ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
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今回は2024年秋アニメ、ダンダダンから「綾瀬 桃」と「高倉 健」の関係について考察します。二人は「表の主人公」と「裏の主人公」の関係。
ダンダダンは私にとって今期一押し。アニメならではの表現が素晴らしく、めちゃくちゃお気に入りのアニメ。
キャラ関係も第1話でいきなり理想的な表と裏の主人公の関係が見れてとても嬉しくなりました。
良い「裏の主人公」を決めるポイントは次の3点。
①:主人公とそりが合わずにケンカばかりしている。
②:けど相手(主人公)の事が気になって仕方がない。
③:二人のぶつかり合いがそのまま成長物語の基礎となっている。
多くのアニメが放映されていますが、意外とこの条件をキレイに満たす表と裏の主人公コンビは見当たりません。ダンダダンの2人は完璧なコンビ!こういうアニメが見たかったのです♪
【エニアグラムを知らない方はこちらから】
「ダンダダン」PV
【綾瀬 桃(あやせ もも)】(主人公)
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
【高倉 健(たかくら けん)】(裏の主人公)
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
裏の主人公とは
裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公。表と裏の主人公は相反する性格となっています。
綾瀬 桃は幽霊の存在は信じていますが宇宙人の存在は信じていません。
一方の高倉 健はその逆。宇宙人は信じていますが幽霊の存在は信じていません。
主人公と裏の主人公は相反する存在。そんな2人がお互いを理解していくお話の流れを第1話で視聴者に分かりやすく示していく。とても上手い設定だと感心させられました。
綾瀬 桃:「宇宙人は信じてないけど 幽霊は信じてる派だから…」
高倉 健:「いや 幽霊なんている訳ないでしょ」
綾瀬 桃:「はぁ~ こっちが話合わせてやったら それは全否定すんのかよぉ」
高倉 健:「オカルト舐めないでください」
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
裏の主人公は主人公の成長にとって重要な位置を占めるキャラクター。その様子を詳しく見てみましょう。
主人公の綾瀬 桃は現実主義者、現実から目を背けずに強か(したたか)に生きています。
綾瀬 桃:「なぐさめろよぉ 初めてのカレシだったんだぞぉ」
友達:「だーから やめとけって言ったんじゃん あれのどこが良かった訳ぇ?」
綾瀬 桃:「顔が高倉健に似てた」
友達:「うわ 出た」
友達:「めんどくせぇ~」
綾瀬 桃:「いいだろうがぁ 高倉健みたいな硬派な男が好きなんだよぉ!」
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
一方、裏の主人公の高倉 健は現実から目を背け、自らの心の世界へ閉じこもっています。
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
綾瀬 桃(強かに現実と向き合う)と高倉 健(苦しい現実から目を背け、空想の世界に生きている)とは正反対の性格。
「主人公の行動理由(テーゼ)」と「裏の主人公の行動理由(アンチテーゼ)」は正反対、相反する考えがぶつかり合いながら物語が進む、それが物語に裏の主人公が登場する理由となります。
【裏の主人公を詳しく知りたい方はこちらの記事で】
「綾瀬 桃」と「高倉 健」の関係
主人公の綾瀬 桃の性格はタイプ9w8。
9w8(調停者)はマイペースなのんびり屋さん(タイプ9)、それに加えて現実的で社交的、人と仕事をするのを好む(タイプ8)性格。
一方の裏の主人公、高倉 健の性格はタイプ4w5。
二人は正反対の性格で得意・苦手も逆転しています。
綾瀬 桃(9w8:調停者)は「現実」を見ることは得意ですが、自身の「内面」と深く向き合う事は苦手。自分の考えを持たず、周りに合わせる生き方をしています。
綾瀬 桃:「ちょっと聞いてよ うちの家マジ変でさぁ 外に出る時絶対おまじないしなきゃいけなかったの それ登校中ずっとやらされる訳 案の定 男子に笑い者にされてさぁ やらないとばあちゃん怒るし もうサイテーって感じ でも一番きつかったのは 好きな男子にバカにされた時」(中略)
綾瀬 桃:「それで気付いたの 好きな子に嫌われたのがイヤだったんじゃなく 好きな子にばーちゃんをバカにされた事がイヤだったんだなぁーって 本当はおばあちゃんの事も 霊媒師って仕事も 特別感あって好きだった でもうちなんかを引き取ってくれてさ 女で一つで大事に育ててくれて そんなばあちゃんをうちは信じてる だからうちは幽霊を信じてる そう言うあんたはなんで宇宙人信じてんの?」
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
一方の高倉 健(4w5:ボヘミアン)は自分の世界に閉じこもった生き方をしています。自分の「内面」と向き合う事は得意ですが、内面に潜り過ぎて「現実」を見失いがち。 二人は「内面」と「現実」と言う相反する世界に生きています。
高倉 健:「こっちとら 友達がいないから 宇宙人なら友達になってくれるんじゃないかって 小学生の頃から空に向かってずっとUFO呼んでたんですよぉ」
ダンダダン 第1話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
「綾瀬 桃」と「高倉 健」のお話のガイドライン
綾瀬 桃(主人公)のお話
【ストーリーライン(世界観)】
9w8:「リアルな現実世界」に「不可思議な空想(人の内面)世界」が侵入してくる。
もう少し詳しく表すと「周りの環境(リアルな現実世界)を平和に保つ為に人々の調停をしてきた」主人公が壁に当たり、その問題を解決する為に「自分の望み(内面の空想世界)を悟って行き先を決めようとする」お話。
【9w8のお話についての詳しい解説はこちら】
高倉 健(裏の主人公)のお話
4w5:「空想世界」に引きこもっていた主人公が壁に当たり、その問題を解決するためにリアルな「現実世界」へ飛び出す(認識する・目を向ける)決心をする。
【4w5のお話についての詳しい解説はこちら】
ダンダダンのストーリーは綾瀬 桃にとっては「現実から内面」へ歩みだすお話、高倉 健にとっては「内面から現実」へ進むお話。
表と裏の相反する主人公、そのままでは二人の意見は平行線のまま。そんな主人公を導くのが第3のキーキャラクター「主人公を導く者」の役割となります。
綾瀬 桃にとっての「主人公を導く者」は彼女の祖母で霊媒師の綾瀬 星子。
【綾瀬 星子(あやせ せいこ)】(タイプ3w2:主人公を導く者)
基本的に目立ちたがり屋(タイプ3)の性格、それに加えて他人の事が気になるおせっかい焼き(タイプ2)な面があります。
3w4より人と親密でいたいという衝動を持っていますが、ときに、より充実した私生活や家庭的安定の代わりに、公的な生活やそこで認められることを選びます。ダンダダン 第3話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
綾瀬 星子:「ワシが協力できねぇ以上 おめえら自身が強くなるしかねぇ だからワシがおめえらを鍛えてやる」
ダンダダン 第3話より ©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
基本パターンのお話では「主人公を導く者」の導きによって成長した「主人公」は物語を通じて「裏の主人公」と相互理解をしていきます。そして最終的に表と裏の主人公は力を合わせて「ヒロイン」を救う。
これが成長物語(ビルドゥングスロマン)のお話のパターン。
綾瀬 桃にとってのヒロインは本編ではまだ見当たりませんが、おそらくこれからのお話でタイプ6(堅実家)のヒロインが登場するのでしょう。
綾瀬 桃と高倉 健、2人の関係がどうなっていくのか、今後のお話がとっても気になります。
今日はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
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【用語出典まとめ】
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。