闇落ちキャラクターの作り方：「物語シリーズ」「ブラック羽川」をエニアグラム分析する - がんべあの「ぶれない」キャラクター＆ストーリーの作り方

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こんにちは

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がんべあです

「闇落ち」キャラクター

この響きは実に魅力的、何故こうも我々の心に響くのでしょうか？

それはその人物が追い求めてきた「憧れ」の形容だから

人は誰しも心の中に願いや思いを持ち、それに向かって生きています

夢・希望・志、それは「生きる意味・目的」と言ってもいいかもしれません

そんな「憧れ」を手にした「闇落ち」キャラクター

しかし願いがかなったはずの彼・彼女の姿は実に苦しそう

「こんなはずではなかったのに…私はどうしてこうなってしまったのだろう？」

その謎に迫る為に、今回は「物語シリーズ」に登場する「ブラック羽川」をエニアグラムを使って分析、「憧れ」とその「苦しみ」についての考察を行っていきます

（※結物語までの羽川翼に関するネタバレありです、ご注意を）

このブログでは「エニアグラム」と言う性格分析方法を使ってアニメやマンガに登場する魅力的なキャラクター達の分析を行っていきます

エニアグラムとは「自分本来の性格や思考、行動パターン」を知ることができるツール

個人の特性を「9つのタイプ」に分類

性格分析・考察にとっても便利な道具なのです

「〈物語〉シリーズ」（モノガタリシリーズ）は、『化物語』（バケモノガタリ）を始めとする西尾維新による小説シリーズ。

21世紀初頭の日本の田舎町を舞台とした、阿良々木暦（あららぎこよみ）と彼に出会った少女たちの、「怪異」に関わる不思議な物語。（Wikipediaより）

エニアグラムで見た羽川翼

羽川翼は学者タイプ

彼女は知識を得ることが好き、得意で論理的・合理的な考えをする一方、感情や本能のみで生きる人の気持を理解するのは苦手

人間に感心が薄く、周りに迎合せずに一人でいる事を好みます

羽川：「たとえばこんな風に益体もないことをつらつら考えている思考は、果たして私と言えるだろうか？言えるのかもしれない、言うだけなら。だけれどこれはただの思いであり、考えであり、ひょっとすると記憶かもしれないけれど、言うならば知識の積み重ねでしかない。経験こそが私と言うなら、ならば私とまったく同じ経験をした人間は、ひょっとすると私だと言ってしまってよいのだろうか。私以外に私がいても、それは私で。だったら私らしくもない私は、私ではなくなってしまうのかどう考え、どう思う？」

（猫物語より）

この様な性格のキャラクターをエニアグアムではタイプ5（学者タイプ）と呼びます

タイプ5キャラクターの特徴

【こだわり】「知識・分析・倹約」

肯定的な呼び方「学究な人タイプ」

否定的な呼び方「偏屈な人タイプ」

・観察力がある

・本好き、知識の吸収に貪欲だが、得た知識を活用する事には興味が薄い

・客観的に物事を把握する

・論理的、合理主義

・感情的な人は苦手

・人間に関心が薄い、一人でいる方が好き、周りに迎合しない

・ダメだと思うとあきらめが早い

・物事を複雑に見る

・現実逃避傾向が強い

・人間的な弱みを見せたがらない、その為に変人で偏屈に見える

このブログの冒頭で「闇落ち」キャラクターは「憧れを手にした姿」と述べました

彼女の「憧れ」とはどんな姿なのでしょうか？

エニアグラムで見ていきます

羽川翼の憧れ

エニアグラムタイプ5（学者タイプ）の憧れの姿、それはタイプ7（楽天家）となります

タイプ7とは以下の様な性格のキャラクター

タイプ7キャラクターの特徴

【こだわり】「楽しさ・夢・冒険」

肯定的な呼び方「快活な人タイプ」

否定的な呼び方「自分勝手な人タイプ」

・人生を楽しみつくそうとする

・落ち着きがない

・気さくでさっぱりとした性格

・ヤンチャで子供っぽい

・感情的な人を嫌う

・アイデアマン、思いつきが多い

・逃げ足が早い

・あき性

・用心深く慎重なところがある

・暗くて神経質、堅物な側面がある

・寂しがり屋で、かまわれたがり

・軽薄

そう、この姿こそブラック羽川そのもの

エニアグラムで分析するとブラック羽川は羽川翼の憧れの姿という事がわかります

下に表した図の事を「エニアグラム」と呼びます

エニアグラムではタイプ5キャラクターの憧れは青の直線で結ばれた方向に位置するタイプ7と表されています

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タイプ5のキャラクターは心の中でタイプ7的な「楽しさ・夢・冒険」を憧れとして持っています

しかし、憧れは遥か遠くにあるからこそ「憧れ」

そう簡単には手に入れる事はできません

ブラック羽川とは

ブラック羽川とは羽川翼が「安直」に憧れを手にした姿

簡単に手に入るはずのない「憧れ」を安直に手に入れようとすると、憧れのタイプの悪い面だけを身に着けてしまい苦しむことになります

タイプ7（楽天家）の悪い面は「自分勝手」「軽率」「あき性」「いきあたりばったり」な面

こうした憧れのタイプの悪い面だけを手に入れた姿、それがブラック羽川なのです

ブラック羽川：「にゃにゃめにゃにゃじゅうにゃにゃどのにゃらびでにゃくにゃくいにゃにゃくにゃにゃはんにゃにゃだいにゃんにゃくにゃらべてにゃがにゃがめ」

（つばさキャットより）

真の憧れを手に入れるには

憧れのタイプの良い面を身に付けるためには、安直に憧れに向かって突き進むのではなく、ある順を追って段階的に成長していく必要があります

その順とは憧れとは別の直線で結ばれたルート

下の図（エニアグラム）の赤で示された直線への方向が正しい成長のルート

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タイプ5からは2本の直線で結ばれたタイプがあります

一方が「憧れの方向」であるタイプ7

しかしこちらの道は闇落ち（後退）の方向となります

もう一方のルートが「成長方向」のタイプ8

正しく成長する為にはこちらのルートを進む必要があります

羽川翼が正しい成長をするとどうなるか？

赤の直線で示された成長方向の先にはタイプ8があります

タイプ8（統率者）の特性は「力・戦い・義理人情」

タイプ8方向に成長したタイプ5は実際の行動力を身に着け、周りの人々と協調しながら物事を進めることができるようになります

阿良々木くんによって、闇落ちから救われた羽川は、今度は正常な成長ルートを進み始めます

羽川翼が正しく「憧れであるタイプ7」にたどり着くには、下の図の①～⑤に従い遠回りのルートを進む必要があります

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タイプ8の「実行力」

タイプ2の「慈愛」

タイプ4の「個性」

タイプ1の「現実を受け入れる」

ルートに従いこうした各タイプの特性を順番に学ぶ事で最終的に憧れの特性「楽しさ」を身に付ける事ができるのです

遠く険しい憧れへの道

遠回りの様に見えますが、これが憧れへの最短ルート

阿良々木暦によって闇落ち状態から救われた羽川翼のその後の様子を見てみましょう

阿良々木：「二十歳を迎えたあたりで羽川翼の活動は、戦争被害者の救済や、戦災からの回復支援といったものから、戦争そのものの仲裁といったものに、性格を変えていく

仲裁というのか、仲立ちと言うのかー中立のバランス主義者だった根なし草、忍野メメから強い影響を受けての世界放浪の旅だったはずが、彼女はとんでもない着地点を迎えてしまった」