がんべあの「ぶれない」キャラクター&ストーリーの作り方

創作活動の強い味方「エニアグラム」と「13フェイズ」

「成長のレベル」タイプ1 メイドインアビス「ボンドルド」について考察する

f:id:gunber:20201103070006j:plainメイド・イン・アビス第13話「挑む者たち」より © 2017 つくしあきひと竹書房メイドインアビス製作委員会

  こんにちは

 アニメ大好き

 みんなと一緒に幸せになりたい

 がんべあです

 

 このブログはエニアグラムを使って色々なアニメキャラクター達の「性格」を分析する事で、創作活動や作品を観る時の手助けにしようと言う内容です

 

 エニアグラムを全く知らないと言うは、まずこちらの記事をお読みください(1分位で読めます)

gunber.hatenablog.com

 

 今回はメイドインアビス中盤最大の敵、黎明卿ボンドルド(タイプ1:完璧主義者)を例にとってタイプ1キャラクターの「成長のレベル」について解説をしていきます

「成長のレベル」とはキャラクターの心の健全度を表しており、エニアグラムでは9段階でその状態を分けています

 健全度が高いほど前向き生き生きと行動することができ、逆に低いと後ろ向き自暴自棄な行動をする傾向があります

 

 

 今回のブログを書く前はボンドルドと言えば人間味の無い強烈な悪役「成長のレベル」はきっと「不健全な段階」だろうと考えていました

 

 しかし、実際にボンドルドの様子を見てみると「成長のレベル」は実に「健全な段階」でした

 ちょっと意外でビックリ、これだからこういった分析は止められません

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 その様子を見ていく事で、タイプ1キャラクターの「成長のレベル」について解説していきます

 

※TVシリーズと映画までのネタバレあります ご注意を

メイドインアビス

 人類最後の秘境、巨大な縦穴「アビス」

 未知へのロマンを求め、奈落に挑み続けるリコとレグの物語

 今回解説をするのは主人公2人の宿敵ボンドルド

 お話の中で圧倒的な恐怖を見せてくれます

 こうした純粋な冒険アニメは最近少ない中、私にとってとても嬉しい作品です

【ボンドルド】

f:id:gunber:20201103070006j:plainメイド・イン・アビス第13話「挑む者たち」より © 2017 つくしあきひと竹書房メイドインアビス製作委員会

ボンドルドの「成長のレベル」

 

 まずはボンドルドの性格から見ていきましょう

 

 ボンドルドの性格はタイプ1(完璧主義者)

 

「人一倍正義感が強いが、生真面目で不器用な性格」

こだわり=「完璧主義・理想・正義」

 

 タイプ1のキャラは常に「正しい状態を維持したい」と強く願っています

 

 タイプ1の「成長のレベル」はどう言った理由で変化するのでしょうか?

 

 タイプ1の「通常の段階」「完璧にできていない事で他人から非難される事を心配し、几帳面できちんとしているが、いつもイライラしている」状態

 

 タイプ1のキャラクターは自分の理想に関心を寄せるあまりに自分をとりまく環境への関心を疎かにしています

 

「周りの環境の魅力に気づき、自分の理想と周りの魅力を有機的に結びつける事ができると「健全な段階」へとシフトチェンジします

 

 逆に「周りの環境の魅力」を見つける事ができず、自分の理想のみにこだわればこだわる程、「不健全な段階」へとシフトチェンジしてしまいます

 

 これがタイプ1の「成長のレベル」の変化の原因となります

 タイプ1の各レベルにおける「心の状態の様子」はリソの本の中で下記の様に紹介されています

 

f:id:gunber:20200906093404j:plain「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」より

  この表に従ってボンドルドの心の状態を見ていきましょう

 「成長のレベル」の段階

  物語当初、ボンドルドの「成長のレベル」は健全の段階(レベル2~3だと思われます

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タイプ1の健全な段階(レベル2)の特徴は以下の通り

【レベル2】 

①人生において導きとなり、自らの無秩序な部分から守ってくれる超自我の命令に焦点を合わせる

②自己イメージ:「私は思慮深く、穏やかで客観的だ」

【レベル3】 

良心と理性に従って生きようとすることで、自己イメージを強化する

彼らはきわめて論理的で、自己規律、強い目的意識、確信をもつ

正直で明確であり、模範となる。大義のために、個人的欲求は脇に置く

f:id:gunber:20201105075500j:plain※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から

 先程説明した通り、タイプ1は「周りの環境の魅力に気づき、自分の理想と周りの魅力を有機的に結びつける事ができると「健全な段階」へとシフトチェンジします

 

  ボンドルドは「周りの環境(アビス)の魅力に気づき、自分の理想と周り(アビス)の魅力を有機的に結びつける事で「通常の段階」から「健全な段階」へとシフトチェンジできたのでしょう

 

 その様子が分かるシーンを抜き出してみました

ボンドルド:「やあ皆さん よく来てくれました ナナチ 元気そうでなによりです その帽子よく似合っていますよ」 

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ボンドルド:「そうそう 先日あの娘の肉電球が消えていたのです おめでとう ナナチ ようやく開放されたのですね

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メイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

 ボンドルド:「アビスは呪いのみを与えているのではありません 強すぎる負荷で見えなくなっていた効果 便宜上 私はこれを祝福と呼んでいます」

f:id:gunber:20201108135950j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

ボンドルド:「愛です 愛ですよ ナナチ…」

f:id:gunber:20201108141514j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

ボンドルド:「人であった頃の最初の私はこれです」

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f:id:gunber:20201108143304j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

ボンドルド:「共に夜明けを見届けましょう」

f:id:gunber:20201108144911j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

 ボンドルドは上の言葉はどれも心の底から出てきたセリフであり、嘘偽りはありません

 極めつけはプルシュカに対しての次のセリフ

ボンドルド:「喜びしか知らぬ者から祈りは生まれません 生を呪う苦しみを 君にしかできない事があります 君の名は プルシュカ 夜明けの花を意味する言葉です パパです 私がパパですよ プルシュカ」

f:id:gunber:20201108145314j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会 

 ボンドルドの心は実に純粋な「健全な段階」にあり、揺るぎがありません

 心の迷いによって「通常の段階」には落ちなさそうです

 その様子はアニメの中で「目覚めの注意信号」をボンドルドが克服できた事から分かります

 

「目覚めの注意信号」について詳しくみていきましょう

「目覚めの注意信号」

  人には「健全な段階」からその下の「通常の段階」へとシフトダウンしそうな時に、ある兆候が現れます

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  その兆候をリソは「目覚めの注意信号」と読んでいます

 

 タイプ1の「目覚めの注意信号」は「すべて自分で解決しなければならないという、個人的責任を感じる」事

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 ボンドルドは深界五層 : なきがらの海にあるイドフロントと呼ばれる前線基地で一人アビスの研究を進めています

 一人で問題を解決する、これはタイプ1の「目覚めの注意信号」

 このままではボンドルドの心は「通常の段階」へとシフトチェンジしていく可能性が高いです

 

 しかし、ボンドルドはこの問題を乗り越え、映画の最後で自分の想い(アビスの祝福の解明)をリコ達に委ねる事ができました

ナナチ:「てめーの憧れはここで終わりだ! ざまーみろ」

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ボンドルド:「とんでもございません 君たちの祈りが 自らの道を選び進もうと言う切なる願いが 私のそれに勝ったのです

 

この身体が破壊されてしまったのは はなはだ残念ですが 君たちと出会い ぶつかり会えたことは かけがいのない喜び

 

君たちがこの先に進む事こそ 私の新たな憧れです

f:id:gunber:20201109081205j:plainメイドインアビス「深き魂の黎明」より ©つくしあきひと竹書房メイドインアビス「深き魂の黎明」製作委員会

 通常の悪役が主人公に負けた時に、そのショックで今まで築き上げてきた「健全な段階」から「通常の段階」そして「不健全な段階」へと転げ落ちていくパターンをこれまでこのブログでも多く紹介してきました

 

 しかしボンボルドは「アビスの祝福」を解明する事に対して「すべて自分で解決しなければならないという、個人的責任を感じる」のではなく、リコ達にその想いを委ねます

 想いを達成するのは自分ではなくても良い

 リコ達と闘い、ぶつかり合う事で、想いを託す事ができた事に幸せを感じるボンドルドは「成長の段階」レベル1に達する事ができます

 

タイプ1の健全な段階(レベル1)の特徴は以下の通り

自分が何でも客観的に判断できる立場にいて、感情的に反応せずに人生を生きられるという思い込みを手放す

②また逆説的だが、根源的欲求-誠実で、よくあること-を実現する

自己実現の結果、賢明で見識があり、受容的で、希望に満ち、往々にして崇高である

f:id:gunber:20201109082907j:plain※参照:「新版 エニアグラム【基礎編】 自分を知る9つのタイプ」から

 ボンドルドはリコ達に負けて、自分の想い(アビスの祝福の謎を解明する)を彼女たちに託した瞬間、自分が何でも客観的に判断できる立場にいて、感情的に反応せずに人生を生きられるという思い込みを手放す事ができ「健全な段階レベル1」の状態になったのだと思います

個人的感想

 今回はタイプ1のキャラクターの「成長のレベル」についてボンドルドを例にとって解説しました

 最近悪役のキャラクターの分析を中心に行っていますが「成長のレベル」の上下と「善悪」はあまり関係ない事が分かってきました

 

 悪人でも「成長のレベル」が高い人はいますし、善人でも「成長のレベル」が低い人もいます

 

 実を言うと、この結果に私は衝撃を受けています

 今回のボンドルドの様にレベル1の段階にまで達した悪人がその後どういう行動を取っていくのかが非常に気になります

 

 この課題については今後の分析で解明していきたいです

 

 まだ私自身が勉強中で、上手く説明できたかどうか自信がありません、分析ミスもあるかと思いますが、一所懸命噛み砕いて解説を行ったつもりです

 

「成長のレベル」は各タイプによって異なる形で行動に現れます

 

 他のタイプについても、今後のブログで少しずつ紹介していく事で、 みなさんと一緒に私自身の学びを進めたいと思います

 

 今日はここまで。

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 この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います

 みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!

 

【「成長のレベル」について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】

gunber.hatenablog.com

メイドインアビスの過去記事】

gunber.hatenablog.com

【参考資料(兼オススメ本)】

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