「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
こんにちは
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がんべあです
「エニアグラムの裏表」についての考察
アニメの中に登場する「裏表の性格の差」が激しいキャラクターを「エニアグラム」を使って分析するこのシリーズ
今回取り上げるのは「泣きたい私は猫をかぶる」(泣き猫)に登場する主人公笹木美代(通称:ムゲ)
「泣き猫」は佐藤 順一監督作品
新型コロナウイルス感染症の状況により、2020年6月18日、劇場公開はせずに全世界でNetflixが独占配信されたアニメとなります
この作品は「猫に変身できる女の子」のお話
「猫と人との変身」がそのまま「エニアグラムの性格の裏表」の変化となっていて上手いな~と感心しまくり
猫も人間もめちゃくちゃ可愛いくて、心理描写の変化もとても見応えがあるお話、まだ観ていない人は是非ご覧ください
※ネタバレ全開ですのでご注意を!本編を見終わってからブログを読む事を強くオススメします~
【ネットフリックスで公開中!】
【笹木 美代(ムゲ) 】
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
エニアグラムの性格には裏表があり、困難に追い詰められて「表の性格」では対処ができなくなった時に「裏の性格」が現れると言う仮説があります
【エニアグラムを知らない方はこちらで】
エニアグラムの「円周上の正反対の位置」にある性格が同一人物の性格の表裏と言う仮説ですが、これが不思議なことに意外とあっているのです
ムゲは猫になる事で性格が変化します
【ムゲ(猫モード:タロウ)】
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
この性格の変化をエニアグラムの表と裏理論で説明できるかどうか、検証してみます
では分析を進めましょう
ムゲの「表」と「裏」の性格
ムゲ:「決まった! 日之出サンライズアターック!」日之出:「いい加減にしろよぉ…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
防御型・周りの世界がキライ
肯定的な呼び方「快活な人」
否定的な呼び方「自分勝手な人」
・人生を楽しみつくそうとする
・落ち着きがない
・気さくでさっぱりとした性格
・ヤンチャで子供っぽい
・感情的な人を嫌う
・アイデアマン、思いつきが多い
・逃げ足が早い
・あき性
・用心深く慎重なところがある
・暗くて神経質、堅物な側面がある
・寂しがり屋で、かまわれたがり
・軽薄
①「人付合いは苦手、ひとりでいる事を恐れない」
②「ユーモア感覚は辛口」
③「人生で欲しいと思っているものを何としてでも手に入れようと心に決めている」
【7w6と7w8の見分け方に興味がある方はこちらの記事をどうぞ】
ムゲ(裏):「にゃあー」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
肯定的な呼び方「進取の人タイプ」
否定的な呼び方「見栄っ張りな人タイプ」
・負けず嫌いで競争心が強いが、それを隠す
・洗練された上品な振る舞いを大切にする
・親切でやさしい
・他人と同じ事はしたがらない
・多くの人に賞賛されたがり、見栄っ張りで自慢屋
・寂しがりやで孤独を恐れる
・失敗を極端に恐れる
・利にさとく計算高くて、したたか
・完璧にできるようにしたがり、禁欲的にもなる
・第一印象や服そうなどを大事にする
・大人びて、冷静沈着
①「外向的で元気」
②「愛されることを望み、人と親密でいたいという衝動を持つ」
③「ときに、より充足的な私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選ぶ」
タイプ7w8と3w2は上図の通り、エニアグラムの正反対の位置にあり、表と裏の関係にあります
ムゲの表と裏の性格の大きな違い
表(7w8)の性格は「人付合いは苦手、ひとりでいる事を恐れない」のに対し
裏(3w2)「愛されることを望み、人と親密でいたいという衝動を持つ」と言う所
ムゲが裏の性格になった訳
タイプ7w8は即物的な「現実」を見据え、利益を得るために勝利できる戦略を練ります
しかし大衆の心理が見えずに読みが外れることもあり、その防止には裏人格3w2が必要となります
ムゲ:「日之出、日之出~ 今度スマホで声、録音させてぇ 寝る前に再生するのぉ」絶対いい夢見ちゃうよぉ~」
学生たち:「やだ なに 可愛い~ どこの猫ぉ? 最近見るよねぇ うわー、こっち見たぁ 目キレイ おいで~」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
日之出:「お前は太陽の匂いがするなぁ…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
ムゲが裏の性格になった本当の理由
薫:「美世ちゃん、私が一緒にいるの嫌?」ムゲ:「何それぇ エグいドラマみたい ナイナイ、全然そんな事ないですよぉ ある訳なーい」
薫:「どうして笑うの? 美世ちゃんいつもそうやって笑ってるけど 本当は無理してるんじゃないかなって」
ムゲはお父さんと再婚したお母さんの薫(かおる)との3人暮らしをしています
ムゲ(猫):「いいや もう美世はいらない…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
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きなこ:「あ・り・が・と」
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先生:「じゃあ最初の例文、訳してみろ 笹木」きなこ:「あー えーっとぉ…カリカリのご飯はぁキライです…解りません~」クラスメイト:「ハハハハハハ」
ムゲ(猫):「受けてるし…まずいよぉ」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
きなこ:「あんたは猫の生涯を生きる わたしはあんたの生涯を生きる そしてあんたの代わりに私が薫の子供として生きる」
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果たしてムゲはどうなってしまうのでしょうか?
日之出 賢人
ムゲ(表)の憧れ方向には日之出 賢人がいます
【日之出 賢人(表)】(1w2 擁護者:The Advocate)
こだわり=「完璧主義・理想・正義」
1w2は自分の中に「理想」を作り上げる事が得意ですがその理想を「現実」の形に作り上げる事は苦手な性格
日之出:「はぁ…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
日之出:「あいつみたいに言いたいことはっきり言えたら良かったのに 陶芸続けたいと言えなかったよ…」
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タイプ1w2は思想などの概念を「擁護」し、その思想の正当性を主張します。しかしその実現性までは考えておらず、その考案には裏人格6w5が必要となります
日之出は「陶芸家になりたい」と言う思想を持っていますが、それを実現するための具体的な行動(両親に言い出す)ができません
その困難を乗り越えるために、日之出は裏人格へと変化します
【日之出 賢人(裏)】(6w5 守る人:The Defender)
こだわり=「ルール・堅実・責任感」
裏人格となった日之出はタイプ6w5
表人格(タイプ1)の時の「生真面目さと堅苦しさ」は薄まり、タイプ6らしい「人懐っこさ」が現れます
6w5は一から「理想」を作り上げる事は苦手ですが、作り上げた理想を「現実」化する事は得意な性格
日之出:「タロウなら見つけられるかもな…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
物語前半で日之出(裏)はムゲ(裏:猫)に導かれ、徐々に自分の想いを表に出すことができるように成長していきます
両親には言えなかった自分の想いをムゲ(裏:猫)につぶやく事ができる日之出
日之出:「あいつみたいに言いたいことはっきり言えたら良かったのに 陶芸続けたいと言えなかったよ…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
そして物語の後半では日之出(裏:タイプ6w5)も猫の姿となり、表のムゲを救いに行きます
日之出:「み、見えるってことは 俺、猫になれたってこと?」
きなこ:「なんで手だけなのぉ?」
日之出:「知らないよ…」
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お話の構成として面白いのは物語後半で日之出(裏)を導くのは「きなこ」である事
きなこ:「やっぱり日之出は気付いていたんだね」
日之出:「何にだよ」
きなこ:「私が本物でないって事にだよ」
日之出:「おまえさ、俺のことからかって…ん…だった…ら…」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
きなこ:誰かから愛される自分がイメージできないんだよ あの子は 親からも…だから今 助けられるのはあんただけだと思うよ
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きなこは「完全に裏人格となってしまったムゲ」の象徴
「裏人格の日之出」は「裏人格のムゲ(きなこ)」と一緒に猫島へと「表人格のムゲ」を助けに向かいます
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
しかし実は日之出(裏)はムゲ(表)だけを救いに行くのではありません
表人格のムゲを救い出す行為はそのまま行き詰まった「自分自身の表人格」を救う事にも繋がっているのです
クライマックスの流れを一言で表すと
「裏人格の日之出とムゲ(きなこ)」が一緒に猫島へと「表人格の日之出とムゲ」を助けに行くストーリー
これがこのお話の基本構成だと思います
今までブログの中で「裏人格は表人格が行き詰まった時に助けになる」存在と言う解説を数多く行ってきましたが、こうやって二人の「裏人格」が「協力」してお互いの「表人格」を助けるパターンの発見に心躍りながらブログを書いています
まとめ
「裏の性格」は「表の性格」が困難に出会ってどうしようもなくなった時に現れ「表の性格」を助けてくれます
しかし、「裏の性格」は助け、後押しをしてくれるだけの存在
実際に成長して困難を乗り越えていくのは「表の性格」
物語を通じて「裏の性格」に助けられる事でムゲと日之出、二人の「表の性格」は成長します
ムゲ:「なかよくなったんだよね あたしたち」
ムゲ:「えー つれない…」
日之出:「俺やっぱり 陶芸やりたい」
「泣きたい私は猫をかぶる」より ©2020「泣きたい私は猫をかぶる」製作委員会
ムゲは成長し、ぎこちないながらも義理のお母さん薫の子供として「愛し」「愛される」事を受け入れる様になり
日之出も両親に言えなかった自分の気持を表現する事ができるように成長します
「裏の性格」は「表の性格」にとって頼もしい「縁の下の力持ち」の存在なのです
【おまけ】
この記事を書き終えてから泣きたい私は猫をかぶるは実はセーラームーンと同じ「人物構成」と「お話の流れ」になっている事に気付きました
【親しい人物関係】
【主役二人の裏表(変身前後)の性格】
【裏人格同士の関係】
「セーラームーン」も表人格の2人(うさぎと護)の「愛情」を育て成就させる為に、裏人格の2人(セーラームーンとタキシード仮面)が協力して闘うお話の展開
「泣きたい私は猫をかぶる」と同じパターンのお話となっています
「裏人格の二人が協力して表人格の二人の成長を助ける」物語
このパターンのお話は捜すとまだまだ見つかりそうかもと、今かなりワクワク状態
また新たなエニアグラム分析の楽しみが増えてとても嬉しいです♪
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【参考資料(兼オススメ本)】
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