かげきしょうじょ!! 第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
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今回は「かげきしょうじょ」に登場する主人公 渡辺 さらさと星野 薫についてエニアグラム分析を行います。
「かげきしょうじょ」は未婚女性達のみで構成されている「紅華歌劇団」のメンバー育成を目的とした「紅華歌劇音楽学校」に通う女の子たちの物語。
本作の「メイン主人公」が渡辺さらさ。そしてさらさに対する「裏の主人公」が星野 薫となります。
渡辺 さらさと星野 薫
かげきしょうじょ!! 第6話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
2人は紅華歌劇団で男役トップを目指すライバル同士。正反対の性格に見えますが、実はとても似た所もあります。そんな彼女たちのエニアグラム分析を行っていきます。
渡辺 さらさの性格
渡辺 さらさ(タイプ7w8:現実主義者)
【表の性格】7w8(現実主義者):基本的に楽観的で今を楽しむ(タイプ7)性格、それに加えて押しが強く、自分自身のニーズに応えようとする衝動と意志力を持つ(タイプ8)性格。
【裏の性格】3w2(魅了する人):基本的に他人に認められ称賛を得ようとする(タイプ3)タイプ、それに加えて他人の為に自分を犠牲にする(タイプ2)性格。
さらさ(7w8)のお話
タイプ7w8が主人公の【物語の黄金パターン】は以下の構成となっています。
7w8:(即物的な)「現実」の利益を得る為に勝利できる戦略を練ってきた主人公が壁にあたり、その問題を解決するために「人々の(心からの)賞賛」を得ようとする。
このパターンを踏まえて検証を進めていきます。
【7w8物語の黄金パターン】
タイプ7w8【主人公】:渡辺 さらさ(わたなべ さらさ)
タイプ3w2【裏の主人公】:星野 薫(ほしの かおる)
タイプ5【主人公の成長方向】:安道 守(あんどう まもる)/杉本 紗和(すぎもと さわ)
タイプ1【主人公の憧れ方向】:奈良田 愛(ならた あい)
主人公の目的・テーマ:「オスカル様になりたい」
【主人公】(役割:テーゼ)
【裏の主人公】(役割:アンチテーゼ)
【主人公の成長方向】(役割:主人公を導く者)
【主人公の憧れ】(役割:主人公の目標、目的・助け出すべき者:ヒロイン・攻略すべき者:宿敵)
さらさの性格はタイプ7w8(現実主義者)。
7w8が主人公のお話は共通して以下の世界観に従ってストーリーが進みます。
①即物的な「現実」を見据え、利益を得る為に勝利できる戦略を練ってきた主人公が壁に当たる。
②そこで主人公は「人々に心から賞賛されようとする」事で問題解決を図ろうとする。
さらさは「ベルサイユのばらのオスカル様」を演じる事を夢見て紅華に入学しました。
安道先生:「おーい渡辺 解ってんのかぁ オスカルになるって事はなぁ 紅華歌劇団のトップに君臨するって事だぁ」
さらさ:「そうなんですね ではなります さらさはトップになりますよぉ」
かげきしょうじょ!! 第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
しかしさらさは担任の安道先生に手厳しい指摘を受けてしまいます。
安道先生:「あんな風に憑依できるとはね 正直驚いた けどな渡辺…お前トップにはなれないよ」
かげきしょうじょ!! 第6話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
「オスカル様(トップ)にはなれないよ」と安道先生からの指摘にショックを受けたさらさ。これまで即物的な「現実」を見据え、利益を得る為に勝利できる戦略を練ってきたさらさ(主人公)が壁に当たります。
安道先生の言葉に悩むさらさは考えます。
さらさ:「この場合 いったい何が最善なのか 考えろ…考えろ…」
(さらさ・回想):「お客さまの視線を無視して一方的に投げかけてるだけじゃダメなんだって お客さまが何を見てるのか 何を見たいのか 意識しなくちゃいけないんだなって」
かげきしょうじょ!! 第10話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
その答えを導くヒントは「お客さまが見たいもの」。さらさは「自分勝手な気持ち」だけで動くのではなく「お客様の気持ち」を考える事が大切なのだと気が付きます。
7w8のお話:(即物的な)「現実」の利益を得る為に勝利できる戦略を練ってきた主人公が壁にあたり、その問題を解決するために「人々の(心からの)賞賛」を得ようとする。
さらさの物語は7w8の基本的なストーリーラインに従った展開となっています。
ただし「自分の気持ち」と「お客様が見たいもの(周りからの賞賛)」は相反する要素、テーゼとアンチテーゼの関係。そのままでは二つの要素を両立させる事はできません。
さらさは成長する事で、その両方を満足させる新たな道・ジンテーゼを見つけていく必要があるのです。
主人公の「成長方向」と「憧れ方向」
さらさの成長に関わる大切なキャラクターが「主人公を導く者」。アニメではさらさ(タイプ7)を導く存在として安道 守と杉本 紗和(タイプ5)が登場しています。
安道 守(タイプ5:観察者)
かげきしょうじょ!! 第6話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
安道 守は紅華女学院の演劇講師で、さらさのクラス100期生A組の担任。さらさに対して大きな興味を抱いていて、さらさ(主人公)を導く存在として描かれています。
安道 守「次は紅華規格外 渡辺さらさか…」
かげきしょうじょ!! 第6話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
もう一人の「さらさを導く存在」はさらさと同じく男役を目指す杉本 紗和。
杉本 紗和(タイプ5:観察者)
かげきしょうじょ!! 第11話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
杉本 紗和は「入学試験を首席で合格した、冷静で頼れる委員長。実は超が付くほどの紅華オタク。(かげきしょうじょ!! 公式HPより)」
一見、「優等生気質」のタイプ1に見えますが、それは彼女の裏の性格(1w9:理想主義者)。本来の性格は「超が付くほどの紅華オタク」(5w6:問題解決者)。
アニメの12話では紗和がさらさと同じ配役ティボルトを巡って争うライバルとしてさらさを導く姿が描かれます。
さらさ:「杉本さん すごい迫力のティボルトでしたぁそして何だかよく目があったような気がしたのですが」
かげきしょうじょ!! 第12話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
紗和:「なので仮想敵を作ってみたの 今一番ライバルと思う人にしたわ」
かげきしょうじょ!! 第12話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
さらさの成長方向にいる紗和は良きライバルとしてさらさ(主人公)を導く位置にいます。
そして「主人公を導く者」と共にさらさの成長にとって重要なキャラクター。それが「主人公の憧れ」の存在。
「主人公を導く者」は主人公の「目先」の道しるべ。
「主人公の憧れ」は主人公が「最終的に到達するべき遠い目標」となります。
タイプ7(さらさ)の憧れ方向はタイプ1(奈良田 愛)。
奈良田 愛(タイプ1:現実主義者)
かげきしょうじょ!! 第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
…と最初は考えていたのですが、物語の中で彼女の過去が明らかになってくるにつれ、元々の性格はタイプ6w5(守る人)の様に思えてきました。子供時代の愛は「冷たく堅苦しい完璧主義者(タイプ1)」ではなく、「苦労を知らないお嬢様(タイプ6)」に見えます。
子供時代の愛
かげきしょうじょ!! 第3話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
現在の性格1w2(擁護者)は裏の性格かも…。
ただし「主人公の憧れ」は裏の性格の場合でも成り立ちます。表裏関係なく愛はさらさの目指すべき「憧れ」の存在なのです。
さらさに対するもう一人の「主人公の憧れ」は白川 暁也だと思われますが、まだエピソードが少なく検証に手間取っています。しかし物語を見ているとさらさ(主人公)が「最終的に到達するべき遠い目標」は暁也っぽいとは感じています。
川暁也(しらかわ あきや)(タイプ1?)
かげきしょうじょ!! 第7話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
愛と暁也に関してはもう少し考察を深めてみます。
さらさの成長がどう描かれていくのか、今後の展開をとても楽しみにしています。
裏の主人公
さて、次はさらさに対する裏の主人公、星野 薫について考察していきましょう。裏の主人公もさらさの成長にとってとても大切なキャラクター。なぜなら「裏の主人公」は主人公のアンチテーゼを体現化したものだから。
主人公(テーゼ)と裏の主人公(アンチテーゼ)がぶつかり合う事で新たな道(ジンテーゼ)が見つかるからです。
星野 薫(タイプ3w2:魅了する人)
かげきしょうじょ!! 第1話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
「かげきしょうじょ」ではさらさ以外の主人公のお話も同時に展開します。
星野 薫の祖母・母は共に紅華の元スター、薫は二人と比べられる環境で育ってきました。
薫:(みんな心の中で似てないなぁとがっかりしているのだろうなぁ…)
かげきしょうじょ!! 第8話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
薫(3w2)とさらさ(7w8)は「裏表の性格」の関係。その為。薫のストーリーはさらさの「逆」のパターンとなります。
第8話「薫の夏」は星野 薫が主人公のお話。薫の高校生時代が描かれます。このお話を「3w2のお話」の黄金パターンと見比べて考察してみました。
【3w2のお話の黄金パターン】
「人々からの賞賛を得るふるまい」をしてきた主人公が壁にあたり、その問題を解決するために「自分自身が関心のあるふるまい」を見つけようとする。
悩みを抱えていた高校生の薫はある日辻 陸斗と出会います。陸斗は出来の良い兄と比べられて苦しんでいました。薫は陸斗に自分と同じ姿を見出し、二人の心の距離は近づいていきます。しかしお祭りの夜、陸斗の言葉を聞いた薫は自分の心を思い起こすのです。
辻 陸斗:「兄貴に才能があったから同じ様な事を求められて その期待に応えなきゃって 当たり前の様に野球部入って そうやって無理し続けてきたかいはあったのかなって そう思う事ってあるだろ…」
薫:「なんでみんなそんな事言うの? 違うよ 私は違う プレッシャーに押しつぶされそうになるけど 私は自分の意志で決めたの 無理なんて1ミリもしてないっ!! これは私が選んだ道よ 私がなりたいの 最後まで絶対に諦めない 私は何が何でも紅華に入学するの」
かげきしょうじょ!! 第8話より © 斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会
このお話では「人々からの賞賛を得るふるまい(祖母と母を知る人々からの期待に応えようとする自分)」をしてきた主人公が壁にあたり、その問題を解決するために「自分自身が関心のあるふるまい」を見つけようとする薫の姿が描かれています。
薫のお話はまだ始まったばかり、さらさとの出会いによって彼女がどの様な道を進んでいくのか、今後のストーリーから目が離せません。
まとめ
「さらさの物語」をエニアグラム的にまとめるとこうなります。
①【テーゼ】:即物的な「現実(オスカルさまになりたい)」の利益を得る為に勝利できる戦略(紅華音楽学校に入学)を練ってきた主人公が壁にあたる。
②【アンチテーゼ】:そこで主人公は「人々の心からの賞賛(お客様が求めるものを見せる)」を得る事で問題を解決しようとする。
③【主人公を導く者】:しかしテーゼとアンチテーゼは相反するものであり、容易にその双方を満たす事はできません。そんな主人公をタイプ5(主人公を導く者)が導きます。
④【主人公の成長】:主人公は「導く者」の助けを得てエニアグラムの成長方向に沿って成長していきます。
※エニアグラムの成長方向:7→5→8→2→4→1
⑤【ジンテーゼ】:”成長”を通じてテーゼとアンチテーゼの双方が満足できる生き方を発見する。
これが長い長い「さらさの物語」の流れ。物語はまだ始まったばかり、今後の展開がとても楽しみです。
【エニアグラムにおける成長について】
今回は「さらさと薫(表と裏)のお話」に絞った考察を行いましたが、かげきしょうじょは実に多くの主人公たちが入り乱れてお話が進んでいきます。他の主人公「奈良田 愛・杉本紗和・沢田千夏と沢田千秋・山田彩子」のお話もとても気になりますが、今回はここまで。
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
疑問点などありましたら是非教えてください。
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います。
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