしょうか?

 

この映画が日本で大ヒットした大きな原因の一つなのではないかと思います

 


 

君の名は

新宿の高層ビル

面接を受ける瀧くん、これで何社目か・・・

就活の最中、奥村先輩と出会い、5年前に行った糸守町の話題になる

 

「あの頃のことは、俺ももう、あまりよく覚えていない」

 

当時の新聞

彗星の落下した糸守町の住民はその日偶然にも町を挙げての避難訓練中で奇跡的に全員無事との記事が

しかし瀧くんはなぜその記事がそんなに気になるのか分からない

 

「あの町に、知り合いがいたわけでもないのに」

「ずっとなにかを誰かを、探しているような気がする」

 

すれ違う電車の中でお互いの姿を見つける瀧くんと三葉ちゃん

電車を飛び降り、街中を必死に走る二人

走っていた瀧くんが、ふとなにかに気付きブレーキをかけるように急に止まり階段を仰ぎ見る

そこには三葉の姿が

一度は階段ですれ違う二人

しかし意を決した瀧くん

立ち止まり振り返りざまに叫ぶ

 

「・・・・あの、俺、君をどこかで!」

 

顔を上げる三葉、瞳には涙が

泣き笑いの表情で

 

三葉「わたしも!」

 

瀧も涙を流している

笑顔で息を吸い

二人同時に

 

瀧・三葉「・・・君の名前は?」

 

 

※最後の最後までハラハラさせられる演出

ここまでやって結局二人は再会できないのかと本気で心配してしまいました

だからこそ、二人が出会えた時の感動がひとしおなのですよね

大満足の演出に惚れ惚れしてしまいます

 


 

天空の城ラピュタ

崩れ落ちるラピュタ

その様子を見つめる海賊達ドーラ一家

 

ドーラ「滅びの言葉を使ったんだ あの子達はバカ共からラピュタを守ったんだよ」

 

ラピュタの中心に栄えていた巨木に飛行石が光る

天空へ登っていく木

木の根の間でシータが目を覚ますと眼の前にはパズーの姿

 

パズー「木の根がぼく達を守ってくれたんだ・・・」

 

木の枝に引っかかっていた凧に乗り二人は大空へ飛び立つ

ラピュタの残骸にはロボットが鳥に囲まれてのどかに歩いている姿

その様子を何とも言えない思いで見つめる二人

そしてドーラ一家との合流

くすねたお宝を見せびらかす海賊たち

 

ドーラ「さんざん苦労してこれっぽっちさ」

海賊達「ニヒヒヒ・・・」

 

一同大笑いでエンディングテーマが始まる

音楽が流れる中、ドーラと分かれるパズーとシータ

美しい夕空

手を降る海賊たち

はるか上空を漂うラピュタの残骸

 

※ちょっと切なくもありますが、大満足のエンディングです

冒険活劇はこうでなくては!

最近はこういうベタで分かりやすい冒険活劇の作品が無いのがとても寂しいです

大好きなのだけどなぁ・・・

 


 

千と千尋の神隠し

湯屋のみんなに盛大に見送られ、ハクと共に手を取り合って父と母の元へ向かう千尋

ハクは現実世界への境界線である川を渡れない

ハクとの別れ

 

千尋「ハクは? ハクはどうするの?」

ハク「私は湯婆婆と話をつけて弟子をやめる 平気さ本当の名を取り戻したから 元の世界に私も戻るよ」

千尋「またどこかで会える?」

ハク「ウン、きっと さあ振り向かないで」

 

湯屋のみんなに盛大に見送られる千尋とハク

これだけで十分満足な見応えのあるシーンなのですが、私はこの作品はそれだけでないと思うのです

ハクと千尋はこの後、再開する事はできたのでしょうか?

ネットでは「ハクと千尋が再開する大満足の幻のエンディング」についての話題が溢れています

直接本編ではそのシーンを描かずに、視聴者の頭の中に「大満足」のシーンが本当にあったかの様に錯覚させてしまう「余韻」を持ったエンディング

とてもレベルが高い演出で、今の私には「すごいなぁ」と感嘆の声が出るばかりです

 


 

スターウォーズ(第一作エピソード4)

デス・スターの破壊に成功した反乱軍

基地に帰りレイア姫ハン・ソロと抱き合って喜ぶルーク

しかしR2-D2は大破、心配するルーク達

その後、反乱軍基地内大広間で喜びにあふれるメンバー達の中、ルークはレイア姫から勲章を授かる

それを見守るC3-POとピッカピカのR2-D2(爆笑)

ここでエンディングクレジット、例のずるいスターウォーズのテーマが流れ満足度が膨れ上がります(繰り返しますが褒め言葉ですよ)

 

 

※今新ためて見返すと、スターウォーズは音楽が実にいい!

演出自体はベタベタなのですが、あの音楽が流れるとテンションが500%アップしてしまいます

キャラクター&世界観が素晴らしいのも感動ポイントが高い原因だと思います

 

 

13フェイズ 第13フェイズのまとめ

 

観客の満足

 

主人公は物語を経て、第1フェイズで示された「問題」を乗り越え解決します

 

すずさんは「絵を描く以外に自分の思いを周りに表現する事ができない」

矢口は「停滞している日本の政治の状態に対して何もできない」

瀧くん三葉ちゃんは「大切な誰かを探しているのに見つからない」

パズー千尋ルークは「一人前の人間として認められていない」

 

物語の最初、主人公はこれらの問題を抱えていました

 

物語を通じ主人公がこれらの問題を乗り越える事によって観客は求めていた「満足」を手に入れるのです

 

その姿を描く事

それがこのフェイズのポイント

 

悲劇の場合も同様

物語の最後には主人公や周りの登場人物にとっては全く満足できない結果が示され、見ている観客は涙します

しかし、これでもかと泣いてもらう事こそが観客の求める「満足」なのです(私は悲劇は苦手ですが)

 


これで13フェイズについての基本的な説明は終わりです

分かりにくい点、読みにくい点や、私の勘違いで金子先生や沼田先生の論じる理論との相違もあったかと思いますが、少しでも13フェイズ理論の良さが皆様に伝わる様、拙い文章で精一杯書きました

 

「お話作りに困っている全ての人」に一人でも多くこの理論が伝わりますように!

 

みなさんも周りにそういう方がいましたら是非13フェイズ理論について教えてあげて下さい、何かのヒントにする事ができるといいなと思います


13フェイズについて興味がある人は是非沼田やすひろ先生の著書「売れるストーリー&キャラクターの作り方」を買って読んでください

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この記事があなたの「創作活動」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

みなさんの創作活動が楽しいものになりますように!

 

今日の記事のご意見お待ちしています

分かりにくかった点、参考になった点などありましたら、ご意見ください

より多くの皆様に上手く伝わる様、今後このブログを改善していきたいので、ご協力くださると幸いです

そうして創作に便利な「13フェイズ」をもっと沢山のみなさんに広めていきたいと思っています

 

次回は「君の名は」のラスト13フェイズで思わぬ仕掛けを見つけてしまいましたので、そのお話をしたいと思います


お楽しみに