「ゴジラ-1.0」より ©2016 TOHO CO,LTD.
こんにちは
アニメ大好き
みんなと一緒に幸せを見つけていきたい
がんべあです。
物語を作る人は是非知っておきたい13フェイズ。
今回はゴジラ-1.0のストーリー構造を再確認しながら13フェイズの物語構成を学んでいきます。
いつもはアニメばかり考察している私ですが、ゴジラがあまりにかっこよかったのでついついブログにしてしまいました。
本当は実写作品の考察もいっぱいやりたいのですが、アニメだけでも全く手が回らない状態なので諦めています。
けどやりたい事が無限にある事はとても幸せな状態ですね♪
※ネタバレ満載なのでご注意を。
初めての方へ。
このブログは創作活動をしている人に向けて物語の作り方「13フェイズ」理論を紹介するページです。
創作活動をしていない人も気軽に読んでいただければと思います。
ゴジラ-1.0のストーリー構造
「13フェイズ」と言うのは物語の構成パターンの1つで、以下の流れで作られています。
【第1幕】(対立)
【日常】主人公の日常、抱えている「問題」
【事件】事件の発生、日常から引き離される
【決意】新たな状況へ飛び込んでいく決意
【第2幕】(葛藤)
【苦境】新たな状況での様々な苦境
【助け】苦境に陥った主人公に助けが現れる
【成長・工夫】助けを得た主人公の成長・工夫
【転換】成長による成果、中盤の盛り上がり
ここまでが前半
【試練】後半は助け無し、主人公は単独で試練に立ち向かう事に
【破滅】主人公の頑張りも届かず状況は一層悪化、破滅が襲います
【契機】破滅を乗り越えるきっかけを掴む主人公
【第3幕】(変化)
【対決】敵との最終対決
【排除】敵を排除
【満足】主人公の抱える問題の解決
ゴジラ-1.0もこの方法に従って創られています
では13フェイズ理論によってお話を追いかけてみましょう。
【ゴジラ-1.0のストーリー展開】
①【日常】主人公の日常、抱えている「問題」
第二次大戦末期。戦闘機乗りの主人公、敷島 浩一は目の前の困難に目を向ける事ができない性格。人と関わる事を恐れています。
零戦に乗って特攻に向かう中、機体が故障したと嘘をつき大戸島の守備隊基地に着陸する。
②【事件】事件の発生、日常から引き離される
大戸島の守備隊基地に謎の巨大生物ゴジラが現れる。敷島 浩一はゴジラを倒す為に霊戦のコクピットに登場するが恐怖の為、引き金を引く事ができず守備隊はゴジラによって壊滅。敷島 浩一は生き残った守備隊隊長の橘 宗作に罵倒される。
③【決意】新たな状況へ飛び込んでいく決意
本土に帰ってきた敷島 浩一。しかし住んでいた家は焼き落ちて両親も死んで独りぼっち。近所のおばさんからも蔑まれ孤独な日々を過ごす浩一。
絶望の中ある日、見知らぬ女性から赤ん坊を押し付けられる。去っていく女性。とまどう浩一。浩一は赤ん坊を置き去りにしようとするが出来ずに連れて帰る決意をする。
④【困難】新たな状況での様々な苦境
赤ん坊を預けた見知らぬ女性(大石 典子)と共に暮らす事になった浩一。しかし焼け野原となった東京での暮らしは楽ではない。
⑤【助け】苦境に陥った主人公に助けが現れる
大石 典子の助け。
⑥【成長】助けを得た主人公の成長・工夫
大石 典子との同居生活。典子と子供を養う為に危険な機雷撤去の仕事を引き受ける。そこで出会った仲間達との交流の中、浩一は徐々に一人ではなく他人との交流ができるようになっていく。
⑦【転換】成長による成果、中盤の盛り上がり
(ここまでが前半)
ゴジラが東京に現れる。破壊の限りを尽くすゴジラ。大石 典子の死。
⑧【試練】後半は助け無し、主人公は単独で試練に立ち向かう事に
典子の助けを失った浩一は一人でゴジラに立ち向かおうとします。
物語前半で知り合った仲間達がゴジラを倒すわだつみ作戦を計画。しかしその作戦ではゴジラを確実に殺せるとは限らないと感じた浩一は仲間を信じきれずに一人でゴジラに立ち向かおうと画策します。
⑨【破滅】主人公の頑張りも届かず状況は一層悪化、破滅が襲います
敷島 浩一はゴジラを倒す為に戦闘機を調達。その整備の為に橘 宗作を見つけ出そうとするが消息不明で見つからない。
⑩【契機】破滅を乗り越えるきっかけを掴む主人公
橘 宗作を見つける為に手紙を出しまくり、ついに宗作の協力を得る。
⑪【対決】敵との最終対決
ゴジラとの最終決戦であるわだつみ作戦が始まる。浩一の特攻。
⑫【排除】敵を排除
ゴジラの排除に成功
⑬【満足】主人公の抱える問題の解決
ゴジラに特攻した浩一は脱出装置のおかげで生き残り、病院で死んだと思われた典子との再会をする。
浩一は物語を通じて成長し、橘 宗作や大石 典子、その他自分の周りにいる人たちと正面から向き合う事ができるようになる。
本当に戦争が終わった事を実感する主人公。
13フェイズ物語のポイント
13フェイズ構成の物語の特徴は色々ありますが、大きなポイントが3つあります。
【その①】
フェイズ1で「主人公の抱える問題点」を描きフェイズ13ではその問題を解決し「満足」を得る。
【その②】
物語前半(第1~7フェイズ)では「主人公を助ける存在」によって主人公は成長するが、物語後半(第8フェイズ以降)ではその助けは得られず、主人公は一人で成長しなくてはならない。
【その③】
第9フェイズで主人公はどうしようもない破滅を迎えるが第10フェイズで立ち直り、最後の闘い(フェイズ11~12)へと向かう。
この3点を抑えておくと物語が一気に読みやすくなります。知ってると「創作活動」にとっても便利な13フェイズ。
特にその②の「物語前半と後半の助けの有無」については忘れがち。中盤の盛り上がりで前半主人公を助けてくれた存在を衝撃的に無くす事で後半の物語への緊張感が一気に高まります。
※「君の名は」ではダブル主人公の立花 瀧と宮水 三葉が前半のお話では互いに助け合って成長していくが、後半では2人が助け合えなくなる構成も13フェイズ構成をしっかりと守ったお話となっています。
興味が出た方はブログの最後に紹介している他の記事も読んでいただけると嬉しいです。
おまけ(エニアグラムでの物語分析)
せっかくですのでエニアグラムでもゴジラ-1.0の物語を分析してみましょう。
物語は以下の様にエニアグラム分析できます。
【エニアグラムを知らない方はこちらから】
主人公:敷島 浩一(9w1)
タイプ9w1(夢見る人)はマイペースなのんびり屋さん(タイプ9)、それに加えて真面目で融通が利かない(タイプ1)性格。
9w8より内向的。冒険を好まず控えめ。
主人公を導く者:大石 典子(3w2)・ゴジラ(タイプ3w4)
タイプ3w2(魅了する人)は基本的に目立ちたがり屋(タイプ3)の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き(タイプ2)な面があります。
3w4より人と親密でいたいという衝動を持っていますが、ときに、より充実した私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選びます。感情に動かされやすくのびのびしている。
ヒロイン:橘 宗作(6w7)
タイプ6w7(良き友)は自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて今この時を楽しむ(タイプ7)性格。
6w5ほど真面目ではありません。魅力的で面白く人付き合いがよいが自己軽視の傾向がある。
裏の主人公:野田 健治(5w4)
タイプ5w4(因習を打破する人)は独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)、それに加えて「個性・ロマン・創造性」を求め人とは違う道を進もうとする(タイプ4)性格。
5w6より感情的で内省的で創造的。ひとりで創造的活動に従事する。
こうして主な登場人物の性格を見るとゴジラ-1.0のヒロインは守備隊隊長の橘 宗作である事が分ります。
分析していてちょっとびっくりしました。
タイプ9w1(夢見る人)の物語は『ドラゴンに囚われたお姫様を王子様が助ける物語』。
鬼滅の刃等と同じ王道の物語となっています。
【鬼滅の刃の登場人物】
主人公:竈門 炭治郎(9w1)
主人公を導く者:煉󠄁獄 杏寿郎(3w2)・鬼舞辻󠄀 無惨(タイプ3w4)
ヒロイン:竈門 禰豆子(6w7)
裏の主人公:冨岡 義勇(5w4)
ゴジラ-1.0と鬼滅の刃は共に主人公(敷島 浩一・竈門 炭治郎)が主人公を導く者(大石 典子・煉󠄁獄 杏寿郎)の導きによって裏の主人公(野田 健治・冨岡 義勇)と協力してドラゴン(ゴジラ・鬼舞辻󠄀 無惨)に捉えられているヒロイン(橘 宗作・竈門 禰豆子)を助け出すお話と言う物語構成となっています。
両作品のヒロイン、橘 宗作・竈門 禰豆子(共に6w7)は基本は「相手に対する理解力があり、優しく思いやりのある性格」ですがドラゴンであるゴジラ・鬼舞辻󠄀 無惨に囚われてからは「鬼の様に気性が激しい性格」に変化する所も同じ流れで面白かったです。
【王道の物語の詳しい解説はこちらで】
いっぱい書きたい事はまだまだありますが、長くなるので今回はここまで。
まだ1回しか見ていないので勘違いなどがありましたらすみません。気になる点がありましたらご指摘を頂けると嬉しいです。
【13フェイズをもっと知りたい方へ】
13フェイズは沼田やすひろ先生の著書「売れるストーリー&キャラクターの作り方」で勉強させてもらいました。
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みなさんの創作活動が楽しいものになりますように!