こんにちは
みんなと一緒に幸せになりたい
がんべあです
最近(2020年4月現在)はTVアニメで13フェイズ構成を使った物語が少なく寂しい思いをしていましたが、久しぶりにいい作品に出会う事ができました!
そのお話とは「僕のヒーローアカデミア」文化祭編(第81話~86話)
今回はこのストーリーの13フェイズ構成を解説いたします
13フェイズ構成とは物語構成のパターンの一つ
「王道」のお話に用いられています
※物語は人によって千差万別な捉え方ができると思っています、このブログはあくまで私の目から見た意見ですのでご了承下さい
※「」は引用部分 引用は「僕のヒーローアカデミア(81~86話)」から
※ネタバレありです、ご注意を
「僕のヒーローアカデミア」81~86話(文化祭編)のお話
この物語(文化祭編)はヒーローを目指す高校生、緑谷 出久(みどりや いずく)と敵(ヴィラン)のジェントル・クリミナルのダブル主人公構成となっています
13フェイズ構成のお話では、物語の最初、主人公は「問題点」を抱えています
そしてその問題点を解決する事がお話の大きな流れとなります
緑谷の抱える問題点は「みんなを笑顔にする為の力がまだまだ足りない事」
緑谷:「遠距離攻撃に対して何もできませんでした。考えてみたけれど100%を使いこなせない現状でどう戦えばよかったのか答えが見つからないんです」
僕のヒーローアカデミア 第82話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
一方のジェントルの抱える問題点は「何のために自分が生きているのか、自らの存在意義が見いだせない事」
ジェントル:「このまま貧しく哀れに私は老いていくだけか? いや…まだ!」
僕のヒーローアカデミア 第85話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
そんな2人のストーリーを13フェイズで確認します
緑谷 出久のお話
まずは緑谷のお話から解説を行いましょう
物語前半、第7フェイズまで緑谷は憧れのオールマイトの助けを得ながら修行を行い成長していきます
僕のヒーローアカデミア 第82話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
そして第8フェイズ以降の物語後半では、オールマイトと離れ、一人でヴィランのジェントルと闘いを行うお話の流れになります
13フェイズのお話は主人公の抱える「問題点」に対して、物語前半では他者の「助け」を受けながら成長を行い、物語後半では、その「助け」無しの一人で成長する構成となります
物語後半、一人きりになる緑谷
緑谷:「土曜朝。人通りなし。雄英近辺にヒーロー事務所はほぼ無し。加勢には期待できない」
僕のヒーローアカデミア 第82話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
修行の成果で得た遠距離攻撃、空気砲を使いジェントルと闘う緑谷、しかしラブラバの個性でパワーアップしたジェントルの攻撃のために絶体絶命の窮地に立つ緑谷
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
緑谷は文化祭の準備を行うみんなの顔と、文化祭を楽しみにしているエリちゃんを思い出します
ジェントル:「キミは何のためにヒーローを志す!?
この夢はもはや私1人のものではない」
緑谷:「同じだジェントル!もう僕だけの夢じゃない!
身の丈に合わない夢は
心の底で諦めてしまってた夢を
笑わないでくれた、認めてくれた
みんなに応えたい
辛い思いをしてきた人に未来を明るい未来を示せる人間になりたい!」
ジェントル:「同じ…か」
僕のヒーローアカデミア 第85話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
そして闘いに勝利する緑谷、 新しい技を手に入れ、物語当初に示された問題点を解決する事ができます
緑谷の活躍のおかげで文化祭は無事に開催され、最後はエリちゃんの満面の笑顔でハッピーエンドの締めくくり
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
13フェイズの基本に則った素晴らしい構成のお話でした
13フェイズのお話は必ず最後に「主人公の成長の結果から得られる満足」が描かれます
ジェントル・クリミナルのお話
このお話には緑谷とは別にもう一人の主人公がいます
2人目の主人公は敵(ヴィラン)であるジェントル・クリミナル
ジェントルのお話と緑谷のお話が交差しながらストーリーが進んでいく様は実に感動的な構成となっています
ジェントルは昔ヒーローを目指していましたが、夢破れ、今は義賊として悪事を重ねる事で自分の存在意義を見出そうとしています
更にジェントルのお話は13フェイズの重ねがけとなっています
「13フェイズの重ねがけ」とは特に強調したいフェイズを更に13フェイズに分けた構成で作られています
今回のお話では第7フェイズの中に小さな13フェイズが隠されており、中盤の盛り上がりを演出しています
では、ジェントルのお話の構成を見ていきましょう
ジェントルの抱える問題点は「何のために自分が生きているのか、自らの存在意義が見いだせない事」
メインの第7フェイズ【転換】の中には小さな13フェイズが隠されています
この2重構成によってジェントルのストーリーの中で一番の見せ所である第7フェイズが見応えのあるものになっています
物語前半、第7フェイズまでジェントルはラブラバの助けを得ながら自分の存在意義を捜すために、義賊として悪事を重ねます
僕のヒーローアカデミア 第85話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
しかし第8フェイズ以降の物語後半では、ラブラバと離れ、一人で闘いを行うお話の流れになります
ジェントル:(ラブラバいかん。1人で行っては危ない)
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
緑谷との闘いに破れ、雄英を警備するヒーロー達に取り囲まれ絶対絶命のジェントル、もう何もかも捨てて諦めそうになります
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
しかし闘いを通じて「自分と同じものを目指す緑谷」の姿に感銘を受けたジェントルは相棒であるラブラバの存在の大切さに改めて気が付きます
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
ジェントルは一人ではありません
少しでもラブラバを守る為に自首を決意をします
ここまでが第10フェイズ
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
これから先が第11フェイズ【対決】
ジェントルの本当の闘いが始まります
取り調べ室でラブラバ(相場 愛美)を守る為に闘うジェントル
ジェントル:「相場君が直接手を出したことはない。彼女と私は同罪じゃない」
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
ジェントルの必死の想いは警官の心を動かします
警官:「なら今日止まれたのは正解だったな
人生やり直せねぇなんて言うヤツはやり直す気のねぇ野郎か、結果を急ぐせっかち野郎だけだ」
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
ジェントルは物語を通じて「自分が生きる存在意義」を見出す事ができたのです
ジェントル: (私情まじりの体のいい理屈をつけて私はずっと私のために生きていたよ
想いをかけて戦って削がれて残った私の底に”誰がため”を想える心があった。緑谷出久、最後に拳を交えられたのが君でよかった)
僕のヒーローアカデミア 第86話より © 堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
まとめ
2人の主人公の想いが交差するいいお話でした
日常系のお話も見てて癒やされるのですが、やはり「問題提起」から始まって「成長」「闘い」「問題の解決」と続く王道の13フェイズ構成のお話が私は大好き
久々にしっかりとした13フェイズのお話をTVアニメで見る事ができたのでテンション上がりまくり状態
今は調度2020年春シーズンのTVアニメが続々と始まっています、良い13フェイズのお話に出会えますように♪
今回はここまで
まだまだ勉強不足で、勘違いや、解説に至らぬ点も多くあると思います
疑問点などありましたら是非教えてください
この記事があなたの「創作活動」と「物語を楽しむ事」に少しでもお役に立てると嬉しく思います
みなさんの毎日が楽しく幸せなものになりますように!
【13フェイズについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ】