がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

「表の性格」と「裏の性格」 86-エイティシックス-「レーナ」と「キリヤ」について考察する エニアグラム6w5⇔1w2

f:id:gunber:20220102065342p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 

  こんにちは

 アニメ大好き

 みんなと一緒に幸せを見つけていきたい

 がんべあです。

 

 「エニアグラムの裏表」についての考察

 

 アニメの中に登場する「裏表の性格の差」が激しいキャラクターをエニアグラムを使って分析するこのシリーズ。今回の考察は86-エイティシックス-に登場するレーナとキリヤ。2人は共にタイプ6w5の性格、非常に似た性格をしています。

エニアグラムを知らない方はこちらから

gunber.hatenablog.com

 86-エイティシックス-無人戦闘機械「レギオン」の侵攻によって人類が滅びつつある世界のお話。

 アニメはジャガーノート(戦闘機械)のパイロット」のシンと「作戦部指揮官」のレーナの2人が主人公のお話となります。

 レーナは大きな物語を通じての主人公(であると同時にヒロイン)ですが、アニメ第2シーズンではレーナの代わりにキリヤがもう一人の主人公(であると同時にヒロイン)として登場します。

 2人は似通った性格をしており、分析をしていくと86の今後のストーリー展開を想像する事ができます。

 今のお話の流れを整理していくと、ちょっと怖いエンディングパターンもあり得る事が見えてきました。詳しく観ていきましょう。

※このブログの中で書かれている「ヒロイン」は女性とは限りません。男でも良いですし、物語によっては人では無いケースもあります。ヒロインとは主人公の「憧れ」であり、「助け出す存在」を表しています。

【レーナ】(主人公でありヒロイン)

f:id:gunber:20210526064818p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

【キリヤ】(第2シーズンの主人公でありヒロイン)

f:id:gunber:20211228090307p:plain86-エイティシックス- 第19話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 2人の性格は共にタイプ6w5(守る人)。

 レーナとキリヤ6w5)は他人との関係を維持するのは得意ですが、それが何故必要なのかは理解できません。

 2人は自分自身の理念に基づく行動が苦手な(本当の自分が何をしたいのか分からない)為、常に誰かの行動を後押しするポジションにいます。

レーナ:「やります! スピアへット戦隊の管理も指揮管制も全霊を持って」

f:id:gunber:20220102065342p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

フレデリカ:「キリヤだけが遊び相手だった 紙をすいて 庭の花を取ってきて どんなわがままも嫌な顔一つせず付き合ってくれた…」

f:id:gunber:20220103045336p:plain86-エイティシックス- 第15話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 キリヤ元々は素直で実直だが、ちょっと小心者のタイプ6w5らしい性格。その様子はフレデリカの回想シーンで描かれています。現在の冷たい機械人形の様な性格は裏の性格、闇落ちした姿

フレデリカの回想シーン:シン(タイプ9)に対して説教するが、全く動じない様子にイライラするキリヤ(タイプ6)。しかしその姿はとても楽しそうに描かれています。

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f:id:gunber:20220103050013p:plain86-エイティシックス- 第19話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 このシーンを見ていると鬼滅の刃に登場する胡蝶 しのぶ(タイプ6)と姉カナエ(タイプ9)の関係を連想します。

しのぶ:「姉さん、姉さん… 姉さんっ! この娘、全然ダメだわぁ」
カナエ:「んん~?」
しのぶ:「言われないと何もできないの!」(中略)

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カナエ:「まあまあそんな事言わずに 姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなぁ」

f:id:gunber:20220103051252p:plain鬼滅の刃 第25話より ©吾峠呼世晴集英社アニプレックスufotable

 キリヤ、しのぶの「表の性格」では共にタイプ9のマイペースにイライラしながらも、心の中では信頼を抱いている(タイプ9はタイプ6の成長方向)様子が描かれています。

 しかしキリヤもしのぶも心の安定を失い、裏の性格(1w2)へと変化します。

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この「6w5から1w2への性格の変化」の様子もレーナとキリヤは非常によく似ています。レーナもまた心の安定を失い裏の性格へと変化しています。

レーナ(ピリピリと気を張っている1w2の状態)

f:id:gunber:20220103052414p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

レーナ(時折気が抜けると素の6w5の状態に戻ります)

f:id:gunber:20220103052626p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 

レーナに対する裏の主人公

 気になるのはレーナ(主人公)に対する裏の主人公がすでに死亡している事。

 レーナに対する裏の主人公(アンチテーゼ)ジェローム・カールシュタール准将(タイプ1w2)

 裏の主人公は主人公を否定する存在

カールシュタール准将:「いい加減報告書に戦死者数を記載するのは止めたまえ 公的には前線に人間はいない事になっている以上 戦死者は存在しないのだよ」

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レーナ:「だからと言って黙認はできません こんな事は本来許される事では…!!」

f:id:gunber:20220102070022p:plain86-エイティシックス- 第1話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 裏の主人公は「主人公の成長」には欠かせない大切なキャラクターです。

 本来主人公(テーゼ)は裏の主人公(アンチテーゼ)とぶつかり合いながら共に成長し、新たな道(ジンテーゼ)を見出すのが健全な物語の姿。

 しかし物語の中盤、レギオンの大攻勢からレーナを守る為に准将(裏の主人公)は戦死してしまいます

准将:「なら好きにするがよい 気のすむまで叶わぬ夢を追うんだな  夢を見るのは子供の特権だ ミリーゼ大尉 そして子供が夢から覚め 無慈悲な現実を知って打ちのめされるまで それを守ってやるのが大人の役目だ 時間くらいは稼いでやろう」

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レーナ:「最初からそのつもりで…」

准将:「せいぜい打ちのめされるがいい レーナ お前の望んだ甘ったるい夢が現実の前に壊れていく様に…(中略)」

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レーナ:「ご武運を カールシュタール准将」

f:id:gunber:20220102075343p:plain86-エイティシックス- 第16話より ©2020 安里アサト/KADOKAWA/Projest.86

 裏の主人公を失った状態の主人公は「正常な成長」をする事ができません。

 

主人公と裏の主人公のお話のガイドライン

レーナ/キリヤ(主人公)のお話

【ストーリーライン(世界観)】
6w5:「現実の物質(や関係)」を守っていた主人公が「それを守るべき理由」を見つけ出す。

【6w5のお話についての詳しい解説はこちら】

gunber.hatenablog.com

 

 レーナもキリヤも目の前にある「守りたいもの」を一生懸命守ろうとしています。しかし2人は共に「それを守るべき理由」が分かりません。その理由を見つける事が2人が主人公の物語。

 

 しかしカールシュタール准将(裏の主人公)を失ったレーナ(主人公)には健全な成長は望めません。レーナが一人で頑張れば頑張る程、先の見えない未来にいずれ心が折れ、闇落ちする可能性が高いのです。

 

物語のエンディング

 86-エイティシックス-の物語のエンディングを3つのパターンで考えてみました。

 

1つ目は「ハッピーエンドのお話」

2つ目は「バッドエンディング」

3つ目は「最悪のエンディング」

 

①「ハッピーエンドのお話」の場合は心が折れ、闇落ちしたレーナ(タイプ6のヒロイン)をシン(タイプ9の主人公)が救い出すエンディングになると思われます。これが順調な王道パターン。

 

 しかし闇落ちしたタイプ6は実にやっかいです。

 私が今まで見た中での最強最悪のタイプ6Fate/stay nightに登場する間桐 桜とバビロンに登場する曲世 愛(まがせ あい)の2人。そのヤバさはトラウマものです。

間桐 桜(タイプ6)

f:id:gunber:20211230074909p:plain劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOONufotable・FSNPC ©TYPE-MOON

曲世 愛(まがせ あい)(タイプ6)

f:id:gunber:20220103054441p:plain劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]Ⅲより ©TYPE-MOONufotable・FSNPC ©TYPE-MOON

 闇落ちした彼女達は「悪に忠実」な最強キャラクター。なぜならタイプ6は自分自身の理念に基づく行動が苦手な為、常に誰か(強きもの)の行動を後押しするポジションにいるから。

 「善」が「悪」に対して無力な事を身をもって知った彼女たちは最強である「悪」に対して仕えるロイヤルガードとしての存在になるのです。

 レーナが一人で頑張れば頑張る程、闇落ちした時のヤバさは強力になってしまいます。あまり頑張らずに早めに心が折れてくれた方が闇落ちした時の被害は少なくなるのですが、レーナはきっとめちゃくちゃ頑張っちゃうのでしょうね…。

 ヒロインを救い出す主人公は最強の悪(人類の抱える罪・理不尽な現実)よりも強い存在であることをヒロインに対して証明する必要があります

 闇落ちした強力なヒロインを上回る強さを主人公が示せた時、始めてヒロインの心は救われるのです。

 

 ②「バッドエンド」のケースシンはキリヤの時と同じくレーナを殺さざるを得ないエンディングとなるのでしょう。「シンとキリヤのお話」は「シンとレーナのお話」の前振り、シンは果たして同じ道を進む事になるのか、それとも…。

 

③しかし「バッドエンド」よりも更に悲惨な「最悪なケース」も考えられます。

 それはシンがレーナの「心を救う事無く」、彼女と行動を共にする流れ。この場合は主人公(シン)とヒロイン(レーナ)は「共に闇落ち」して人類の敵となるエンディングが予想されます。

 2人にとってはお互いを殺す事なく、共に暮らしていけるある意味幸せな終わり方なのですが…。

 「平和(善)は人類を自堕落で退廃した存在にしてしまう忌むべきモノ、戦い(悪)こそが人類が”生きる素晴らしさ”を実感する為に必要なものである」などの理由を付けて2人が人類の為に敵となる嫌な終わり方が考えられます。

 

 さて物語の結末はどうなるのでしょうか?分析していてちょっと怖くなってきちゃいました。

 

 今回はここまで。

 

 まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います

 疑問点などありましたら是非教えてください

 

 この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

 みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!

 

86-エイティシックス- もう一人の主人公シンについての分析はこちら】

gunber.hatenablog.com

 

【参考資料】

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 「スバルの性格分析ブログ」

「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。