劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
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「風立ちぬ」と「Fate/stay night」のストーリー構成の共通点をエニアグラム分析する第3回目、最終回。
堀越 二郎と里見 菜穂子の関係がハッピーエンドとなる為にはどうすれば良かったのか?
今回のブログでは物語の総まとめ「タイプ9の主人公とタイプ6のヒロインのお話」について詳しく検証していきます。
【シリーズ1回目の記事はこちら】
堀越 二郎と里見 菜穂子の関係がハッピーエンドとなる為のルート
「風立ちぬ」は主人公(タイプ9)とヒロイン(タイプ6)が分れ離れとなるストーリー。 実に物哀しいエンディングでした。
ではタイプ9の主人公とタイプ6のヒロインがハッピーエンドを迎えるためにはどうすればいいのでしょうか?
その答えはFate/stay night(間桐 桜ルート)で描かれています。 具体的に物語を確認してみましょう。
ヒロインの性格
まずはヒロイン桜の性格について詳しく見てみます。
【間桐 桜】
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅰより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
間桐 桜はタイプ6(堅実家)。
タイプ6(堅実家)はお嬢様・お姫様気質。
全タイプ中で一番、人と人との間の「絆」を重視しています。 彼女たちは実に心配性。
その為、常に「より大きなもの(頼れる個人や国家・名門の家等の組織、又はルール)」の元で守られる事を欲しています。
大河:「士郎にとって切嗣さんはヒーローだったからねぇ マネしたくなるんだろうねぇ 桜ちゃんにもいるでしょ そういう人」
桜:「私のヒーロー…」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅰより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
桜にとってのヒーローは姉である遠坂 凛。
間桐 桜と遠坂 凛は双子の(2021/7/17修正:姉妹ですが双子ではありませんでした)姉妹の関係。 桜は幼い頃に遠坂家から間桐家に養子に出された為、異なる性を持っています。
間桐家での苦しい生活の中で姉はきっと助けに来てくれると信じていました。
しかしいつまでたっても姉は迎えにきてくれず、いつしか桜は周りの世界から心を閉ざす様になります。
誰も頼れる人を見つけられない場合、タイプ6は心を閉ざし周りとの関係を完全にシャットアウトする事で心配から逃れようとします。
そして心を閉ざしていたヒロイン(間桐 桜)の前に主人公(衛宮 士郎)が現れます。
桜は士郎に対して心を開いていき士郎もその気持に答えてくれます。
しかし「士郎の桜を信じる想い」が強ければ強いほど、桜は士郎の想いに答えきれない自身の弱さに押しつぶされていきます。なによりも桜自身が自分の事を信じられないのです。
【タイプ6 成長のレベル】(レベル5:通常の段階)
さまざまなコミットメントのたがいに矛盾する欲求に応えられないのではと心配する。したがって、サポートしてくれる人たちを遠ざけることなく、自分にこれ以上のプレッシャーが課せられないようにする。彼らは不安で、悲観的で、猜疑心をもち、さらなる警戒や衝動性、優柔不断に至る。
「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より
自身の心の弱さに堪えきれなくなった桜は闇の力を得る事で心の弱さを補おうとします。
タイプ6は(たとえ気に入らなくても)実力を認める人にはいたって従順だが、実力の伴わない上司や体制には反抗的。 圧倒的な力を持つ闇の力に引き寄せられてしまうヒロイン。 そして桜は「闇落ち」への道を進む事になるのです。
桜:「だって私のほうが強いもの…」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
「Fate/stay night」(間桐 桜ルート)お話の流れ
間桐 桜ルートと遠坂 凛ルート
この2つのお話は別々のお話ですが、2本で1本のストーリー構成になっています。
お話の流れ①(遠坂 凛ルート):衛宮 士郎はアーチャーと議論し戦うが決着が付かない。
アーチャー:「正しい救いを求めれば求めるほど お前は自己矛盾に食い尽くされる ただの殺し屋に成り下がる それが分からないのなら 死ね その思想ごと砕け散れ!」
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 21話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
お話の流れ②(遠坂 凛ルート):衛宮 士郎と遠坂 凛は(2人で)協力してアーチャーと相互理解し合える新たな道を見つけ出す。
アーチャー:「ともあれ決着は着いた お前を認めてしまった以上 エミヤ等と言う英雄はここにはいられない 敗者は早々に立ち去るとしよう」
Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 21話より ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC
ここまでが前回解説を行った遠坂 凛ルート。そして間桐桜ルートへとお話は続きます。
お話の流れ③(間桐 桜ルート):衛宮 士郎は桜を助ける(守る)決心をする。
凛:「じゃあ あなたの所で保護すればいいと思うけど…その娘があなたにとって大切な人だって言うのならね」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅰより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
お話の流れ④(間桐 桜ルート):(アーチャーの右腕と一体化した)衛宮 士郎と遠坂 凛は力を手に入れ(3人で)協力して間桐 桜を助け出す。
凛:「これは遠坂に伝わる宝石剣ゼルレッチ」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
士郎:「そうだ 当然だろ 奪ったからには責任を果たせ!」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
士郎・アーチャー・凛の3人は協力して桜を助け出す最後の闘いに挑みます。
士郎とアーチャーは一体化しているので頭数は2人となりますが、その代わりにアーチャーと同じ性格タイプ5w4のライダーが最後の闘いに参加する展開となります。
ライダーが最後の闘いに参加する事になった理由、この考察もとても興味深いのですが、今回は省略させてもらいます。
イリア:「それじゃあ行くのね…凛、ライダー、士郎…」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
そして最終決戦の決着が付きます。
凛:「ごめんね 勝手な姉貴で…」
士郎:「帰ろう桜 そんな奴とは縁を切れ」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
士郎・アーチャー・凛の3人は協力して桜を助け出すことに成功します。
この一連の流れ(①~④)が「物語」をトゥルーエンド(True End)へと導くルート。
凛:「桜 幸せ?」
桜:「………はい」
劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC ©TYPE-MOON
堀越 二郎と里見 菜穂子の関係がハッピーエンドとなる為の条件
では堀越 二郎と里見 菜穂子の関係がハッピーエンドとなる為にはどうすればいいのでしょうか。
Fate/stay nightのお話と照らし合わせると以下の流れ(ルート)が正解でしょう。
【必要な登場人物】
タイプ9「主人公」:堀越 二郎
タイプ6「ヒロイン」:里見 菜穂子
タイプ3「パートナー」:本庄
タイプ5「裏の主人公」:カプローニ
【お話の流れ】
①:二郎はカプローニと議論を行い戦うが決着が付かない。
②:二郎は本庄と(2人で)協力をする事でカプローニと相互理解し合える新たな道を見つけ出す。
③:二郎は心を閉ざしている(又は闇落ちしている)菜穂子を助ける決心をする。
④:二郎・カプローニ・本庄は力を身に着け(3人で)協力する事で、最後には菜穂子を助け出す。
これが「風立ちぬ」がトゥルーエンドを迎えるために主人公二郎が選択すべき正しいルート。
「風立ちぬ」の映画のなかで菜穂子(ヒロイン)は自分の闇と戦う勇気がない為、二郎(主人公)から逃げ出してしまいます。
Fate/stay night(間桐 桜ルート)でも同じ様に桜(ヒロイン)は士郎(主人公)から逃げ出そうとします。しかし士郎は逃げようとする桜を引き止めます。
そのため現実と向き合う苦しさ(自分の心の弱さ)から桜は闇落ちします。闇に落ちた桜を士郎とアーチャー・凛の3人が協力して救い出すのがトゥルーエンドの物語。
「風立ちぬ」の映画の中でもし二郎が逃げようとする菜穂子を引き止めた場合、現実の苦しさに直面せざるを得なくなった菜穂子は心が折れ、心を閉ざして(あるいは闇落ちして)しまうでしょう。そして心を閉ざした(闇落ちした)菜穂子を二郎とカプローニ・本庄の3人が協力し救い出す。
この流れのお話が「風立ちぬ」のトゥルーエンドなのだと思います。
おまけ
今回の物語のパターンを宮崎監督のもう一つの作品「もののけ姫」にあてはめてみましょう。
アシタカがサンを救おうと自らの手の中にサンを引き止めた場合、現実の苦しさに直面せざるを得なくなったサンは心が折れ心を閉ざして(闇落ちして)しまうでしょう。
そして心を閉ざした(闇落ちした)サンをアシタカとモロ・エボシ御前の3人が協力し救い出す。
アシタカはサンを救い出そうとしますが、一人の力ではそれは叶いません。アシタカ(主人公)に加えてモロ(裏の主人公)、エボシ御前(パートナー)の3人が協力する事で初めてサン(ヒロイン)を救うことができる。
これがもののけ姫のトゥルーエンドなのだと考えます。
「もののけ姫」より Ⓒ 1997 Studio Ghibli・ND
「風立ちぬ」と「Fate/stay night」を参考に「物語の黄金パターン(トゥルーエンド)」について考察してきましたが、「主人公・裏の主人公・パートナーの3人が協力してヒロインを救出する」と言う展開が見えてきて楽しかったです。
果たしてこのパターンは普遍的なものなのか?
今後、引き続き他の作品でも検証を続けていきたいと思います。
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【宮崎監督作品についての他の記事はこちら】
【Fateについての他の記事はこちら】
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私のブログはほぼこの本に書かれている内容を元にしています。
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