地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
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「エニアグラムの裏表」についての考察
アニメの中に登場する「裏表の性格の差」が激しいキャラクター(や裏表の関係のキャラクター)を「エニアグラム」を使って分析するこのシリーズ。今回の考察は「地球外少年少女」に登場する相模 登矢と筑波 大洋。2人は物語の「表と裏の主人公」の関係となっています。
「地球外少年少女」はネットフリックス限定のオリジナルアニメ。「電脳コイル」の磯光雄監督と「エウレカセブン」のキャラクターデザインをした吉田健一がタッグを組んでの制作、私にとって溜まらない作品。めちゃくちゃ興奮しまくりながら視聴させてもらいました。
物語は全6話構成。今回は前半3話までの内容を中心に記事を書いています。 後半のネタばらしは無いので安心して読んでください。
【エニアグラムを知らない方はこちらから】
地球外少年少女の概要
磯光雄による2作目のオリジナルアニメ作品。監督デビューとなった前作『電脳コイル』からは約15年ぶりとなる監督作で、原作と脚本も手掛けている。
制作のきっかけは、磯が『エウレカセブン』シリーズや『ガンダム Gのレコンギスタ』で知られるキャラクターデザイナーの吉田健一と「明るくて面白い宇宙や未来をアニメの舞台として描きたい」と意気投合したこと。磯は、「宇宙を舞台にしたアニメをあまり見かけなくなり、自分で作ってしまおうと思いました。宇宙はすでにSFに登場する遠いイメージではなく、実際に行ける場所になりつつある。そんな環境に投げ込まれた少年たちが体験する冒険を、実際に行ってみてきたような感覚で描いてみたい」と意気込みを語った。
(ウィキペディアより)
【相模 登矢(さがみ とうや)】
(タイプ6w5:主人公)
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
【筑波 大洋(つくば たいよう)】
(タイプ1w2:裏の主人公)
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
主人公:相模 登矢
主人公の相模 登矢(6w5:守る人)は地球の外で生まれた子供。宇宙で生まれた子供は正常に育つことができず、登矢は余命宣告を受けています。
アニメの冒頭では登矢が自分と同じ地球外で生まれた心葉を守る事を最優先した行動をしている様子が描かれます。
【七瀬・Б・心葉(ななせ・ベー・このは)】
(タイプ9:主人公を導く者)
地球外少年少女 第3話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
登矢は心葉を守り救う為にダッキー(登矢の黒い球体型ドローン)の知能リミッターを解除する事によって心葉の治療を進めようとしています。
相模 登矢:「やったとうとう反射機能までハックしたぞ…この先はCリミッターを外さないとダメかぁ」
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
そんな地球外生まれの主人公の元に地球で生まれた裏の主人公が現れ、物語が始まります。
裏の主人公:筑波 大洋
裏の主人公の役割は「主人公を否定する存在」である事。主人公(テーゼ)に対するアンチテーゼが裏の主人公となります。主人公一人では物語は始まりません。主人公を否定するアンチテーゼが示される事で始めてストーリーは動き出します。
筑波 大洋(裏の主人公)は法を犯す相模 登矢(主人公)を許せません。
筑波 大洋:「相模 登矢 あなたを現行犯逮捕します」
地球外少年少女 第2話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
相模 登矢:「だまれ! 地球人のAIが決めた法律を守ってたら俺たちは死ぬんだ 邪魔すんな」
地球外少年少女 第2話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
裏の主人公は主人公をただ否定するだけではありません。筑波 大洋は自分の行動に対して大儀を持っています。
筑波 大洋:「僕はUN2.1の認可を受けたホワイトハットハッカー筑波 大洋」
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
「理想」を持たない主人公は法を破ってでも今最適な道を進もうとします。それに対して裏の主人公は理想を持っていますが、裏の主人公の持つ理想は目の前の「現実問題を解決する」為には不十分なものになっています。
「主人公の行動理由(テーゼ:現実問題を解決する・タイプ6w5)」と「裏の主人公の行動理由(アンチテーゼ:理想を大切にする・タイプ1w2)」は正反対ですが、どちらも大切なもの。相反する正しい考えがぶつかり合いながら物語が進む、それが物語に裏の主人公が登場する理由なのです。
【裏の主人公を詳しく知りたい方はこちらの記事で】
主人公と裏の主人公の関係
二人は正反対の性格で得意・苦手も逆転しています。
【相模 登矢:タイプ6w5(守る人)】
自分の事より周りの共同体の事を気にする心配性(タイプ6)、それに加えて独立心が強く、集めた知識を分析して活用する事が得意(タイプ5)な性格。
【相模 登矢(さがみ とうや)】
(タイプ6w5:主人公)
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
相模 登矢(6w5:守る人)は目の前の状況に上手く対応する事は得意ですが、自分が行っている行動の理由(大儀)を見つける事は苦手。
一方の筑波 大洋は自分の行動の理由(大儀)を見つける事を得意としています。
【筑波 大洋:タイプ1w2(擁護者)】
基本的に真面目で理想を求める(タイプ1)完璧主義者、それに加えて理想を示す為の方法として人々を救おうとする(タイプ2)性格。
【筑波 大洋(つくば たいよう)】
(タイプ1w2:裏の主人公)
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
ブライト:「はい人工知能法違反を発見しました(中略)現行犯逮捕が可能です」
筑波 大洋:「じゃあ首輪をはめてあげなきゃ」
地球外少年少女 第1話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
筑波 大洋(1w2:擁護者)は理想を掲げる事は得意ですが、掲げた理想を実現する為に現実の世の中で細かな計画を立てて実行することは苦手。
筑波 大洋は自分の意志による行動はできるものの、相模 登矢(主人公)の様に上手く目の前の状況に対応する事ができません。
筑波 大洋:「登矢くん」
相模 登矢:「なんだ?」
筑波 大洋:「EVAで向こう側へ行くまで君が僕らのリーダーをやって欲しい」
(中略)
種子島 博士:「登矢さんが一番適任です!」
地球外少年少女 第3話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
相模 登矢が苦手な「生きる為の理由」を見つけるのは筑波 大洋の得意分野。一方筑波 大洋の苦手な「目の前の状況に上手く対応する」のは相模 登矢の得意とする所となります。
主人公と裏の主人公のお話のガイドライン
相模 登矢(主人公)のお話
【ストーリーライン(世界観)】
6w5:「現実の物質(や関係)」を守っていた主人公が「それを守るべき理由」を見つけ出す。
【6w5のお話についての詳しい解説はこちら】
筑波 大洋(裏の主人公)のお話
【ストーリーライン(世界観)】
1w2:守るべき大きな(広い)世界の為に「理想」を主張していた主人公が、世界を守る為の「現実的な実現性」を見つけ出す。
【1w2のお話についての詳しい解説はこちら】
「地球外少年少女」は相模 登矢(主人公)にとっては「自分が何をするべきなのか(理想)」を見つけるお話、筑波 大洋(裏の主人公)にとっては「理想を実現する方法」を見つけるお話。
裏の主人公(アンチテーゼ)は主人公にとっての倒すべき敵ではなく、ぶつかり競い合いながら、相手の良い所(=自分が苦手としている所)を学び取り、成長していくための大切なキャラクター。
主人公と裏の主人公がぶつかり合いながらお互いの共通点を見出し、同じ目標に対して共闘する姿を見るのは実に気持ちがよいですよね。アニメではこの関係を映像表現として実に上手く見せています。
筑波 大洋:「個人的に白いものに黒を混ぜるのは決して許せないのですが…リミッター解除を許可しましょう ただしブライトとダッキーをフレーム融合します」
(中略)
ブライト:「私たちは一つのフレームに合体しました 我々は言うなればダークブライトです」
地球外少年少女 第4話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
表の主人公(6w5)と裏の主人公(1w2)は2人だけでは互いに反発するだけでお話は進みません。
2人は主人公を導く者(タイプ9)に導かれ、共通の目標を目指す事でお話はようやく前に向かって進みます。この流れがアニメの中でスムーズに描かれているのが見ていてとても気持ちが良い作品だと感じました。後半のストーリー展開にはビックリ。
【七瀬・Б・心葉(ななせ・ベー・このは)】
(タイプ9:主人公を導く者)
地球外少年少女 第3話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
よろしければ未見の方は是非見てみてください。超おススメアニメです。今回は語れませんでしたが、ヒロインの美笹 美衣奈もとてもいい味出していますよ。
【美笹 美衣奈(みささ みいな)】
(タイプ3:ヒロイン)
地球外少年少女 第3話より © MITSUO ISO/avex pictures・地球外少年少女製作委員会
今回はここまで。
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【ネットフリックスを見るならこちらのアニメもおススメ!】
【参考資料】
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「裏と表の性格」についてはこちらのブログを参考にさせてもらっています。