がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

「表の性格」と「裏の性格」 魔法少女にあこがれて「柊 うてな」と「花菱 はるか」について考察する エニアグラム4w5⇔9w8

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

こんにちは

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がんべあです。

 

 「エニアグラムの裏表」についての考察

 

 今回の考察は魔法少女にあこがれて」に登場する「柊 うてな」「花菱 はるか」。二人は「表の主人公」と「裏の主人公」の関係

 

魔法少女にあこがれて」は実に私好みのストーリー。

 一見お気楽な日常アニメですが、人物関係を見ていくと柊 うてなの成長物語(ビルドゥングスロマンの物語構成が見えてきます。

 こういうトリッキーなお話が大好きなのです。

 

 成長物語(ビルドゥングスロマン)には4人のキーキャラクターが登場します。それは「主人公」「裏の主人公」「主人公を導く者」「ヒロイン」の4人。

 そして彼ら・彼女ら4人の性格と関係をエニアグラムで分析をすると決まったパターンが見受けられます。詳しく見ていきましょう。

 

エニアグラムを知らない方はこちらから

gunber.hatenablog.com

魔法少女にあこがれて」のお話

 魔法少女(トレスマジア)に憧れを抱く柊うてなは、「平凡な少女の前に突如現れ変身する力を与えてくれるマスコット的なヤツ」から、ある日突然、悪の組織の女幹部の力を与えられた。半ば強制的に憧れの魔法少女たちと対峙することになったうてなは、戦いの中で傷つき、苦しむ彼女たちの姿に、心なしか気持ちの昂りを覚える。

なんとか理性を保とうとするも、魔法少女たちが悶える様子に興奮を抑えきれない彼女は、次第に欲望に駆られたサディストとしての本性をさらけ出していく。

ウィキペディアより)

www.youtube.com

【柊 うてな(ひいらぎ うてな)】(主人公)

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

【花菱 はるか(はなびし はるか)】(裏の主人公)

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 

 裏の主人公とは

 

 裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公。表と裏の主人公は相反する性格となっています。

 

 花菱 はるかは魔法少女マジアマゼンタとして悪の組織「エノルミータ」と日夜闘いを繰り広げています。

花菱 はるか(マジアマゼンタ):「そこまでだよ 悪の組織エノルミータ 反応を追ってみたら やっぱり姿を現したね 悪だくみは許さないぞ 魔法少女トレスマジア ここに参上!

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 柊 うてなは、悪の組織「エノルミータ」の女幹部マジアベーゼとなって魔法少女を苦しめます。

柊 うてな(マジアベーゼ):「夢ならいっそ 楽しんじゃおうかな

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 「魔法少女にあこがれて」は「柊 うてな」と「花菱 はるか」の闘いを中心にお話が進みます。

花菱 はるか:「何だったんだろうね あの人」(中略)

水神 小夜:「ともかく次は好き勝手させない」

はるか:「うん」

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 裏の主人公は主人公の成長にとって重要な位置を占めるキャラクター。

 

 柊 うてな想像の世界に生きる人。

 魔法少女への憧れの世界にいます。

 

うてな:「決してひるまず 決して諦めない その姿に私は魅了された これがあたしの原点 こうして私は魔法少女と言う存在に夢中になった」

魔法少女にあこがれて  第6話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 一方の花菱 はるかは現実主義者、現実の魔法少女として日夜闘いを繰り広げています。

 

はるか:「いくよ マゼンタスピア!

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 柊 うてな(苦しい現実から目を背け、空想の世界に生きている)と花菱 はるか(強かに現実と向き合う)とは正反対の性格。

 

「主人公の行動理由(テーゼ)」と「裏の主人公の行動理由(アンチテーゼ)」は正反対、相反する考えがぶつかり合いながら物語が進む、それが物語に裏の主人公が登場する理由となります。

 

【裏の主人公を詳しく知りたい方はこちらの記事で】

gunber.hatenablog.com

 

「柊 うてな」と「花菱 はるか」の関係

 

 主人公、柊 うてなの性格はタイプ4w5。

 4w5(ボヘミアン)は「個性・ロマン・創造性」を求め人とは違う道を進もうとします(タイプ4)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。

 

 一方の裏の主人公の花菱 はるかの性格はタイプ9w8。

 9w8(調停者)はマイペースなのんびり屋さん(タイプ9)、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好む(タイプ8)性格。

 

 二人は正反対の性格で得意・苦手も逆転しています。

 柊 うてな(4w5:ボヘミアン)は自分の「内面」と向き合う事は得意ですが、内面に潜り過ぎて「現実」を見失いがち。

うてな:「夢 はあああ 良かったぁ あたしってば 何であんな夢 しかも なんかちょっと楽しかったし」

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 花菱 はるか(9w8:調停者)はその逆で「現実」を見ることは得意ですが、自身の「内面」と深く向き合う事は苦手。

はるか:「スト―ップ 喧嘩しない カリカリしちゃダメだよ かおる子ちゃん さよちゃんも あんまりカリカリしてると 顔がキーってなっちゃうよ(中略)あたし達なら大丈夫 また明日から頑張ろ

魔法少女にあこがれて  第6話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 二人は「内面」と「現実」と言う相反する世界に生きています。

 

「柊 うてな」と「花菱 はるか」のお話のガイドライン

 

柊 うてな(主人公)のお話

【ストーリーライン(世界観)】
 

4w5:「空想世界」に引きこもっていた主人公が壁に当たり、その問題を解決するためにリアルな「現実世界」へ飛び出す(認識する・目を向ける)決心をする。

【4w5のお話についての詳しい解説はこちら】 

gunber.hatenablog.com

 

花菱 はるか(裏の主人公)のお話

【ストーリーライン(世界観)】

9w8:「リアルな現実世界」に「不可思議な空想(人の内面)世界」が侵入してくる。

【9w8のお話についての詳しい解説はこちら】

gunber.hatenablog.com

 

 

魔法少女にあこがれて」のストーリーは花菱 はるかにとっては「内面から現実」へ歩みだすお話、柊 うてなにとっては「現実から内面」へ進むお話。

 

 表と裏の相反する主人公、そのままでは二人の世界は交わりません。そんな主人公を導くのが第3のキーキャラクター「主人公を導く者」の役割となります。

 

【ヴェナリータ】(タイプ1w2:主人公を導く者)

タイプ1w2:基本的に真面目で理想を求める(タイプ1)完璧主義者、それに加えて理想を示す為の方法として人々を救おうとする(タイプ2)性格
1w9より現実にかかわりをもつことを好む。気性が激しく、行動的。

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

うてな:「あ あのぉ この衣装は…」

ヴェナリータ:「うん よく似合ってるね」

うてな:「あ いや でも あの その 恥ずかしいと言いますか 魔法少女っぽくないと言いますか…」

ヴェナリータ:「それはそうさ 当然だろ」

うてな:「へっ?」

ヴェナリータ:「だって君の選ばれし力って言うのは 悪の組織の女幹部の力だよ」

うてな:「え あーぁ… そう…なんですか あれ…じゃあ あの…はい 辞めます」

ヴェナリータ:「そうかい それは残念だね」

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 柊 うてなにとって魔法少女の世界は空想(憧れ)の世界でしかありませんでした。

 しかしヴェナリータによって魔法少女の世界は「空想から現実」へと変化します。

 始めは必死で現実(魔法少女の世界)から目を背け空想の世界へ戻ろうとするうてな。しかしヴェナリータはそんなうてなを魔法少女の世界に導いていきます。

 

うてな:「し…信じてもらえない なんでぇ」(中略)

うてな:「どどどど どうしたらぁ」

ヴェナリータ:「これを使うといいよ 君専用の武器フルスタ・ドミネイトだよ」

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

ヴェナリータ:「やはり僕の目に狂いは無かったね」

魔法少女にあこがれて  第1話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 ヴェナリータの導きによってうてなは今まで憧れだけの存在だった魔法少女マジアマゼンタ(花菱 はるか)と交流を深める事ができるのです。

 

「主人公を導く者」の導きによって「空想の世界」から「現実の世界」へと踏み出した「主人公」は「裏の主人公」と交流する事で成長をしていきます。そして最終的に二人で力を合わせて「ヒロイン」の心を救う。

 これが4人のキーキャラクター達の構成。成長物語(ビルドゥングスロマン)のお話のパターンとなります。

 

 では柊 うてなにとってのヒロインは誰なのでしょうか?

 それは魔法少女のマネージャーヴァーツとなります。

 

【ヴァーツ】(タイプ2w1:ヒロイン)

タイプ2w1:弱きものを「助ける(守る)(タイプ2)」為に「正義(タイプ1)」を教示する性格。
2w3よりも内向的。裏方で働くことを好み、真面目で面倒見が良い。

魔法少女にあこがれて  第4話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 「魔法少女にあこがれて」は柊 うてな(主人公)がヴェナリータ(主人公を導く者)の導きによって花菱 はるか(裏の主人公)と相反する想いを統合し、ヴァーツ(ヒロイン)を救うお話の構成。

 

 4人のキーキャラクター達の関係はエニアグラムで表すと下図の様になっています。

 

 現在放映されている第7話の時点ではまだ深くは語られていませんがヴェナリータとヴァーツの間には過去に何かしらの因縁があったようです。

 

ヴェナリータ:「久しぶりだねヴァーツ 相変わらず魔法少女のお守りかい?」

ヴァーツ:「そちらこそ いつまで悪の組織に そんな事早く止めるんだ」

ヴェナリータ:「それはこっちのセリフだよ」

魔法少女にあこがれて  第4話より ©⼩野中彰⼤・⽵書房/魔法少⼥にあこがれて製作委員会

 

 物語を見ていると表面上は悪の組織に入ったヴェナリータをヴァーツが改心させようとするお話に見えますが、おそらく実際はその逆なのでしょう

 4話ではヴェナリータはヴァーツを「魔法少女のお守り」から解放しようとしている発言があります。

 ヴェナリータが悪の組織に入ったのは「ヴァーツの事を心配して救う為」の行動だと推測できます

 しかしヴェナリータはヴァーツを救うのには適した性格ではありません。

 ヴェナリータはヴァーツ(タイプ2)を救う為に彼の「成長方向」である柊 うてな(タイプ4)を組織の幹部に勧誘したのが本当の理由だと思われます。

 エニアグラムでの配役を見つけて今後のお話の流れを推測するのはとても楽しい作業。あなたの創作活動にも是非活用してみてください。

 

 今日はここまで。

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 まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います

 疑問点などありましたら是非教えてください

 

 この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

 みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!

 

【用語出典まとめ】

gunber.hatenablog.com

 

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 「スバルの性格分析ブログ」

「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。