ケムリクサ第1話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
こんにちは
アニメ大好き
みんなと一緒に幸せを見つけていきたい
がんべあです。
「物語の世界観」を分析していくこのシリーズ。
今回は1w9(理想主義者)と1w2(擁護者)が主人公の世界観について、その共通点と相違点を考察していきます。
【1w9と1w2の違いを詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】
それぞれの世界観は以下のようになっています。
1w9:「理想の世界」にいた主人公が「目の前の世界の現実的な問題」の解決を行う事になる。
1w2:守るべき大きな(広い)世界の為に「理想」を主張していた主人公が、世界を守る為の「現実的な実現性」を見つけ出す。
1w9が「目の前の小さな世界」に拘るのに対し、1w2は「より広い大きな世界」に焦点があると言う違いがあります。
実際のアニメのキャラクターの行動から検証していきましょう。
【今回検証するキャラクター】
丸尾 栄一郎(1w9)
ヴァイオレット・エヴァーガーデン(1w9)
りん(1w2)
グリフィス(1w2)
1w2(擁護者)が主人公の「世界観」
「りん」(ケムリクサ)
「グリフィス」(ベルセルク)
1w2が主人公のお話は共通して以下のストーリーラインが見られます。
①守るべき大きな世界の為に「理想」を主張する主人公。
②主人公は理想の世界から抜け出し広い世界をより良くする為の「現実的な実現性」を見つけ出そうとする。
「ケムリクサ」
【主人公】りん(タイプ1w2)
ケムリクサ第1話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りんは「理想」を目指す完璧主義者。りんの暮らす世界は滅びつつあり、りんとその姉妹たちは死を覚悟しつつ日々の生活を送っていました。
ある日、記憶喪失の少年わかばが彼女の前に現れる事から物語が始まります。
わかばと出会ったりんは「姉妹たちが安全に暮らせる(理想の)世界」を見つける(作り出す)為に、悩み奮闘していくのがケムリクサの基本的なストーリーとなります。
わかば:「りんさんは どうしたいですか? もしりんさんがしたい事があるのなら 僕が言っていいか解りませんけど みなさん それをすごく聞きたがっていると…」
りつ:「にゃっ!」
りな:「な!」
りん:「私は…原因を見つけて何とかしたい 見えない不安に怯えずにみんながほっと暮らせるなら それを叶えたい」
ケムリクサ第7話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りんは自分だけの為に目の前の問題を解決するのではなく、みんなの為に「理想の世界」を見つける(作り出す)事によって「根本的な問題の解決」を目指します。
1w2の主人公の関心は身近な小さい問題ではなく、大きな世界全体に向く傾向がある事が見て取れます。
もう一人1w2のキャラクターを見てみましょう。
「ベルセルク」
【主人公】グリフィス(タイプ1w2)
ベルセルクのお話はガッツとグリフィス、2人の主人公の世界観の違いがぶつかり合う構成となっています。
主人公の一人、グリフィスはりんと同じ1w2,「理想」を目指す完璧主義者。ベルセルクの世界は戦乱に明け暮れる日々が続いています。
荒廃した世界の中でみんなの為に「理想の世界」を作り出そうと悩み奮闘していくのがグリフィスの基本的なストーリーとなります。
グリフィス:「貴族に生まれついたと言うだけで 神にでも選ばれたつもりか!」
グリフィス:「俺は知りたい この世界において俺は何者なのか 何をするべく 定められているのか…」
グリフィスもまた「目の前の小さな世界」よりも「より大きな世界」に関心が向いています。
しかし興味深い事にタイプ1が成長するには「目の前にある楽しさ(幸せ)」を追い求めた方が良いのです。
りんは目の前の幸せ(好き)をわかば(タイプ7)の中に見つける事で成長できます。
グリフィスは目の前の幸せをガッツ(タイプ7)に見つけかけますが、ガッツと別れる事で闇落ちしていくのです。
【タイプ1の成長と闇落ちについて】
自らの理想を「大きな世界」に求める1w2。
一方の1w9はその逆となります。1w9については前回詳しく解説しましたので、ここでは簡単に要点のみを紹介します。
【1w9と5w6の世界観】
1w9が主人公の「世界観」
「丸尾 栄一郎」
1w9が主人公のお話は共通して以下のストーリーラインが見られる事を前回解説しました。
①「理想の世界」で生きる主人公。
②主人公は理想の世界から抜け出し目の前の現実的な問題の解決を行う事になる。
「ベイビーステップ」
【主人公】丸尾 栄一郎(まるお えいいちろう)(タイプ1w9)
丸尾 栄一郎は「理想」を目指す完璧主義者。
高校1年の時にテニスと出会った栄一郎はその魅力に取りつかれます。しかし同時に周りと比べて圧倒的に実力が不足している事に気付きます。
壁に当たった栄一郎は「目の前の現実的な問題を解決」する為に、悩み奮闘していくのがベイビーステップの基本的なストーリーとなります。
【主人公】ヴァイオレット・エヴァーガーデン(タイプ1w9)
ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第1話より ©暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会
ヴァイオレット・エヴァーガーデンも丸尾 栄一郎と同じく本能によって導き出された「理想」を追い求める性格。
戦時中にギルベルト少佐と出会ったヴァイオレットは彼に対する気持ちに取りつかれます。しかしその気持ち(愛)を具体的に体現する事ができません。
壁に当たったヴァイオレットは「目の前の現実的(ドールの仕事)な問題を解決」する事で「愛(理想の心)を実現する為には具体的に何をすればいいのか」を見つける為に、悩み奮闘していくのがヴァイオレットの基本的なストーリーとなります。
1w9の二人は共に「自分自身」の為に「理想」を実現しようとしている事がわかります。
1w9と1w2のキャラクターの共通点と相違点
【共通点】
どちらも「理想」を追い求める。
【相違点】
違いは「自分の為」か「周りの為」か。
両者の差異はウィングの違いによるもの。
1w9(理想主義者)のウィングは「タイプ9」。
タイプ9のこだわりは「平和・安らぎ・マイペース」
タイプ9特有の「平和・安らぎ」の傾向が強い1w9のキャラクターは、w2より内面的で穏やか、一人でいる事を好み周りに対して強い主張は行いません。
一方の1w2(擁護者)のウィングは「タイプ2」。
タイプ2のこだわりは「人助け・思いやり・慈愛」
タイプ2特有の「人を助けたい」と言う気持ちが強く、その為、w9に比べて周りに干渉します。
どちらが良いと言う訳ではなく、両方大事な事柄。正しく成長していくと1w9も「みんなの事」を考るようになりますし、1w2も「自分の事」を考えるようになっていきます。エニアグラムの成長の最終段階は「タイプ1から9の全ての長所を身に着ける」事なのです。
今回はここまで。
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まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います。
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