がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

キャラクターの作り方:アニメ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」をエニアグラム分析する

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 こんにちは

みんなと一緒に幸せになりたい

がんべあです

 

 今回は劇場アニメ「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」に登場するメインキャラクター、すずさん、周作、哲、そしてリンさん達のエニアグラム分析を行います

 

 この作品は2019年(令和元年)公開

 監督 片渕須直
 原作 こうの史代
 
 「この世界の片隅に」に約40分の新規場面を付け足して作られた別ヴァージョンの作品です
 
 前作と大きく異なるのがリンさんの存在
 
 リンさんのエピソードが関わる事で以前とは全く別物の映画になっています
 
 前作がすずさんと周りの人々の「日常」を描いた作品だとすると、今作はすずさんと周りの人々の「心情」を描いた作品
 
 全編がそうなのですが、一つ例を挙げると「結婚したすずさんの元へが訪ねてきた時、夜中二人きりの納屋のシーン」
 
 前作では私は周作の気持ちにあまり同感できなかったのですが、今回は「なるほど、そうだったのか…」と周作の気持ちが痛いほどよく解りました

 

 ではキャラクターの詳しい分析を始めましょう

 

※物語のキャラクターは人によって千差万別な捉え方ができると思っています、このブログはあくまで私の目から見た意見ですのでご了承下さい

   

※「」と

OO:「OOO

は引用部分 引用は「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」から

 

 ※ネタバレありです、ご注意を

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の人間関係

 

 このお話には2つの三角関係が登場します

 

 一つは主人公すずさんを中心に夫の周作、幼馴染のの3人の関係

 

 もう一つはすずさんの夫、周作を中心にした周作、すずさん、リンさんが織りなす三角関係

 

 それぞれの関係をエニアグラムで表すとこうなります

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すずさんはタイプ4(芸術家)

こだわりは「個性・ロマン・創造性」

個性的、イメージ力があり空想に浸ることが多い

 

リンさんはタイプ7楽天家)

こだわりは「楽しさ・夢・冒険」

明るく人生を楽しみ、ヤンチャで子供っぽく、エネルギッシュで遊び上手、逃げ足は速い

 

周作はタイプ1(完璧主義者)

こだわりは「完璧主義・理想・正義」

シャイで人見知り、自分の感情を素直に出せず、柔軟な考えは苦手で超真面目な性格

 

哲はタイプ2(献身家)

こだわりは「人助け・思いやり・慈愛」

明るく能天気、感情を周りに発散させる無謀で強情な性格

 

 

 エニアグラムには各タイプの「憧れ」方向があります

 

タイプ7(リンさん)はタイプ1(周作)に憧れ

タイプ1(周作)はタイプ4(すずさん)に憧れ

タイプ4(すずさん)はタイプ2(哲)に憧れる関係

 

 また「憧れ」方向を逆に見るとそれは「助けてあげたくなる人」になります

 

タイプ2(哲)はタイプ4(すずさん)を助けてあげたい

タイプ4(すずさん)はタイプ1(周作)を助けてあげたい

タイプ1(周作)はタイプ7(リンさん)を助けてあげたい

 

  一般的に三角関係は「主人公」「主人公の憧れの存在」・「主人公が助けてあげたい(妹の様な)存在」の3人で繰り広げられる関係となる事が多いのです

 

「憧れの存在」と「助けてあげたくなる存在」

もう一度、4人の関係を見てみましょう

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 すずさんは互いに「憧れの存在」「助けてあげたくなる存在」

 

すず:「うちはずっとこういう日を待ちよった気がする…」

 

哲:「…ほんまに連れて帰らんでええんか?無理に嫁にされて困っとてん違うか?」

 

 また周作リンさんも互いに「憧れの存在」「助けてあげたくなる存在」となります

 

伯父:「上司にはじめて女郎屋連れて行かれて、出て来た娘に同情した挙句、あそこから救い出すんじゃあいうて青臭い目でこっち見られたらのう…」

 

すずさん:「…ほいじゃ身許票書くのもヤネコイねえ」

 

リンさん:「そりゃ大丈夫 ええお客さんが書いてくれんはった これで大丈夫 ね」

 

代用品

 

 物語ではすずさん「自分の事をリンさんの代用品」と思って苦しみますが、エニアグラム分析を見る限りではリンさんの方がすずさんの代用品だったのでしょう

 

 周作(タイプ1)の憧れはすずさん(タイプ4)であり、子供の時に一度会っただけなのに、ずっと「憧れ」として周作の心の中で大きな存在としてあり続けました

 

 そんな周作の前にリンさん(タイプ7)「助けてあげたくなる存在」が現れ、「届かない憧れを振り切る為」の代用品としてリンさんとの結婚を決めたのだと思います

 

 小さな頃からの憧れの存在を一度諦めて手近な存在に思い入れをしながら、伯父に反対され結果的に憧れの存在と結婚できた周作

 

 周作はタイプ1の真面目な性格

 憧れの存在と結婚できた事に喜ぶと同時に、すずさんの前ではずっと居た堪れない気持ちでいたのでしょう

 そんな心情の機微を描いた作品が「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」なのです

 

 今回はここまで

 

 まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います

 疑問点などありましたら是非教えてください

 

 この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

 みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!

 

 

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