ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
ケムリクサ最終回を見終わってからもう4日経ちましたがまだ余韻に浸っています
ほんと面白かったなぁ・・・
まだ分からない謎もたくさんありますので、引き続き考察を進めていきたいです
みんなの考察を読むのも楽しい!
さて、今回は「りん(りり)」を中心とした「ケムリクサ」のお話を13フェイズを使って考察します
【りん】
ケムリクサ第1話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
【りり】
ケムリクサ第11話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
お話の流れ自体は13フェイズの基本通りなのですが、途中で「あっと言う」仕掛けがあります
これだからたつき監督は堪りません
13フェイズとは?
「13フェイズ」とは「起承転結」とか「序破急」「三幕構成」などと同じく「お話の構成」を表した名称です
特徴は「13のフェイズに分かれた構成」
各フェイズで描かれるパターンは決まっています
【13フェイズのストーリー構成】
【第1幕】(対立)
①【日常】主人公の日常、抱えている「問題」
②【事件】事件の発生、日常から引き離される
③【決意】新たな状況へ飛び込んでいく決意
【第2幕】(葛藤)
④【苦境】新たな状況での様々な苦境
⑤【助け】苦境に陥った主人公に助けが現れる
⑥【成長・工夫】助けを得た主人公の成長・工夫
⑦【転換】成長による成果、中盤の盛り上がり
ここまでが前半
⑧【試練】後半は助け無し、主人公は単独で試練に立ち向かう事に
⑨【破滅】主人公の頑張りも届かず状況は一層悪化、破滅が襲います
⑩【契機】破滅を乗り越えるきっかけを掴む主人公
【第3幕】(変化)
⑪【対決】敵との最終対決
⑫【排除】敵を排除
⑬【満足】主人公の抱える問題の解決
13フェイズ構成でできている有名な作品をあげると
「この世界の片隅に」
「シン・ゴジラ」
「君の名は」
「千と千尋の物語」
などがあります
どれもしっかりとしていて分かりやすいお話
これらの作品は全て13フェイズに従った構成となっています
「ケムリクサ」も13フェイズに従った造りとなっています
ただ、びっくりする様な「構成の仕掛け」があるのがたつき監督らしい所
その素晴らしさを一緒に実感しましょう
ではストーリーの考察を行っていきます
※ネタばれ注意! 最終回を観てから読んでくださいね
「ケムリクサ」お話の流れ
【第1幕】
第1フェイズ【日常】
暗く荒廃した世界、最後の水を見つけるがもう後がない中で姉妹たちと共に暮らす主人公りん
りんの抱えている問題は『自分の好きが見つからないこと』
【第2幕】
第4フェイズ【苦境】
なかなか水は見つからない
次々と襲いかかるアカムシ
第6フェイズ【成長・工夫】
旅を続け、途中で水を見つける
自分のしたい事を口に出して言えるようになるりん
わかば:「りんさんはどうしたいんですか?
もし りんさんがしたいことがあるなら・・・
僕が言っていいか分かりませんけど
皆さんそれをすごく聞きたがっていると・・・」
りん:「わたしは・・・原因を見つけてなんとかしたい・・・
見えない不安に怯えずにみんながほっと暮らせるなら
それを叶えたい・・・」
ケムリクサ第7話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
第7フェイズ【転換】
ラスボスである赤い木の根元に辿り着くりん
しかしその力は強大で為す術もない
ついにわかばが倒れてしまう
わかばは最後の力でりんとの間に壁を作る
壁によって引き離されるりんとわかば
第8フェイズ【試練】
壁によって隔たれるわかばとりん
りん:「使え 防御しろ …ああっ!!」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
※ここで主人公は「りん」から「りり」へバトンタッチします(ええー!って言う展開)
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りりもまた同じ様な状況で壁に阻まれ、わかばと別れ一人になってしまいます
一人途方にくれるりり
第9フェイズ【破滅】
ようやく作業が完成し、ケムリクサとなりつつあるりり
しかしりりは見てしまいます
「わかばの死」を知るりり
りり:「不思議よね。私の記憶か・・・へぇー随分はっきり
そうだ!ワカバのいる場所 少しでも詳しく・・・
うそ・・・そんな・・・!ワカバはもう・・・そんな・・・じゃあ意味が・・・!
このメモも消しておかないと…もう私が…私たちが知らない方がいい・・・
好きに・・・」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
ここで再び主人公は「りり」から「りん」へバトンタッチ
りん:「はっ
そういうことか・・・同じじゃないか・・・
まだだ!まだ本体が!
はっ・・・なんだ!?
水がもう・・・
ここでか・・・これではりりと・・・
姉さん水がもう・・・ミドリも・・・そっちに戻るよ」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
第10フェイズ【契機】
絶望するりんは「りつとりな」のメッセンジャーからミドリの枝を受け取ります
りつ:「今までこっちのことばかりさせてゴメンにゃ。最後はりんが好きに」
りな:「好き放題する番だな 今までありがとな」
りん「姉さん・・・りな・・・」
りつ:「もしまだ迷ってたらりんの足が今どっち向いてるか見ればいいにゃ」りな:「ちゃんとねえねのしたいこと見るのな」
りん「私の好きなように・・・
りりとも違う・・・私のしたいことは・・・」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
【第3幕】
第11フェイズ【対決】
ラスボスとの最終決戦
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
りつとりりから受け取ったミドリの枝
姉さんズの助け
総動員のクライマックス
りく:「りん!」
りょく:「じゃあ」
りょう:「行きな!」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
第12フェイズ【排除】
敵を倒し、わかばを救い出すりん
わかば:「りんさん・・・」
りん:「無事か?」
わかば:「はい・・・、あ、赤い木は?」
すごい!倒したんですね!やりましたね!」
りん:「おまえもよくあの状況で・・・」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
わかば:「あれ・・・りんさん?どう・・・」
りん「うるさい・・・、少し待て・・・」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
第13フェイズ【満足】
姉さんズとの別れ
りつ、りなの生存
舟の外に出るりんとわかば
そこは大量の水と自然、明るい世界
泣き出すりん
わかば:「良かったです、本当に」
りん:「わかば・・・・
好きだ」
ケムリクサ第12話より ©ヤオヨロズケムリクサプロジェクト
どうでしたでしょうか?
13フェイズに従ってしっかり創られているのが分かると思います
ポイントである「仕掛け」は第8フェイズ【試練】から第9フェイズ【破滅】の所で主人公が入れ替わっている所
ピンポイントで主人公を入れ替えてくる!!
他の作品では使えません「りりの分身がりん」と言う設定があるからこその仕掛け
一筋縄ではいかないたつき監督
ほんとスゴイ構成ですよね
今回はここまで
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